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暗躍する者と対応する者

ステイン達がゆっくりと療養している頃、とある場所で暗躍する者達がいた。


暗がりの中、蝋燭一本をテーブルに置き、フードに身を包んだ者達が4人で話していた。


「計画はどうなっている?」

「魔国はダメージこそ与えたようだが、結局失敗に終わっているようだ。」

「ふん。あの男、大層な物言いをしていたくせに情けないの!」

「まあ、予想の範囲。でしょう?」


一番奥に座っている者が報告を促す。


「他はどうなっている?」

「王国は今の所準備段階だね。もう暫くは様子を見たいかな?魔国が無事だったならプランを変更するしかないしね。」

「獣人国は今の所予定通りといったところか。まあ、準備はいつでも完了できる。」

「妖精国はまだ手付かずだね。流石に簡単にはいかないよ。」


報告を聞いた者は少し考える素振りを見せる。

それを他の者達は黙って待っていた。


ふと、顔を上げると他の者達に指示を出す。


「では予定通り次は王国に仕掛ける。尻尾を掴ませるなよ?」

「了解。では、準備に入る。」

「こちらも獣人国はいつでも行けるようにしておこう。手伝いが必要なら言うが良い。」

「妖精国はまだまだだからそっちは任せたよ!」


話は終わりだと言わんばかりに机に置いてある蝋燭を吹き消す。


そして、一番奥の者が言った。


「全ては栄光ある帝国の為に!」

「「「帝国の為に!!!」」」


暗闇に4人の姿は消えていった・・・




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


場所は戻り、ステイン達はすっかり体調も戻り、今は魔王から接待を受けていた。


「ハグハグハグ!!!」

「ああ!!ハクお兄様それは私のなのですよ!?」


「マリン様。お野菜も食べねばいけませぬよ?」

「ええ〜!?うう・・・頑張る。」


「兄上、こちらは如何ですか?」

「おお、ありがとう。フェニも食べろよ?」


テーブルに並べられた豪華な食事に各々喰いついていた。


「ふう。こんなに落ち着いて食事ができたのはいつぶりだ?」

「魔王様もお忙しかったですからね。」


魔王とデニスもテーブルに付き、メイドが給仕をしている。

ステイン達にもメイドをつけようとしていたが、自由すぎるステイン達に着いていけるメイドがいない為、メイドは魔王の世話しかしないようになっている。


「なんだ?そんなに忙しかったのか?」

「ステインにも伝えたと国王の書簡に書いてあったが、帝国の残党らしき者達がいるようだからな。そこに今回の騒動ではゆっくりしておれまい?」

「ふう〜〜〜ん。」


魔王の一言を聞いてステインが食事の手を止めて考え込む。

側にいたフェニはステインの前から皿を片付け、ハクはシトリンを抑えながらステインに注目し、ケルピーはマリンに静かにするように伝えていた。


その様子を見ていた魔王とデニスも首を傾げながらメイドに下がるように指示をした。


暫く考え込んでいたステインが顔を上げる。


「うん。やっぱり後手後手になるのは良くないよな?帝国は俺も嫌いだし、協力しよう。ケルピー達もそれで良いか?」

「ステイン殿が言うならば付き合おう。」

「僕はいつでも行けるよ〜?」

「私はお父様についていくのです!」

「私もステインと一緒に行く〜!」

「兄上の御心のままに。」


満場一致で帝国関係に協力すると宣言するステイン達。

魔王は驚き、ステインに尋ねる。


「い、良いのか?お前はこう言うことに巻き込まれるのは好かんだろう?だから昔は霊峰に逃げたのではないのか?」

「今も面倒な事は嫌いだよ。けど、世話になった人達が王国にも魔国にもいるからな。」

「ステイン・・・」


申し訳なさそうにする魔王にステインは笑いかける。


「大丈夫。家族も協力してくれるんだから。帝国問題はパパッとやっつけようぜ?」

「あ、ああ!感謝する!皆様もありがとうございます!」


魔王がステイン達に頭を下げる。

ケルピー達は魔王の様子に満足げに頷く。


そして今後の動きを決める為に魔王と話を進めることにした。


食事をしていた部屋から応接室のようなソファーのある部屋に移る。


お腹が一杯になったマリンとシトリンが寝静まると、大人組は話を進め始めた。


「国王とは3月前から書簡で意見を交換していた。更に今や帝国無き後に台頭してきた大国である獣人国や妖精国とも話し合いの場を作ってきていた。しかし、なかなか書簡では話が進まない為、主要国首脳会議と名打って各国の代表を集め、帝国に対する対策を取ろうとしている段階だ。」

「頑張ってるな。それで?参加はしてくれそうなのか?」

「ああ。獣人国は国王が、妖精国は我が説得しておる。開催はできる。しかし・・・」

「ふむ、開催場所か?」

「そうです。ケルピー様が言う通り開催場所の選定が上手くいっていません。何しろ国のトップが集まるのです。何かあれば一大事になる故、なかなか決定できずにいます。」

「けど、ゆっくりしてたら帝国が攻めてくるかもよ?」

「ハク。魔王達もわかっているのです。しかし、そう簡単には決められぬでしょう?」


ステイン、魔王、ケルピー、ハク、フェニが其々の考えを言いながら現状の確認をしていく。


「・・・ん?」


その時、ステインの懐でギルドカードが反応した。

徐にギルドカードを取り出すステイン。


通信が入っていた。


『マインです。許可を貰って通信しています。魔国には無事に着いてる?マリンちゃん達は元気?たまには連絡してください。』


マインからだった。

ステイン達を心配している様子が見える。


王国に帰ったらまたマリンと遊んでもらうか。と考えていると、閃いた。


「おお!!??」


ステインが声を上げる。

皆んなはビックリしてステインに注目する。


「どうしたステイン?」

「ステイン殿?」


口元を押さえて閃いた案を頭の中で練っていく。


「兄ちゃん?」

「兄上?」


周りの声に返事をせずに考えをまとめると、バンッとテーブルを叩き、ステインが立ち上がる。


皆んながステインに注目する中、ステインが思いついた案を宣言する。


「自分達の国にいながら会議すれば良いんだよ!題して『魔導カメラに通信機能をつけて各国会議大作戦』だ!!!」


自信満々に言うステインを皆んながポカーンとした顔で見上げていた・・・

遅くなりました。


纏めるのに考え込んでいましたが、今日から再開していきます。


よろしくお願いします。

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