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終わりにしよう

撃ち込まれたクレーターの中心から煙が昇っていた。


ステインはゆっくりと振り返るとマリン達に近づく。


「どれ、待たせたな。皆んな回復してやるよ。」


手をマリン達に向けるとステインは残っている魔力を使って回復魔法を使い、マリン達の傷を治していく。

気を失っていた魔族の夫婦も一緒に回復した。


一通り回復が終わると、マリンとシトリンが(シトリンは子犬サイズになっている)ステインに飛びかかった。


「ステイン〜〜〜!」

「お父様〜〜〜!」

「おお!元気になったか?」


思い切りステインの胸に顔を埋めるマリン。

ステインの肩に乗り、頬に擦り寄るシトリン。


ケルピー達は優しく見守っていた。


「またステイン殿に助けられたな。」

「うん。強くなったつもりだったけど、まだまだ修行が足りないね?」

「ええ。力を使いすぎて大事な時に役に立てませんでしたわ。それに、妾は回復する余力も無くなっていました。反省点が多すぎますわ!」


ケルピー達が反省会を始めようとしていたのでステインが口を挟む。


「何言ってるんだよ?皆んなが居なかったら俺も間に合ってないよ。皆んなの頑張りの勝利。だろ?」

「そうだよ〜〜〜!皆んな頑張ったよね!」

「私ももっと訓練するのですよ!」


ステイン達の言葉にケルピー達はお互いを見やり、笑い声をあげる。


「ははは!そうだな。ステイン一家の勝利だ!」

「うん!僕達が最強だよね!」

「妾も皆んなの勝利を嬉しく思いますわ!」


そうやってひとしきり盛り上がっていると、か「うう・・・」という声と共に魔族の夫婦が目覚めた。


「あ、あれ?俺はいったい・・・」

「あ、貴方、大丈夫?」


現状を確認して混乱している夫婦にステインが歩み寄る。


「旦那さん、奥さん。久しぶり!後、妹達が世話になったみたいだな。ありがとう!」

「「ス、ステイン君!!?」」


ステインの顔を見て驚く夫婦。

そして、マリンが夫婦に駆け寄ると元気よく言う。


「おじちゃん!おばちゃん!!ありがとう!」


「おお!マリンちゃん!無事だったか!!」

「良かった!・・・そちらの方々も無事で?」


「うむ、魔族の夫婦よ。マリン様が世話になった。礼を言う。」

「うん!シトリンもね!」

「妹達を有難うございます。」


丁寧に頭を下げて礼を言うケルピー達。

ステインは笑顔で言う。


「2人共、俺の家族の為に頑張ってくれて有難う。それから、昔は言えなかったけど、人間の俺に親切にしてくれて嬉しかった。それも、有難う!」

「そんな・・・ステイン君は俺達を助けてくれたじゃないか・・・」

「そ、そうよ!ステイン君が居なかったら私達はあの時もう・・・」


感極まって泣く夫婦。

それを優しく見守るステイン一家。


戦いが続いていたが、今、心安らぐ時間を過ごしていた。

しかしーーーーー


ドゴオオオオオオンッ!!!!


「「「「「!!!!!?????」」」」」


鳴り響いた轟音。


ステインが撃ち込んだクレーターからだった。


素早くステインが皆んなの前に出る。


「皆んな下がっていろ。」


ステインの言葉に魔族の夫婦とマリンを守るようにケルピー達が下がる。


そして、今までよりも大量の黒い霧が集まり始める。


「これは!?」


ズッゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・


地響きが鳴り響く。

そして、暗い深い声が聞こえてくる。


「もういい・・・・」


ゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーー


「チイイッ!!!フェニ!飛べるか!?」

「は、はい!!!」


ステインが叫ぶとフェニは慌てて姿を巨大化させる。


「皆様!早く乗ってくださいな!?」


フェニの声に反応して皆んながフェニの背に飛び乗る。


ステインも大きく飛び上がるとフェニの背に乗り、フェニが皆んな乗った事を確認すると飛び上がった。


ピキッ!ビキビキッ!!!


すると、地面が大きくひび割れて行き、爆発が起こる。


ドカアアアアアアアンーーー!!!!


巻き起こる爆風に皆んなフェニにしがみつき耐える。


「もういい・・・貴様らも、魔国も、そして、私という存在も・・・」


現れたのは巨大な鬼であった!

見た目は黒い表皮で覆われ、腕は鱗のような棘が出ている。


男にあった角は3本に増え、赤い目に牙、爪といった人間とは言えない怪物が現れた。


「魔人よ・・・私はここまでですが、しかし、この姿でも役に立ちましょう!」


鬼の額に男が埋め込まれていた。

異様な光景に皆んな声が出ない。


すると、鬼が動き出す。


ズン、ズン!!!


