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再びの王都とお買い物と名前なかったね

それから魔水晶の改良を済ませて、必要なものをピックアップしてメモに書き出していく。神の子だが、下界にいる間は食事も普通にするし、人間と変わらない生活で構わないとの事だ。(あの後、信託で教えられた)


次の日眼を覚まし身支度を整えて、子供を抱え込む。


「今から王都に行くからな〜、いつもよりゆっくり行くけど、早すぎて怖かったり辛くなったら教えるんだぞ?」

「あい!」


元気の良い返事を聞いて気を纏い、魔力で子供を包み、風除けを作ると一気に走り出す。

聖域と王都は大体700キロ位離れて居るだろうか?普通に進んでいては何日もかかる上に、食料などもいるから大荷物になる。それを子供を抱え、休憩を挟みながらも2時間程で走り抜けるステイン。前回と同じく、王都手前の人目がつかないところから気と魔力を収め、入国ゲートに向かい、手続きを済ませて王都に入る。因みに、子供は保護者が問題なければ、入国に問題は無い。


「まずはギルドに行って貯金を下ろさないとな〜」

「すぴ〜」


ここに来るまでに自分の腕の中で眠ってしまった神の子を抱えながら王都の街中を抜けギルドに向かう。


一際大きな屋敷の様な建物が目の前にある。王都冒険者ギルドは食堂兼、酒場を兼ねており、なかなかお洒落な造りになっており、一般の人でも食事など出来るように、冒険者用の入り口と、食堂兼酒場の入り口が分かれている。ステインは冒険者用の扉を開けると、まばらな人と依頼ボード、カウンターの受付を見回し、目当ての受付へと歩いていく。


「すまない。預金を下ろしたいんだが?」

「はい!ギルドカードと、こちらの用紙に必要額の記入をお願いしま・・・す?」


受付の女性は元気よく応対しようとして、子供?と目の前の光景に若干驚いた。


「ああ、済まない。ちょっと訳ありでな。子連れで失礼する。」

「い、いえ。こちらこそすみません。見慣れない光景でちょっと驚いて・・・」

「だろうな・・・すまない、これだけ頼む。」

ギルドカードと一緒に記入した用紙を差し出す。

「ではお預かりしますね・・・・ブホッ!!!!?」


ステインの出した用紙に書いてある金額を見て吹き出す女性。


「だ、大丈夫か?」

「ゴホゴホ!!!す・すみません!ざ、残高を確認してきます!ギルドカードは・・・ええ〜!!!」


さらに驚く女性。まわりの注目を集めているが大丈夫か?とステインが見つめる中、受付していた女性が慌ててステインを待合室に行くように伝える。素直に誘導に従い待合室の個室で待っていると扉がノックされ人が入って来る。


「ステイン・・・久しぶりだな。」

「おう!マスター!相変わらずみたいだな!」


尋ねて来たのはギルドマスターのオウルだった。彼は元王国兵士長でトップランカーの冒険者だった。今、年は45歳で妻の妊娠を機に、引退。以来、ギルドの要請で、兵士長時代の人脈と、事務処理能力、さらに冒険者としてもトップにたった戦闘力をかわれ、王都ギルドマスターになった。


