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3話 神力の扱いと邪神様

 目の前には魔法によって燃えて灰になってしまった木々。

 そして今にも他の木へ燃え移りそうになっている。

 とりあえず火を消すために水魔法の【水噴射ウォータースプラッシュ】を発動させる。

 【水噴射ウォータースプラッシュ】も【火球ファイアーボール】同様に、十倍以上に規模を増していた。

 それのおかげで燃え盛っていた火は完全に鎮火されていた。

 それよりもさすがに謝らなければならないだろう。

 そう思い振り向いてみると、シエラたちはポカーンとした顔で驚いていた。


「まさか、本当にすぐにできるようになるとはな」

「すいません!森を燃やしちゃって…」

「それは構わんよ。燃やしてはいけない木というわけでもない。それに森の奥に入ってくる冒険者どもを追い払うときに木は大量に倒してしまっているしな」

「さらにこの森は精霊の力で満ちているから、ある程度たてば元通りになるしね」


 それなら安心できるが、神力の扱いには気を付けないといけないな。

 

〈邪神を倒したことを確認。大量の経験値の獲得を確認。神の力の吸収、適応を『万能身体』により開始。適応による身体の進化を大量の経験値を使い開始……完了。〉



 へ?一体何が起きた?

 慌ててステータス画面を確認してみると


────────────────

NAME:雨霧あまぎり あかつき

年齢:16歳

性別:男

種族:人族(異世界)

レベル:1

クラス:神見習い

状態:普通


能力値

体力:10,000,000/10,000,000

魔力:10,000,000/10,000,000

聖力:10,000,000/10,000,000

神力:10,000,000/10,000,000

STR:1,000,000

INT:1,000,000

VIT:1,000,000

AGI:1,000,000

MND:1,000,000


特殊能力アビリティ

万能身体Lv-


固有ユニークスキル


スキル

異世界言語Lv- 完全鑑定Lv- 無限収納インベントリLv- 苦痛耐性Lv10 神力操作Lv10 並列思考Lv- 並列意思Lv-


加護

創世神の加護 


称号

異世界の勇者 神と対話した者 神の加護を受けし者 異世界から召喚されし者 神の力を持ちし者 邪神を倒し者 人を超えし者 神見習い 

────────────────


 ステータスの桁がおかしいことになっている。

 聞こえた声の通りなら邪神を倒したからなんだろうが、いったいいつ邪神を倒したんだ?


「いやー、まさか隠れてた分霊を倒しちゃうなんてねー。君もびっくりしてるだろうけどこっちもびっくりだよー」


 声の聞こえてきたほうを向いてみると、男か女か区別がつかない──かろうじて女性っぽい──中性的な見た目をした中学生くらいの子がいた。


「邪神か、ここへ何しに来た」

「君たちやここへは何もする気がないから心配しなくていいよ。用があるのはそこにいる、ハーリアと会ってた君さ。ちょっと話がしたくてね」

「話がしたいだけで分霊を隠れさせる必要はないだろう」

「話がしたくなったのは分霊を倒された後からさ。最初はただハーリアと会っていたから気になっただけさ」


 邪神とやらが俺に話とはいったい何のことだろうか。

 少し気になって聞いてみることにした。


「俺に話とは一体何ですか?」

「ああ、それ?君、僕の分霊を倒したから身体が進化したでしょ?それについての説明をしたほうがいいかなと思ってね」

「なぜそれを?」

「それは『全てを見通す目』を持ってるから、神の力で隠されても見えるのさ。効果はあらゆる感知機能と君の持つ『完全鑑定』が合わさったものだね」


 そんなスキルがあるなら習得してみたいものだ。

 感知系のスキルを全部取ればできるかな?


「そうそう、説明をしなきゃね。君が倒した分霊は、気づかれないように限りなく力を落としたものなんだ。しかし、力を落としたとはいえ神であることに変わりはない。それを人間かつレベル1の君が倒したことにより膨大な経験値を入手した。さらに君の持つ特殊能力アビリティにより分霊が持っていた神の力そのものを吸収したんだ。それにより体が適応して進化し、それに伴って経験値がステータスに変換された、というわけさ」


 なるほど、説明されてようやく理解できた。

 

「これで僕の役目は終わりかな。他に聞きたいことがあればそこにいる銀狼や精霊にでも聞くといいさ。それじゃあね」

「あ、ちょっと待って!」


 思わず止めてしまった。

 これだけは聞いて、言っておかないと。


「どうかした?」

「いや、君の名前を聞いてなかったから」

「あははは!君は面白い人だね!この僕に名前を聞くなんて。いいよ、教えてあげる。僕の名前はニャルエミルトさ。また会う日をお楽しみにしてるよ、雨霧暁君」

「ああ、今日はありがとう。ニャルエミルト!」

「ほんとに君は面白い人だよ。この僕にお礼を言うなんてさ!君になら僕のことをニャルって呼ぶのを許してあげる!」


 そう言うとニャルエミルト、ニャルは目の前に現れた黒い空間に消えていった。

 ただ名前を聞いて、お礼を言っただけなのに面白がられてしまった。

 名前知らないと不便だし、教えてもらったんだからお礼を言っただけなのに。 


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