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ケルピー・ハク・フェニと魔王

場面は更に切り替わりケルピー達に戻る。


パラパラパラパラ・・・・


巨人が放った特大の『ブラスター・レイ』による破壊後の破片が舞っていた。

運良く魔国やマリン達がいた方向には向かわなかったが、破壊後が遠方まで広がっていた。


「危なかった・・・」


「ブオオ?」


何処からか聞こえた声を探すように、巨人がキョロキョロと辺りを見渡す。


「フェニ姉ちゃんがいて良かったね。」

「いえ、2人が奴の攻撃を少しでも防いでくれたおかげですわ。」


バッサバッサ・・・・


「ゴオ!?」


巨人が見上げるとケルピー達がフェニに乗せられて空にいた。



巨人が攻撃してきた時のことである。


特大の光線に向かい、ケルピーとハクは防御の為迎え撃つ構えをとった。


瞬間、フェニは2人の行動を確認し、翼を広げる。

その様子を見たケルピーとハクはフェニと視線を合わせると、光線に向かい風と音の壁を繰り出し、迫り来る光線を一瞬受け止める。


ケルピーとハクは身体を縮めながらフェニに飛び乗ると、フェニは一気に空へと登り、光線の軌道上から離脱していた。


咄嗟に取った行動だが、ケルピー達の絆があって初めて間に合った行動であった。

ほんの少しでも息が合わなければ光線に飲み込まれていただろう。


「少し侮っていたか。」

「だね!反省反省〜」

「そうですね。現状、巨人の攻撃は光線のみ気をつけていればどうにかなりますわね。」


空から巨人を見下ろしながら冷静に分析していく。

巨人は持っている攻撃手段の中で最大の威力を出す物を使う傾向にあるようだ。と予測。


これは影の化け物の場合と変わらないみたいだ。


「ブオオオオオオッ!!」


巨人が腕を伸ばし、ケルピー達を捕まえようとする。


「妾がそんなノロマな動きに捕まるわけないでしょう!」


素早く動くフェニを捉えきれずに巨人が腕を振り回している。


その間にフェニの背中にいたケルピーとハクは力を溜める。


先に動いたのはケルピーだった。


「ハク!私が動きを止めるぞ!」

「オッケー!」


ガガガガガガガガガーーーーー


ケルピーが魔力を放つと雷が巨人を包み込む。

巨人を取り囲むように迸る雷。


巨人は完全に足を止める。


「訓練の成果を見せてあげる!」


ハクはフェニの背を蹴ると身体の大きさを戻しながら巨人に飛びかかる。


「はああああああっ!!」


気合いと共にハクの爪が気で包まれると爪を覆うように気が形を変える。


ハクがシトリンとの訓練で身につけた気の応用である。


ステインの様に多様性を持たせた気の運用が出来ないハクは、どうにかしてステインと同様の強化が出来ないかを考えた。

その中で、ステインに無くて自分にある物を考えた。

それが、自身の爪や牙である。


ハク達のような自意識を持つ獣は自身の身体を武器にする。

それは、ハク達にとっては特に意識しない行動である。

人間で言う剣や槍を使うのに等しい爪や牙を強化できないか?をハクは考えた。


元々持っている俊敏さにプラス、突貫力を得る事が訓練の目的だった。

その結果、たどり着いたのが爪を覆う気の応用である。


本来の爪より倍以上に巨大化した気の爪。


その姿をハクはこう名付けた。


「『気功爪装きこうそうそう』!!!」


巨人に振り下ろした爪が巨人を切り裂く!


「ブオオッ!!」


ザガンッ!!!


振り下ろされた爪を間一髪躱す巨人だったが、躱しきれず右腕が切り落とされる。


ドッドドッーーーーン!!!