一歩踏み出すたびに魔獣や動物などは逃げ出し、衝撃が地を駆け巡る。


「私が、いなくても、魔人の為に、まだ、アイツがいる!せめて、混乱を!魔国は潰させて貰う!」


「お前!!」


男の声が響く。

木々よりも圧倒的に大きな巨体が一歩一歩踏み出し始める。

その進みだけで国を踏み潰せそうだ。


そして、巨体故に一歩で相当の距離を進む。


「フェニ!追えるか!?」

「勿論ですわ!」


翼を広げて巨人に並ぶフェニ。

ステインは男に向かって声を張り上げる。


「お前!!狙いは俺じゃないのか!?」

「『器』?そうだ。私、は、うつわ、を、そのために、スベテノキリヲジカラボアヅメデイルー!!!!」

「!!??」


突然訳が分からない言葉を発し始める男。


「コイツ!まさか!?」

「ステイン殿!コヤツは・・・」

「理性が、飛んでるんじゃない?」

「兄上!どうしますか!?」


だんだんと巨人がスピードを上げていく!


すると突然だった。

フェニの方を振り向くと巨人の口から光線が発せられた!


「!?避けれな・・・!!?」

「フェニ!!そのまま動くなーーーー!!」


向かってくる光線を避けようとするフェニを押しとどめ、ステインが手を前に出す!


「『ウィング・バック』!!!」


風の膜を作り、回転させ、光線の軌道を変える。


ギャリリリリリリッ!!!!!


火花が飛び散りながらなんとか光線をやり過ごす。


シュドオオオオオオオオオオンーーーー!!!!


ステインが逸らした光線が山を吹き飛ばしてしまう。

呆然とする魔族の夫婦とマリン達。


しかし、気を取り直すケルピー達、調停者。


「流石だ、ステイン殿!!そのような風の使い方があるとは・・・」

「それより、あんな巨大な光線をポンポン出されたらたまらないよ!」

「ええ。今回は兄上がなんとかしてくださいましたが毎回となると・・・」


途轍もない力を見せつけた鬼の巨人に対して対抗策を練る。

進みつずける巨人に近付き過ぎないように飛びながらステインは考える。

すると・・・


「あの男の人、もう戻ってこれないと思う・・・」


マリンが呟く。

悲しそうに呟くマリンを気遣うようにシトリンがマリンに寄り添っていた。


「もう完全に魔人に取り込まれてるの・・・きっと浄化も聞かないと思う。」

「・・・そうだな。理性も残っていないだろうな。」


ステインが答える。


巨人となった男は先程迄は喋っていたが、今は全く喋る事もなくなり完全に鬼と一体化してしまっている気がする。

鬼の巨人、アレは魔人の姿に似せているのではないか?


だから男は角があったのではないか?


魔人を崇拝していたあの男は魔人の姿も真似ていたのでは?


今となっては分からないことが多過ぎるが、もうあの男は助からないだろう。


「ステイン・・・」


ぐいっとステインのズボンをマリンが引っ張る。


ステインがマリンと目線を合わせる様に座り込む。


「どうした?いや、どうして欲しいんだ?」

「うん・・・」


マリンは一度深呼吸をすると、覚悟を決めた表情でステインを真っ直ぐに見る。


「ステイン。終わらせてあげて!!」


「・・・・わかった。」


マリンの願いを聞き届けたステイン。


少しの間、考え込む仕草を取ると、魔族の夫婦に確認を取る。


「2人共、魔国の首都は巨人が向かっている方向であってるかな?」

「あ、ああ。あっていると思う!」

「そうね、今夕陽が見えている方向の筈だからあっているわ!」


頷く夫婦を確認してから今度はケルピーに話しかける。


「ケルピー、魔王には会えたか?」

「うむ、戦いの間に出会ったが。今は国に民とこもっていると思うが・・・」


更にハクに確認する。


「ハク、巨人よりも早く魔国まで走れるか?」

「任せてよ!もう走れるくらいには回復してるよ!」

「よし!先行して魔王に城壁の中に人を集める様に言ってくれ。俺たちは城壁の上に出るから邪魔しない様にお願いしておいてくれるか?」

「了解!!」


ステインが何をしたいのか分からないがハクは元気よく飛び出して魔国に向かう。

そして次はフェニだ。


「フェニ。鬼の間合いにギリギリまで近付けるか?」

「勿論ですわ!妾は鬼の惹きつけですわね?」

「ああ!フェニは察しが良いな〜〜〜!」


ステインが言うよりも早くステインの言葉を察したフェニを褒める様に撫でてやる。


次はシトリンに向かってお願いする。


「シトリン。マリンと夫婦を乗せて走れるか?」

「お任せなのです!何処に走ります?」

「ああ、ハクを追いかけてくれるか?」

「了解なのです!」


そしてマリンと夫婦を背に乗せるとシトリンも出発する。


残ったのはステインとケルピーとフェニであった。


気合いを入れるように頬を叩くステイン。


パンパンッ!!


そして、ケルピーとフェニがステインの顔を見て頷く。


それに応えるようにステインが頷く。


ステインの様子を確認したフェニは鬼の巨人に急接近していった・・・・




今日は2話行きます!

戦いのラストは一気に読んで貰いたいからです。


納得いく終わりになっているかは人それぞれかもしれませんが、目一杯書きたい光景を思いながら書きました!


良かったらお付き合い願います。


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