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王都を発ち訓練の旅へ

ステインのうっかり物忘れのせいで急遽、魔国に向かう事は決定した。


魔人関係者である魔王。

調停者であるケルピー達同様に狙われる可能性があるし、ステイン同様に力の器として何かしら行われる鴨しれないからだ。

火竜の山では頭にきていたので、影の男をぶっ飛ばして事情は殆どわかっていない。

それを少し後悔もしていた。


「王、俺達はしばらく魔国に行く。王国に何かあっても俺はすぐには来れない、気をつけておけ。」

「わかっておる。ステインは元々王国み縛っておる訳ではない。お主は自由だとワシが認めておるのだぞ?」

「ええ。ステイン殿が勇者だと今回の騒動で広がってしまいました。と、なると魔国に行くのは丁度良いかもしれません。」


ステインと王、宰相は戦争の時に対面しており、友人関係である。

普段は王と勇者という立場からあまり交流はないが、王からすればステインは王国の勇者であると同時に手の掛かる子供の様なものだ。実際、国の第3王子がステインと同じ歳である。

また、ステインからしても王や宰相は、今のステインになる上で人間関係などを教えてくれた友人として認識している。


「魔王に伝えておく事があればついでに伝えておくが?」

「良いのか?では1つ頼まれてくれ。」

「ええ、すぐに用意してきます。」


宰相が席を外す。

しばらく時間を潰す上で、王がメイドを呼び、軽食とお茶を用意させる。


「書籍を1つ届けて欲しいのだが、しばらく時間が掛かろう。皆様、特に小さなお嬢さんは小腹が空いたろう?」

「わ〜い!」

「頂きますです!」


マリンとシトリンが用意されたクッキーやケーキに飛びつこうとする。

それをステインが止める。


「マリンとシトリンは挨拶が先だ。寝てたから挨拶してないだろ?」

「はい、えっとえっと、マリンです!」

「私はお父様の守護獣でお兄様やお姉様の妹であり、マリンの姉のシトリンなのです!よろしくお願いします!」

「おお、おお、よろしくお願いします。どうぞ遠慮なく食べてくれ。」


マリン達の挨拶に表情を緩める。

そうか、王は子供好きだったな。

もっと早く連れてきてやるべきだったかな?