「まったくお前は・・・まあこの間マインに説教はされただろうから小言は言うまいが、取り敢えず、お前は普通の受付を使うなと言わなかったか?」

「あ・・・」

「その興味が無い事を忘れる癖を治せ。」


はあ〜〜と溜息を吐くオウルを見ながら悪い悪い!と軽く返すステイン。するとまたノックの音がした。


「失礼します。お茶をお持ちしました。」

「マスター邪魔するわね〜。」


緊張した面持ちの先程受付した女性と、軽い感じで入って来るマイン。


「ああ、お茶ありがとう。マイン、今日はもう上がりではなかったか?」

「そうだけど、この子がえらい緊張してたから何かな〜と思ったらマスターが応対してるって言うじゃ無い?これはステインかな〜とね!」

「お、お茶、失礼します。」

「ありがとう。えっと・・・」

「あ、すみません!ギルド受付担当のサラサです!18歳!彼氏居ません!!」


パコーンとサラサの頭を叩くマイン。


「訳の分からない事言ってないで、ステインの預金からお金を出して来なさい!!!」

「す、すみません〜〜〜〜〜〜!!!!!」


バタバタとサラサが立ち去ると、オウルとマインがこちらに向き直る。


「さて、色々話もあるのだが・・・」

「はあ、3日会わないだけで問題を抱えて来るあたりステインよね〜」


どういう意味だとマインを睨みながら、腕に包んでいた幼児を見せる。


「昨日から預かった、神の子供だ。」

「はあ!?」

「うえ!?」


オウルとマインが驚きの声を上げる。マイン年頃の女性がうえ!は無いだろうと呆れていると、モゾモゾと幼児が動き出す。


「うにゅ〜〜」

「起きたか。ほら、挨拶しとけ。」


幼児を抱えてオウルとマインに向けて差し出す。キョトンとしていた幼児がニパっと笑って挨拶する。


「あい!しゅ、ステイン?といっしょにいる?じょ〜かのめがみぃでしゅ!!!」

「お、おう、よろしく、いや、よろしくお願いします?」

「よろしくお願いします。可愛い〜〜♪」

「まだ2歳らしくて舌足らずだがな。最高神曰く、浄化の神の生まれ変わりらしい。」

「さ、最高神・・・」

「ステイン以外が言ってたら正気を疑うわ〜〜〜」


なんだ?そのステインならしょうがないみたいな感じ!失礼だな!などと考えながら、昨日の出来事を説明していく。


「てな訳で、しばらくコイツと暮らして行くことになって、魔水晶の件もあるし、ついでに買い出ししないとと思ってな。」

「お、お前は・・・だからギルドカードの通信を切らずに細かに連絡を寄越すように言っていたのに・・・」

「まさしく、ステインよね〜〜」

「きゃ〜い♪」


それから、オウルに半年間の内にギルドであった変更点と報告などをお互いに交わし、明日、ギルドに来る約束をした。何でも俺じゃないと出来ない依頼があるらしい。


「変な依頼なら依頼主ごと消し飛ばしていいか?」

「依頼は飛ばして構わないが、依頼主は飛ばすな。」

「本当にステインよね〜」


なんだかステイン=残念みたいに言われてる気がするけど?


「この子はどうするの?依頼には連れて行けないでしょ?」

「大丈夫じゃないか?ちっこくても神だし。」

「流石に子連れはどうかと思うが・・・」

「いちょいく〜しゅ、ステイン!いっちょ!!」

「あら〜可愛いわ〜神の子だからかしら?」

「マイン姉は昔から子供好きだからな〜」


などと幼児に癒されていると、またノックの音が聞こえる。


「し、失礼します。預金を下ろしてきました〜」

「サラサ、ご苦労さ・・・ま?」


ドサッと革袋をテーブルに置く音が響く。


「すまない。確認はしなくても大丈夫だよな?」

「いやいやいや、ステイン!いったい幾ら下ろした!?」

「何を買うの!?家?屋敷!?むしろ城!?」

「物凄く重かったです・・・」


三者三様のリアクションをもらいながら、袋を開けると、王国貨幣がジャラジャラ入っているのを確認する。


因みに、

銭貨10枚が銅貨1枚

銅貨10枚が銀貨1枚

銀貨100枚が金貨1枚

金貨1000枚が王国貨幣1枚となり、一般国民の年間支出が大体金貨1枚位となっている。


「こいつの服やらベッドやらかなり買い込む予定だから王国貨幣1000枚も有れば足りると思ったが・・・少なかったか?」

「「「多すぎる(わよ)(です)!!!!!!!」」」

「だ〜〜〜〜〜〜♪」

「あれ?」


その後、3人に説教?されました。何でも金貨3枚もあれば、中級貴族並に色々買い込めるらしい。「常識知らずにも程があるぞ!」だとか、「無駄に買い込んでも意味は無い。子供はすぐ大きくなっていくから買い換えがいる。」だとか、「そもそも王国貨幣1000枚なんて戦争に行くつもりか!傭兵10000人雇えるわ!」とか、「お金持ち!コブ付きだけど愛人でも・・・」だとか、ん?最後のはサラサだな。愛人はいらん。面倒くさい。


