表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/67

上層への到達と前人未踏の領域とイレギュラー

予定通り、ステイン達は夕暮れ共に60層へと到達した。

60層は上層との境目であり、ここから上は踏破した者は未だかつていない事になっている。その原因が、サラマンダーと呼ばれる火蜥蜴や、フレイム・ワイバーン、さらに火竜などの超上級のモンスターであり、最強種の一角竜種のモンスター達と、フロアを埋め尽くすマグマの暑さに耐えきれないためである。


「こっから先はマグマのせいで暑いから無理は禁物だ。氷結マントがあるから大丈夫だと思うけど、マリンは辛くなったら言うように。シトリンは戦闘じゃなくマリンの様子を見ててくれ。時間をかけずに頂上まで登り切りたい。」

「うむ、酸素も薄くなってきているからな。マリン様は私が空気の層で覆っているが、シトリンは平気か?」

「はあ、はあ、だ、大丈夫です〜」

「すぴ〜〜〜。ん、んん〜〜〜?」

「お!マリンが起きたか!シトリン、今日はここまでだからゆっくり休め。良く頑張ったな!」

「ワフ〜〜〜〜!ありがとうございます!お父様!!」


シトリンを撫でてやり褒めてやると、嬉しそうに目を細め、尻尾をブンブン振っている。


「にゅ〜〜お腹空いた〜〜〜!」

「ふむ、マリン様は本当に良く寝て良く食べます。コレは火竜の山を攻略する頃にはまた成長されるかもしれぬな。」

「良く食べる子と、良く寝る子は育つってやつか?だったらご飯の準備頑張らないとな〜!」

「私も一杯食べて大きくなります!」

「心配せずともステイン殿と私の妹になったのだ。大きくなるだろうよ。」


マリンが起きると途端に賑やかになるステイン達は、しっかり食事と水分を取り、早目に休む。ダンジョン内でも結界とテントを使っているが、念のためステインはケルピーと一緒に見張りを兼ねて外で寝ていた。ステインとケルピーならば余程でなければ気配で気付けるが、マリンの言っていた正体不明の気配があるため、仮眠程度に収める。

そして、夜が明け、出発の準備をすると、いよいよ上層へと向かう。


「昨日言った通り、氷結マントを脱がないようにな?暑くてぶっ倒れるぞ!」

「はい!お父様、装備ありがとうございます!」

「はい!マント気持ちいいね〜♪」

「うむ、問題ないようだ。」

「では、本日の家族目標は火竜の山の攻略とヤマタノオロチに会うことだ!行くぞ!」


掛け声と共に上層へと向かう階段を登り始める。

登り切った所から辺りはマグマのせいで真っ赤な景色に変わる。ボコボコとマグマが音を立てる中、前方にサラマンダーが現れる。火の背びれに炎の鱗を纏っている。


「シトリン、サラマンダーは直接攻撃には向いていないが、実は気功を使うとパンチで倒せる。見てろ。」


言うや否やステインがサラマンダーに接近、気功を込めたパンチをサラマンダーの横っ腹に入れる。


ドカンッ!!!


殴られたサラマンダーは何も出来ずに壁に衝突し、気絶していた。


「す、凄い!」

「シトリン、魔法を使うならば炎に対し、本来なら風は不利なのだが、卓越した風使いならば、このように倒せる。」


シュオン!!


