表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/67

プロローグ

初投稿です!

小鳥のさえずりを聞きながら、朝露の匂いを嗅ぎながら深呼吸をする。


(今日もいい天気になりそうだ)


軽く背伸びしながら空を見上げる。


(ここに暮らしはじめてどれくらいだろうか?)


人里離れた森の中、1人ひっそりと暮らし、人との関わりをなるべく断ち、隠居した頃のことを振り返る。


(完全に人と繋がらない・・・なんて昔は考えてたのだがな~)


思わず苦笑してしまう。1人で生きていくというのは当たり前だが中々難しい。料理が出来ても、掃除が出来ても、裁縫が出来ても、あれもこれも出来ても難しい。


(やっぱり、1人だと・・・)


寂しい。と考えそうになるのを否定するように頭を振る。


(まずは珈琲でも飲もう。)


家に入り、火にかけていたヤカンを確認し、珈琲豆を準備する。


(珈琲豆も買わないとな~)


珈琲の準備をしながら今日は街に買い出しに行く事を考え、何を買うかをピックアップする。


(そうだな、今日は久し振りに王都に足を伸ばすか?本もみたいし、暇潰しにはなるだろう。そろそろ、ギルドに顔出しておかないといけないし。)


出来上がった珈琲を飲みながら、予定を決めると、ギルドカードを取り出す。


(今日の夕方、ギルドに行きますよ~、と)


ギルドカードの通信機能を使いメッセージを飛ばす。


(このギルドカードもそろそろ潮時かな~)


カードを翻し、登録情報を呼び出す。


名前:ステイン


年齢:22


ランク:該当なし


職業:フリーランス


通信:オフ


(あ!やば、これ通信切ってたよ!)


ギルドカードの通信機能は本来緊急時に使用される。高ランク会員の呼び出し機能として使われる。


(あ~、怒られるかな?)


まあ、自分のランク[該当なし]だから大丈夫かと、開き直り、外出の準備をすすめる。






(さて、忘れ物はないよね?)


改めて、確認しながら外に出る。


(久し振りの王都だし、たまにはゆっくり行きますか。)


準備運動しながら、王都までの道程を考え、気を体に馴染ませる。


(魔法も好きだけど、体動かす方が性に合うんだよな~)


人里離れてのんびりしたいはずなのに、体を動かすとワクワクする自分に苦笑してしまう。


(さて、今日は小一時間で着くペースにしよう。)


地面を踏み締め、馴染ませた気を解放する。


ドゴンッ!!!


激しく空気を揺らし、とてつもないスピードで走り出す。


「・・・・・今日はいい天気だ!!」


笑顔で走り出す、この青年は、人里離れた場所に1人で引きこもり、自由気ままに生きている。


本人は認めていないが、


曰く、人外

曰く、化け物

曰く、魔王より魔王

曰く、英雄殺しの英雄


等々、色々な呼び名がある。


この物語は英雄譚ではない、冒険譚でもない。


たった1人の青年の物語であり、何だかんだで1人では生きれない男の、時に巻き込まれ、時にのんびり暮らしていく物語。


本人は知らない。


これから起こる数々の騒動と、彼のまわりに集まる仲間達の、そして、彼の過去との物語は動き出したことを。


では、そろそろ物語を語ろう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