表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/19

-1-

リィザは創世者、又の名をワールドオーガナイザーという。

俗にいう神様というやつだ。

お供の烏丸と共に世直しの旅…というほどでもないが、作り出された世界達を正すために日々旅をしている。

何故リィザ達がこの世界に来たかを説明する前に、この世界についてまとめておく。


この世界は現代日本から見て都市が超高度発展を遂げている。ワープ装置、自動で動くロボット、空中要塞などなど…それらを可能にしているのは「魔法科学」と呼ばれるものだ。マテリアルという魔法物質を用いてこのように発展して来た。


その反面、都市以外の生活レベルは著しく衰退し、例えればライフラインの整った中世ヨーロッパ並である。勿論、マテリアルのおかげでライフラインが成り立っているのだ。

なので、田舎だからといって人々が貧困に苦しんでいるわけでもなく、皆楽しそうに暮らしている。リィザにとっても嬉しい限りだ。


世界には様々な人種が暮らしている。リィザたちが今いる村__「アルマイト村」という__は獣人と呼ばれる人種が暮らす村だ。

獣人といっても、人間に動物の尾と耳がついたようなものではなく、二足歩行をする動物のようないでたちである。あの尻尾はもふもふしてそうだなぁとリィザは歩きながら眺める。


また、マテリアルについても少し記述をしよう。

マテリアルの発見はおよそ二百年前と言われる。

マテリアルはそれぞれ属性を持っており、その属性に応じて様々なものに使われている。

この世界の武器はいまや殆どがマテリアルが付与された物ばかりだ。性能が高ければ高いほど複数のマテリアルが複雑に作用し、より高い火力や機動力を持つ仕組みである。


しかし、マテリアルは万能ではなかった。

八十年ほど前から、マテリアルを使用した後の残痕のようなもの「マナ」から「魔物」と呼ばれる物が生まれてしまったのだ。

マナは人間には毒である故、処理することが難しい。さらにそこから魔物が湧き出て来るのだからたまったものではない。

その為、魔物を討伐するような仕組みができたりしたのだが、それはいつか話すことだろう。


話を戻そう。


先ほど言った通りとても長閑な村であるが、この世界を世界規模で見た場合長閑とはかけ離れている現状である。

地球と同じように大陸がいくつかあるのだが、その大陸を支配する大国2つ__「サマルカンド帝国」と「マルクト公国」が戦争勃発寸前なのだ。


理由はマルクト公国の対魔術科学兵器「アルマゲドン」の製造と所有。

見た目は普通のミサイルと何ら変わりないのだが、爆発と同時にマテリアルに科学的に作用する物質が散布され、風に乗って流れた科学物質は半径数十キロに渡ってマテリアルの活動を半恒久的に停止させる。もともとはマテリアルの長期保存するための物質であったが、それが悪用されてしまった形になる。

その凶悪性により世界規約で製造が禁止されていたのだが、マルクト公国は秘密裏に製造。その数なんと約100発とも言われている。これは近隣諸国を滅ぼすどころか、世界すべてのマテリアルを停止させることができるほどである。

しかもこの兵器の厄介なところは、マテリアルの活動を停止させた後、すぐさまマナに変換していくという特性にもある。

撃たれれば1週間もしないうちにその国は住むことができない死の国となってしまうだろう。


そんな世界征服しそうなマルクト公国を黙って見ていることはできないと反発したサマルカンド帝国と近隣諸国が同盟を組んだのだ。

しかし、迂闊に手を出せばアルマゲドンを打たれ大打撃を受ける。それ故に手出しが出来ず、にらみ合いが続いている。

因みにアルマイト村はサマルカンド帝国に位置している。サマルカンド帝国は獣人が誇りをかけて作り上げた国家というわけだ。


しかし、リィザ達がサマルカンド帝国に来たのはそんな世界情勢とはまた別の理由がある。


それは、帝国の皇帝が所有しているとされる超古代破壊兵器「壊し続ける者」である。

壊し続ける者___それは一度文明を滅ぼしたとされる史上最悪の兵器。古い文献にしかないような幻の兵器がなぜかサマルカンドにある…

それを知ったリィザは今までいた世界から早々に切り上げて急遽この世界に舞い降りたのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