「はあ〜〜〜〜〜取り敢えずサラサ、金貨5枚分を両替してきてくれ。銀貨と銅貨、金貨は念の為1枚は残してな。」

「ええ〜〜、分かりました・・・」

「ステイン、あなた本当に常識知らずね〜」

「しゅ、ステイン、ちらずね〜」

「・・・・」


なんか、とうとう幼児にも責められましたが?そんなに変だったのか?


「真似っこして可愛いわ〜!そういえばステイン、この子の名前は?」

「浄化の神だ。」

「それは名前では無いだろうが・・・」

「?そうなのか?まあ元から呼びづらいから、コイツとかオイとか言ってるな。」

「「・・・・・」」


あれ?また2人に睨まれていますが?またなんかしちゃいました?


「ステイン!あんた名前も付けてないの!いや、神の子だから恐れ多いの!?」

「どこの世界に子供をコイツ呼ばわりする親がおるか!!育児放棄か馬鹿者!!!」

「え〜〜俺、親じゃないし、名前って俺がつけるの?」

「オ・マ・エが、親代わりだろうが!」

「親が嫌なら兄でもいいけど、この子も名前位あった方がいいでしょう?ね〜?」

「あい!にゃまえ、くだしゃい!!」

「名前欲しいのか?」

「あい!」


そうか、名前が欲しいならつけねばなるまい。幼児を改めてじっと見つめる。青い髪に白い肌、女、そして浄化の神・・・あれ?神って最高神以外は通称が無いよな?なんでだろう?しかし、名前ね〜〜〜〜〜、思い浮かばないんですが?諦めていいかな?ダメ?そうか〜、俺は面倒が嫌いだ。面倒になって・・・はい、ごめんなさい。睨まないでください。えっとえっと・・・青い髪、青、面倒は嫌い、それは俺か。じゃなくて青、白、女神に浄化・・・


「良し!決めた!青い髪と、自由に流れ、心を浄化する海のような子供、という意味を込めて『マリン』だ!!」

「みゃりん?」

「マ・リ・ンよ!ステインにしては可愛い名前じゃない!」

「うむ、良い名だな。名が体を捉えている。」

「みゃ、み、ま〜、まり、まりん・・・マリン!!!」


確かめるように幼児、改めてマリンが自分の名前を練習している。気に入ったか?考え直すのは勘弁だから気に入ってくれ。いや、下さい。名前考えるより錬金術の回路組む方が楽だわ〜〜と思っていたら。お金を持って来てくれたサラサが来たので、受け取ってギルドを後にする。明日も来るし、長いは無用てね?予定もあるし。マインに叔父達に顔見せするように言われたが今日はバラキの所に行く予定だと伝えた。バっさんの家に行ったら泊まり確定だしな〜。明日の夜にお願いして、買い物に出掛けましたが、服やら何やら買い込むだけ買い込みました。お金崩してて良かった。支払いが楽でした。さらに、お店で購入証明書をもらい、マジックバックに詰めて持ち歩く。この間は手持ちで良かったけど、ベッドとかは流石に邪魔だし。


ちなみにマリンはずっと「みゃ、まりゅ、まりん、マリン」とか、「しゅ、すちぇ、すていん、ステイン」とか抱っこされながら練習していました。とさ。







「マスター・・・今思ったけど、ステイン、スイッチ入ってない?」

「・・・・言われてみれば!」

「マスター、マインさん、ステインさんがどうかしたんですか?」

「「暴走しないように祈るしかない(わね)」」

という会話が、ギルド内で行われていたのをステインは知らなかった。

ステインはスイッチ入ると性格がちょっと変わります。テンションが若干上がります。

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