実験室にて
こんにちは
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エルとベルに浮かせて貰って祭壇から物理的に落ちていた私は無事に祭壇に戻る事が出来た。まずは祭壇から出れるかをすぐに確認した。私の腕は祭壇から完全に離れていた。とりあえず出れる事が確認出来たので一安心…
だからあの博士と呼ばれるメガネの男をぶっ飛ばしてこようと思う。
エルとベルはお役目が終わったからさっさとどこかに行ってしまった。
ここがどこかもわからなかったから博士を探すついでにこの建物の探索でもしよう。
祭壇が置いてあった部屋は壁も床も木でできていたが部屋の扉を開けると実験室のような部屋があった。祭壇があった部屋とは全く違う…
というか実験室のようなじゃなくて実験室だ。部屋の中央には巨大な水槽みたいなのが置いてあって中にはたくさんのチューブに繋がれた女の子が眠っていた。
「…人体実験?」
自分で言った事に身震いして考えないようにした。
この実験室についてもっと知りたくて色々調べたけどこれといってよくわかる物は無い…諦めて次の部屋に行こうとしたら床に書類が落ちていた。
拾い上げて内容をよく読んでみる
『子供という物はとても興味深い。夢をよく見るからすぐ眠ってくれる。都合の良い道具だ。大人はダメだ。なんでも現実的に見てしまう。だからすぐに廃…』
そこで読みたくなくなって書類を破って捨てた。
「なんでここの人達は大人をゴミ扱いしてるんだ…」
「本当に自分が大人だって言い切れる?」
突然聞こえた声に驚いて声の主を探す…もすぐに特定した。眠っていた女の子だ。
「な…何…?」
女の子は何も言わなくなってまた眠ってしまった。
私が大人じゃない?
女の子をよく見てみると心なしか私に…似ているような…
「いや気のせい気のせい」
なんとなくここにいたらダメなような気がして足早に部屋を出た。
実験室の次の部屋は…部屋じゃなくて廊下。壁にはたくさんの資料が貼ってあった。人類成長の記録やら人体の臓器の記録やら人間の脳の容量やら…
全て人体に関するような資料だらけだった。頭の悪い私はひとつひとつ丁寧に見ていると気が狂いそう。
そんな廊下を歩ききるとガラスの箱に入った水晶玉が廊下の端に置いてあった。
資料だらけの廊下にいきなり現れた水晶玉は私の興味をかなり引き立たせた。
水晶玉にかけよるとまぬけな顔の私が映された。やっぱり自分の顔は自分で見るもんじゃないな…
ガラス箱を触ると私の手が水晶玉にデータと共に映されて、映し出されたデータは私のデータだった
『トウゴウ サクリ
-歳 女 武器庫 体力 上』
年の所が書かれていない。私は今年成人したんだけどな…
さっき女の子が言っていた事とやっぱり関係がある?なんか良くわかんないや…
体力上って書いてあるのは私の体力が下中上で言ったら上って事?まぁ良い事かな…
この水晶玉は触れた人間のデータを表示させる道具なんだろう。
水晶玉の後ろに扉があったので次の部屋に入る。
「お?あぁ試験クリアおめでとう!!いやぁやっぱり見込みがあると思ったようわぁいきなり発砲!?」
ターゲットを見つけた。メガネの男だ。
私をあのわけわからない試験会場に落とした張本人だ。
痛めつけてやりたかったがあんまりやりすぎると聞きたい事が聞き出せないと思ったからとりあえずグーパン5発でやめておいた。
「いったぃ…」
「あーすっきりした」
この貧弱な生き物はグーパンで死にかけている。
私は吐血したんだぞ…
「とりあえず色々聞きたい事があるんだけど?」
「えーあんまり大事な事は言えな…あっごめんなさい言います」
変な事をぬかす前にこいつの額に銃口をぴったりとくっつけた。効果大。
「まずこの世界は何?私はどうやったら戻れるの?」
「この世界は空想の世界さ。子供達が考えた。ここは空想の世界を行き来する駅みたいな所。君は全ての世界を攻略したら帰れるよ。」
「ヒロトはどこ行ったの?」
「ヒロト…あぁナガヤマ ヒロトか。
あの子は元々の現実世界に帰ったよ。」
「ヒロトはなんであんな所にいたの?」
「植物人間状態になってたんだ。交通事故で。」
「交通事故!?」
「この世界にいる子供達は全てなんらかの事故で目覚めなくなった子供なんだ。だから今は夢を見ている。ここは空想の世界って言ったけど夢の中の世界でもあるんだ。」
「夢…じゃあ私も夢を見てるの?」
「君は例外さ。肉体から君の魂だけがこの世界に来て…」
「え?」
「おっと」
口を滑らせたと言わんばかりに男は口を手で覆った。
「待って今のどうゆう意味?魂?ちゃんと説明して!!!!」
拳銃を握る力が強くなる。
「…エル!!ベル!!」
「「はーい!!!!」」
元気な返事と共にエルとベルが私の腕をつかんで男から遠ざけだした。力が入らなくて抵抗できない。
「ちょっと!?!?」
「ごめんねーお姉ちゃん」「働かざる者食うべからずだから…」
「労働基準法仕事しろー!!!!!!」
叫びも虚しく部屋から追い出された。
「……」
追い出されたついでに知らない部屋に入れられた。エルとベルはまたどこかに行ってしまった。出口にしっかり鍵をかけて…
1度バズーカで扉を壊そうと思ったけどびくともしなかった。無駄に頑丈に作りやがって…
閉じ込められた部屋はというと9つのベッドと9個の扉がある部屋だった。
ベッドの上には一つのベッドに1個ぬいぐるみが置いてあった。
でも一つだけ何も置いていないベッドがあった。そのベッドの先にあった扉を見てみると遊園地の写真が貼られている…
なんとなく考察できた。
このベッドはこの世界にいる子供達の人数で、ぬいぐるみが置いてあるベッドはまだ眠っている子供で置いていないベッドは目覚めた子供…つまりヒロト。
そのぬいぐるみが無いベッドを調べるとベッドの頭の方に「完了」の二文字が書いてあるプレートが置いてあった。
考察は正解?だとしたら私天才?
1人で嬉しくなる。
そのヒロトと思われるベッドの横のベッドを調べてみる。置いてあるぬいぐるみは猫。触り心地は…最高。
そのベッドの先にある扉を見てみると扉は開いていた。入れという事か?
でもこの扉以外に入れる所無いしまずここに入らないと何も変わらないだろうし…
頬を叩いて「よし」と呟いた。
どんな難しいゲームだろうとクリアしてやろうじゃないか…!!!
その扉の中に入って、入った瞬間気が遠くなってそのまま気を失った
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