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-6-

お久しぶりです。試験が終わりました。

「あんのクソ…私だって女なのに!あんなデリカシーのかけらも感じられない奴に拾われただなんて人生最大の汚点にしたいくらい!」


憤慨しながら別の木陰へやって来たアナ。口ではそう言うことを言ってるが、冗談めかして沈みかけてた心を浮かせてくれた配慮がフレッドにあったのはわかる。それに、拾ってくれなかったら今頃どうなっているかもわかっているつもりだ。


「それでも言い方ってもんがあるでしょ…」


はぁ…とため息をつくとアナは途中だった昼食を再開する。フレッドのぶんも含め、自分が作っているのだがそれなりに美味しいものだとは思う。


元々味音痴と言われるほどに料理に関して才能はなかったアナが、そこそこ食べれるものを作れるようになったのはフレッドの母親おかげである。

作っては教わり、作っては教わりを繰り返し三年ほどかけてようやく味見役のフレッドが美味しいと頷くレベルまで来た。

その時のことをフレッドはこう語る。


「ついに僕の味覚がおかしくなったのかと思ったけど、父さんに味見させても美味しいって言ってたから安心したよ…毎日塩辛すぎたり甘すぎたりする料理食べてたからね…僕は早死にするんじゃないかな……」


とまぁ、そんな苦労が裏にはあった弁当を食べ終えると同時に先程と同様に号令がかかる


「そろそろ作業再開するぞー」


村人たちは各々返事をしながら先程自分が道具を置いた場所に向かい始める

アナもフレッドも例に漏れず、その場所に向かおうとする。


そのときだった。

フレッドの真上がふと暗くなった。

昼間なうえ、そこまで雲も厚くない日なのに…と疑問に思ったフレッドが振り返り、上を見上げる


先ほどまでは何もいなかった場所。そこには深き闇を携え、6本の手足で地面に立つ巨大な異形の竜がじっとこちらを見ていた。

フレッドはもちろんアナも周りの村人も凍りついたように動くことができない。

まさに絶望を体現したような竜はフレッドを一瞥すると口に闇を蓄え始めた


「マズイぞ!みんな逃げるんだ!」


いち早くフレッドが正気に戻り、指示を出した。


「うわァああああぁ!!!!」


それぞれが悲鳴をあげたその瞬間、竜はブレスを放つ。


ドンッッッッ!!!!!!


という轟音が鳴り響き、先ほどまでアナがいた付近の木が跡形もなく吹き飛んでいた。巻き込まれた村人も何人か見える


「アナッ!!!」

「私は大丈夫!だけど…」


フレッドがアナの安否を確認しに駆け寄ると、アナは隣を見た

アナの足元には先ほどまでの衝撃で飛んできたものがぶつかったのであろう、足を怪我した村人がうずくまっていた。

見た目からして裂傷がひどく、とても自力で歩いて逃げることは難しそうであった


「アナ、君はこいつを連れて逃げろ。僕ができる限り時間を稼いでみる」

「はぁ!?何言ってんの!?あんなのに敵うわけないでしょ!」

「それでも3人固まって逃げるよりは生存率が上がるはずだ…」

「それにフレッド…戦えるの?」

「探検家を目指すものとして…装備の一つや二つは持っておくべきだぜ、アナ」


そういうとフレッドは懐からマテリアルが埋め込まれたメリケンサックを取り出す。

それを装着すると竜に対し身構え、挑発するように手を動かした。


「探検家の真似事ができて僕は嬉しいよ、クソトカゲ!」


そう一言叫ぶとフレッドは竜に向かって走り出した。

しかしその時だった。


「せっしゃあああああああ!!!!!」


突如謎の声がしたかと思うと


________________竜が横に吹っ飛ばされた。

竜くん吹っ飛ばされました。

12/29 全体的な口調の見直しを行いました。

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