「そちらのお嬢さんも、遠慮なく手を付けなさい。恐縮する必要はないぞ?」

「は、はい!頂きます!」

「マインお姉さん!このクッキー美味しいよ?」

「お兄様方も食べるのです!」


マリンとシトリンがマインやケルピー達にお菓子を分け与えていく。

ゆっくり過ごしていると、いつのまにか穏やかな時間が過ぎていた。




しばらく待っていると宰相が書簡を持ってきた。

それを受け取ると、ステイン達は王城を出ようと立ち上がる。が、王に引き止められる。


「おお!ワシも忘れておった!ステインよコレを渡すつもりだったのだ。」

「ん?」


王がギルドカードの様なものを渡してくる。


「なんだ?これ?」

「お主限定の通行許可証じゃ。調停者様方を連れていると入国や退国するにしても手間であろう?それを持っていれば何か言われることもない。好きに行き来するが良い。」

「そうか、悪いな。」

「ステイン殿がもっと自由に過ごせるように王と私からのプレゼントです。」


気を使わせたな。ありがとう。と王と宰相に伝える。



今度こそステイン達は王城を後にして、マインと別れる。

魔国に行く為の準備をする為に、一度、聖域に帰る事にした。


聖域に帰り着くと、マリンがまた寝てしまい。

ケルピーとシトリンは訓練を、

ハクは狩を、

フェニはステインの手伝いを行なって、それぞれ行動していた。


とりあえずその日はゆっくり過ごしたステイン達。

翌朝、ステインは早目に起きると世界樹へと向かい、近くに腰をかけると日課である『聖気』を感じ取る瞑想を始める。

しかし、やはり良く分からず、ステインの訓練は難航していた。


朝食を済ませ、皆んなで出かける準備などを進めていたが、シトリンが言った。


「お父様お父様!私、魔国までまた気の練習しますか?」

「ん?ああ、火竜の山ではそうしていたけどな〜」


火竜の山では確かに、ステインが稽古をつけた。

しかし、今回は自分の訓練も行いたいステインは返事に詰まってしまった。

それを見たハクが声をかける。


「シトリン、気なら僕が教えようか〜?」

「ふむ、ハクは気功を使うのか?」

「そうだよ〜。僕は気功と音を使うんだ!ステイン兄ちゃんみたいな派手な技はないけどシトリンに気功を教えるくらいなら出来るよ?」

「おお!ハクお兄様!お願いできますか!?」


ハクがシトリンの稽古をつけてくれる事になった。

内心、少し安堵するステインに、更に声がかかった。


「では、妾は兄上に魔法を教えて頂きたいですわ。妾、火の魔法は得意なのですが、回復などを覚えたいです。」


フェニであった。

そういえば王都で魔法を教えて欲しいとか言ってた気がする。

また、返事に困っていると、


「ふむ、フェニよ。回復や浄化なら私の分野だな。私が教えよう。」

「おお!お願いいたします。ケルピー殿!」


ケルピーが代わりに教えてくれるそうだ。

ステインは安堵するが、なんだか腑に落ちなかったので、マリンに向かって言ってみた。


「俺の仕事がなくなった!!」

「ステインステイン!!ステインは自分の訓練するでしょ?」

「ああ、『聖気』な。全然感覚が掴めないから訓練はするけど、今のところ使える気がしないんだよな〜」

「ステインなら出来るよ!頑張って!!」


とマリンに癒されながら、準備を済ませていく。

出発は明日の朝にした。


そして、次の日、ステイン達はケルピーとフェニ、ハクとシトリン、ステインとマリンのグループに分かれていた。

それぞれ、訓練をする計画を立てている為、それぞれご飯の時以外は別行動をとる事になった。

ステインは歩きながら考えていた。『聖気』。人間には本来扱えない気。今までにないアプローチをしないといけないのかもしれないな。

訓練の構想を組みながら荷物を纏めると、ステイン達は出発する。


因みに、普通、王国から魔国まで距離にして2週間くらいの距離だ。

ステイン達がいる聖域からでもそんなに差はない。

但し、普通の人間ならだ。


ステイン達ならば3日もあれば充分だし、フェニックスであるフェニに乗れば1日で行けるらしい。

しかし、今回はわざと2週間かけていく事となった。


自身達の訓練をする為だ。

ステインやケルピー達は確かに巨大な戦力ではあるが、ステインは魔人に対し、現状では相性が悪く、ケルピー達は魔人の手に落ち、操られた事がある。


自分達の今の力では今後対応不可の状況に陥るかもしれない。という共通認識がステイン達にはあった。


その為、道中を長めにする事で、訓練をする事にした。

たった2週間だが、元々が人外の人物達。

普通は効果が出ないかもしれない短期間でも何かしら掴めるはずである。


出発して以来、

シトリンとハクは気功術を継続して使い、道中、気が尽きるまで模擬戦や狩を繰り返していた。

ケルピーとフェニは、ケルピーが浄化の魔力をフェニに流して、フェニが自身の身体を流れる浄化の魔力を巡回させ、ケルピーに返す。という訓練をしていた。


2組共、順調に訓練を進めている。

しかし、1人、頭を悩ませている男がいた。

ステインである。


「ああ〜〜〜〜〜〜〜!!!!全然感覚がわからない・・・」

「ステイン、頑張れ!!」


マリンに励まされながら、聖気の感覚を掴もうとしているステイン。

だが、全く訓練が進んでいなかった。


「やっぱり、あの方法しかないかな?」


実はステインには聖気を掴む上でやってみたい方法が最初から浮かんでいた。

恐らく、確実にその方法で掴める自信があった。

しかし、ステインはその方法以外で聖気をものにしようとしていたのだ。


「ステイン大丈夫?」


マリンが悩むステインを心配している。

ステインはマリンを撫でてやると、1つ息を吐き、訓練中の皆んなを呼ぶ。


「ケルピー、フェニ、ハク、シトリン!!ちょっと来てくれ!!」


ステインが声をかけると、皆んなが集まってくれる。

ステインは皆んなを見回すと、1つ宣言した。


「皆んな、俺、一度死にかけるから、後よろしくな?」


ニッコリと普段通りの調子で宣言したステイン。


他の皆はステインを見て固まっていたのだった。



魔国への旅立ちの始まりです!

今回の章は訓練回でもあります。


お付き合いありがとうございます!

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