巨大な腕が地面に落ちる音が響き渡ると、同時に声が聞こえる。


「な、なんだこれは!?」


「あれ?」

「ん?あやつは?」

「魔族ですか?」


戦いに集中していた為、魔族が近づいているのに気付かなかった。

しかし、ケルピー達はこの魔族が只の魔族ではない事に一目で気付く。


おもむろにフェニが魔族の側に降り立つと、魔族は警戒をしているが、ケルピーが代表して話しかける。


「お主、魔族の王だな?私達はステイン殿の身内だ。安心せよ。」

「!?ステインの?来ているのですか、アイツが・・・」


魔王は瞬時に眼の前にいるケルピー達が自身より高位の存在だと感じ取る。

魔王の中にある魔人の血が感じさせたのかもしれない。


「あの影の軍勢は私達も借りがあってな。今回はお主の国の事だろうが、戦いは譲って貰えるか?」

「それは・・・いえ。私などではあの巨人には敵いますまい。」


魔王のプライドがケルピーの申し出を断りそうにするが、冷静に巨人を見つめると、自分の力ではどうする事も出来ないことを悟る。


故に、頭を下げ、神の代理者に魔王は頼むのだ。


「恐らく高位の存在である皆様。お願いします。哀れな魔族を助けてやって頂けますか?」

「誇り高き魔王よ。そなたはステイン殿が話していた通り話が分かるな。安心せよ。ステイン殿は此処に居ないが、ステイン殿の友は私達の友でもある。あの巨人は確実に滅してくれよう!」


ケルピーが言うや否や魔力を高める。


ハクの『気功爪装』が効果があった事からケルピーは巨人に対して結論ずけている事があった。


それは、小型の影の化け物の集大成であると言う事だ。


小型の時に蓄積した攻撃方法を高出力、又はノーリスクで使う為に取り込んだ生命力を巨人の巨大な身体で表しているのだろう。


更に、効率化された攻撃方法を実現する為に頑丈な作りになっている。

が、リスクとして攻撃の吸収は小型の頃より不便になっているようである。

その証拠にハクの『気功爪装』は直撃していた。


つまり、特大の攻撃を一気にぶつければ良いという結論を出す。


ケルピーは魔力を限界まで練り上げるとフェニに合図する。


「フェニ!訓練で試したアレをやるぞ!」

「分かりましたわ!ハク、魔王さんと控えていなさい。」

「わかった!」


フェニも魔力を限界まで練り上げる。

あまりの魔力の高まりに魔王は膝が笑っている。


「何という・・・この様な恐怖はステイン以来だ・・・」

「何言ってるの?ステイン兄ちゃんならもっと、もっととんでもないに決まってるでしょ?」

「何と!?ステインめ、そこまで・・・」


眼の前に繰り広げられる魔力も魔王である自分の何倍も濃密だ。

しかし、ステインはこれよりとんでもないらしい。


「ステイン兄ちゃんに会えたら聞くといいよ!大丈夫。これくらいなら神の代理者の僕等が倒してみせるよ?」

「神の代理者・・・」


「そうだ、魔王よ。私達はステイン殿の家族にして神の代理者である。名を調停者という。」

「魔王さん。貴方も目指すべき力である事を自覚して見ていなさい!妾達の絆の力を!!」


最高潮まで高めた魔力。

それをケルピーとフェニは同時に放つ。


巨人はハクに切り取られた腕の分バランスを崩し、まだ動けないでいた。


「これが私達が辿り着いた魔法の境地だ!!」

「ええ!!ステイン兄上を越える為に作った特別製でしてよ!」


「ブオオッ!」


巨人は『ブラスター・レイ』の体制を取る。

ノーリスク、ノーモーションから放たれる光線。


「何と!!化け物め!!!」

「大丈夫大丈夫!ウチの兄妹はもっと強いから!」


放たれた巨大な光線に魔王が驚愕する中冷静に笑うハク。


迫る光線に向かってケルピーとフェニが声を揃える。


「「行くぞ!合体魔法『ヘル・ストーム・インフェルノ』!!!!」


巨大な火の竜巻が、空ではなく巨人に向かい放たれる。


風のケルピーと、炎のフェニの力を合わせた極限の炎の槍である。


ギャリリリリリリッリイイイイイイインーーーー!!!


巨人が放った光線を貫き巨人に向かって勢いを増す!


「フェニ!!」

「ええ!!」


ケルピーとフェニは息を合わせると、一気に魔力を爆発させる。


「ブオオオオオオッ!!??」


ゴシュンッ!!


光線を出した巨人の口を貫く炎の槍が、巨人を包み込む様に爆発させる!!


「「爆散!!」」


シュウウッ!シュッドゴオオオオオオン!!!!!!!!!


「おおおお!!?」

「危な!?」


魔王とハクは余波で吹き飛ばされそうになる。


ケルピーとフェニは魔力の放出を止めると、荒野が焦土になっていた。


収まる余波の中、巨人の姿は跡形もなく無くなっていたのだった・・・



次回はケルピー達の補足とマリン達です!

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