と音を立てて新たに現れたサラマンダーを切り捨てるケルピー。


「お、お兄様も凄い!」

「凄い!凄い凄い!!ステイン、私もした〜い!!」


驚愕するシトリンと派手なことが好きなマリンが騒ぎ出す。


「シトリンも直ぐにサラマンダーくらい一撃で倒せるようになるさ。マリンはもうちょっと大きくなったら戦い方を考えような。」

「うむ、マリン様は元より、シトリンも充分天才と言えるからな。慌てず兄達について来なさい。」

「分かりました!」

「わかった〜」


そこからは、サラマンダーを殴り、フレイム・ワイバーンを撃ち落とし、火竜を叩き落としながら進む。


「今のところ昔来た時と変わりはないようだが。」

「そういえば、ステイン殿は火竜の山を攻略した事があるのか?」

「いや、無いよ。霊峰を攻略しちゃってから山登りに飽きちゃってな〜。最上層までは行って引き返したんだよな。魔導カメラを置いて。」

「成る程な。霊峰に行ったならば火竜の山くらいではもの足りまい。霊峰は神級ダンジョンだったはずだからな。」

「ああ。正直ダンジョンボスの火竜もクリスタル・ドラゴン位の力だろ?霊峰なら中層レベルしかない。」

「霊峰ってなんですか?」

「山〜〜〜?」

「ああ、此処より3倍位の高さがあるんじゃないか?空間が捻じ曲がってて正確な高さはわからないけど。」

「ステイン殿はまさしく神の領域まで来ておるな。」

「霊峰であったヤマタさんに同じ様に言われたよ。」

「霊峰に隠れていたのか。ならばヤマタノオロチ殿は闘神様の調停者だろうな。私と違って闘いに優れている筈だ。」

「ああ!だから殴り飛ばせなかったのかな?普通に殴ったら吹っ飛ばなかったもんな〜。」

「殴ったのか!?」


いつも冷静なケルピーがステインの殴った宣言に驚きの声を上げる。


「ああ、効いてはいたけど耐えられた時は驚いたな。そこから3日位殴り合いして、当時は引き分けたんだよ。懐かしいな〜〜〜〜!」

「人外では済まぬぞ?ステイン殿・・・」


ケルピーの予想通り闘神の調停者と殴り合いをしたとすれば、それは人間とは思えなかった。

闘神の調停者、闘いに属する者である。その力は調停者の中でも群を抜いており、人間が戦うなど以ての外である。故に無駄な闘争を起こさぬ様、ヤマタノオロチは霊峰に篭り、闘争のバランスを崩さぬ様にしていた。それを、霊峰を攻略し殴り合いをするなど神も予想していなかっただろう。


「よっと!65層か・・・皆んな平気か?」

「大丈夫です!」

「すぴ〜〜〜〜」

「体力は大丈夫だ。精神的に疲れたが。」


皆んな平気そうにしている。ケルピーだけ疲れている様だが体力は問題ないらしい。

ステインの人外振りとメンバーの非常識な力で問題なく進む。このまま行けば昼過ぎには最上層に到達できる予定だったが、70層からいきなり様子が変わった。


「なんだこれは?以前来た時はこんなじゃなかった筈だ!!」

「お父様、変な匂いがします・・・」

「うにゅ〜〜〜〜〜!くちゃい!!」

「なんと言う光景だ!」


そこはマグマが溢れる光景は変わらないものの、マグマの色が変だった。異臭を放つ黒いヘドロの様なマグマが溢れていた。さらに奇妙な光景があった。ワイバーンやサラマンダー、更に他のモンスターも倒れ伏せていた。


「魔導カメラで見た時もこんな風景ではなかった筈だが・・・」

「ステイン殿、私が異臭を防ぐ浄化の結界を張るが、範囲が限定される。皆もあまり離れるな!」

「は、はい!お兄様!!」

「うにゅ〜!」


ケルピーの周りを囲む様に布陣を取り、ゆっくり進んでいく。70層が終わりと言う時にいきなりそれは起きた。


「ごギャグぎゃーーーーーーーーーーーー!!!!!!」


聞いたことのない様な叫びが広がり、聞こえた方を振り向くステイン達!


「な、なんだあれは?」

「キマイラ?い、いや、なんだ!?」

「マリン!!絶対に離れちゃダメだよ!」

「う、うん!」

「キャルペパボーーーーーー!!!」


声にならない叫びを上げるモンスター。サラマンダーの様でもありワイバーンの形にも見える。更に人間の様にも見えていた。


「良くないな。子供に見せていいものではない。」

「ゾンビか?いや、また違う気配がある。」

「お、お父様どうしますか?」

「ううう〜〜〜」


このまま階段を登って逃げるのも手だが、追ってくるだろうな。とステインは思った。何故なら、この化け物はステインの方しか見ていないからだ。


(なんで俺を見ている?)


わからない事態が襲いくる中でステインは1つの決断をする。


「ケルピー、浄化の結界は長く持つか?」

「いや、流石に攻略の事を考えると戦闘しながらでは持つまい。」

「なら、ケルピーはシトリンとマリンを連れて先に行け。」

「「「!!!???」」」


3人が驚いた顔をしてステインを見る。ステインは冷静に声をかける。


「気づいているか?あいつ、俺の方に意識を向けている。逃げても追ってくるだろうし、この空間の空気は長居するのに向いていない。狙いが俺ならば受けて立つ。」

「しかし、ステイン殿にとっても此処の空気はよくあるまい!私が離れたら・・・」

「ああ、わかっている。アイツも恐らく弱くない。けど、俺は少しならこの空気は耐えれるけど、マリンとシトリンはキツイだろ?苦戦するかもしれないけど、負けるつもりは無いし、すぐに追いかける。」

「す、ステイン!!危ないよ!?い、一緒に行こ〜〜〜!?」

「お父様!私も残ります!」

「ダメだ!!最悪、ヤマタさんの所にお前たちだけでも急いで行くんだ!この調子じゃ何が起こるかわからん!!大丈夫だからヤマタノオロチを助けて来い!ヤマタノオロチは最強のドラゴンだ!動ければ助けになってくれる筈だからな。急げ!!」

「2人共行くぞ!ステイン殿を信じているならば此処は先に向かうのだ!!」



ケルピーがステインの想いを受け2人を連れて離れる。ステインは目の前の化け物から視線を外さず、結界を張る。ケルピーの浄化の結界程完璧に空気は遮断できないが、幾分マシになる。布を取り出し口元を覆う様にマスク代わりに結ぶと、目の前の化け物に言った。


「一体何が起こってどうなっているのか分からんが、俺の家族に手を出そうとするなら敵だ。言葉が通じるなら一度だけ言っておく。ぶっ飛ばされたくなかったら引っ込んでろ!!」




ステインの宣言と目の前の化け物が動き出すのは同時だった。

バトルに突入します!上手く描ける様に頑張ります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