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架空船  作者: 木箱屋
3/12

出口付近にて

こんにちは

ガレキまみれになった遊園地を進んでいくとジャスティス号の青い部品が転々と転がっていた。

少し早足になって進んでいくとガレキに埋もれたコックピット部分が見えた。

駆け寄ってガレキをどけるとコックピットの中には風船の様なものが膨らんでいた。

「…え、これもしかしてエアバッグ?」

あの車の中で膨らむアレ。

このコックピットエアバッグ付いてたのか…

するとエアバッグはみるみるしぼんでいって震えた子供が姿を現した。

子供が身につけている物は王冠と赤いマントしかわからなかったけどどうやらパジャマを着ていたみたいだ。なんでパジャマ?

「ねぇ…大丈夫?プリン君。」

「ぷ…プリンじゃないヒロトだぁ…」

「じゃあヒロト君…怪我は?」

「………くじった。」

やっぱり怖い思いをしたらちょっと丸くなるようだ。パジャマの膝小僧部分に血が滲んでいた。

「応急処置って言っても…ハンカチもなんも持ってないしな…」

「大丈夫だよこんくらい!!!!」

ヒロトはコックピットの座席から思いっきり立ち上がるけど痛さでまたしゃがみこんでしまう。

「あーもう強がってないでここは普通に甘えてよ。ほらおぶってあげるから。」

「……………振り下ろしたりしない?」

「しっしないよ私そんな外道に見える?」

「…」

とりあえずヒロトをおぶって遊園地から出る事にした。ヒロトがいるから何とか出れそうだけれど…

とりあえず最初の入口を目指す事にした。

「…ねぇ僕に名乗らせておいてプリン1号は名前言わないの?」

「プリン1号って何さ!?私はプリン1号じゃなくてサクリ!!」

「んーサクリ。覚えとく。」

ヒロトは手にサクリを5回ほど書いて食べる動作をした。

「それかぼちゃじゃない?緊張しないってやつ…」

「いいじゃん別に。ほっといてよ。」

まだとんがってるなぁ…

それからしばらく2人で黙り込んで歩いていたけどこの沈黙に耐えきれなくなったのか、いやなかなか言い出せなかったのかヒロトが喋り出した

「サクリはお父さんとお母さんいる?」

「ん?いるよ?それがどうしたの?」

「……」

黙り込んだのでなんとなく予想はついたけど…言ってみて良いのか…

…。

「……お母さんお父さんいないの?」

「…」

やっぱり図星。孤児だったか…

「…殴られたんだ」

「え?」

「毎日毎日殴られた。あとちょっと切られた。」

「は!?ちょっと何それ!?!?」

まさかの方向に行ってしまって思わず歩みを止める。

「そしたら隣の家の人が気付いてお父さんとお母さんは捕まったんだ。」

「…あー…。あー……」

それでこの子あんな大人嫌いになってたのか…いやはやこんな重かったとは…

「下ろして」

「へ?」

「下ろしてってば」

「でも君怪我してるし」

「下ろしてって!!!!」

仕方なく下ろす事にした。なんでいきなり…するとヒロトは私を睨んできて

「お前も僕の事殴るんだろ?生意気だから殴るんだろ?」

「なんだよいきなり!?」

生意気なのは否定しないけどそんな殴ろうなんて思ってないのに…ヒロトはくるりと向きを変えて出口とは反対の方向に進み始めた。

「ちょっと!!どこ行くの!!」

すぐにヒロトのまえに回り込んで肩を掴んだ。掴んだ瞬間ヒロトが一瞬怯えた顔をしたため離しそうになったけどこらえた。

「離せよ!!僕の事嫌いなくせに!!!!」

「何を根拠に言ってんの!?嫌いじゃないよ…」

「だって僕の事馬鹿にしたじゃん!!」

「あっ…あれはそっちが馬鹿にしてきたから…」

「ほら嫌いじゃんか!!」

そう言うとヒロトは私の手の甲を思いっきりちみってきた。流石に痛くて力を緩めてしまいその間に逃げられてしまった。

「待ってよ!!……帰ろう?」

その帰ろうという言葉に反応してヒロトの足が止まった。

「…帰るってどこに?」

「元々の世界にだよ。こんな世界にいたって不自由なだけだろう?全部壊れちゃったし…」

「帰ったって楽しい事無いし…」

そうだ。ヒロトは孤児だった。帰ってもお父さんとお母さんはいないけど…


「でも楽しい事が無いなら作れば良いんじゃない?」

ヒロトがびくりと肩を震わせた

「過去に起こった事はもうどうする事も出来ないけれどこれからならなんでも作れるし…私がこんな事言って良いのかわかんないけど…」

とりあえずしゃがんで同じ目線で

「…………こんな所に閉じこもってないで外の世界で過ごさない?」

「でも…もうジャスティス号がいないし…ジャスティス号が僕を守ってくれないし…」

泣きじゃくり始めた。

「じゃあ今からヒロトがジャスティス号だ」

「え?」

「ジャスティス号みたいに強くてかっこいいヒロトになれば良い。もちろん正義のために強いジャスティス号に。」

「強くてかっこいい…」

ヒロトは小さい声で何度もその言葉を繰り返した。繰り返すごとに目に涙がたまっていく。

「ほーらこんな場所で立ち止まってたらかっこわるいぞ?ジャスティス号はヒーローなんだろ?ヒーローなヒロト!なんちて」

「かっかっこわるくないもん」

ヒロトは涙を両腕で拭った

「……帰りたい。」


気づいたら出口の前に立っていた。後はこの扉を開くだけ。

「よーしじゃあ帰ろう!!帰ったらまず何しようか!!」

「僕プリン食べたい」

「およ?」

「かっ勘違いするなよ!?僕の頭がプリンってわけじゃないからな!?」

「分かってるって!私もちょうど食べたかったからさーあっまあまなやつ食べよう!!」

そう言って2人で扉を開けた。



…………

「浩人君?」

…ん?

「せ 先生!!!!!!浩人君が!!!!目を覚ましました!!!!」

「嘘だろ!?今日は宴だ!!!!特大のケーキを作ってやれ!!!!」

かんごふさん?

「ん?なあに浩人君?」

…プリンの方が良い。





「え?」

気づくと祭壇の上だった。ヒロトはいない。

「いやーいやーブラボー。最高の出来だったよ45号君。」

私の前で拍手しているのは白衣を来たメガネの長身の男。

「君は長く持ちそうだ。改めてここでチュートリアルを受けてもらおう」

今は更新スピード速いですが8月からは遅くなります。

次も読んでいただけると光栄です。

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