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架空船  作者: 木箱屋
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図書館にて

完全に妄想で作った産物です。

今日は男の子が来た。強気な赤い髪の男の子だ。5地区目でやられた。

昨日は女の子が来た。内気な青い髪の女の子だ。3地区目でやられた。

一昨日は…

………

眠くなってきた。今日はもう寝よう。


目覚ましの音で目を覚ました。目覚ましの音は世界で一番嫌いな音になってしまう。そろそろ違う音楽に変えようか…

そんな事を考えながらも面倒くさくなって何もしないままポケットに携帯を押し込む。

髪の毛を縛って外出用の服に着替えてパンに塗るバターを冷蔵庫から出した所で今日は大学が休みである事を思い出す。一気に体の力が抜けて溜息をつく。

いつもの休日なら9時に起きるのに時計の針は7時30分を指している。

朝食のパンを食べながら朝のニュース番組をぼんやりと見つめる。最近奇妙な事件が連日報道されている。内容は確か…一ヶ月ほど前から共通点を持った変死体がいくつか見つかっているそうだ。その変死体は全て右手に活字で埋め尽くされた紙を握りしめて残酷な形で死んでいる…という事件。事件にあまり進展は無く今日はこんな死体が見つかった、昨日はこんなのが見つかったというニュースが毎日報道されている位だ。…だいぶ怖い。

皿洗いをした後ベッドに倒れ込む。二度寝も出来そうにない。

二度寝を諦めてベッドから体を起こすとふと思い出した思い出した友達の言葉。確か自分は友達に本を勧められていた気がする。なんとなく読みたくなってベッドに倒れた事で少し崩れた髪を整えて玄関に進む。

古いアパートに住んでいるため玄関に隙間から入った毛虫が靴に乗ろうとしていた。私はものすごく嫌な顔をしてやって毛虫をほうきではらった。力なく玄関から追いやられた毛虫は左に回って進み始めた。左の部屋の住民さんご愁傷さまです…。


歩いて10分程で着く図書館に来たらまだ開いていなかった。腕時計を見たら7時50分を指していた。図書館の開館は8時。ちょっとだけ早かったな…。

「あの」

突然後ろから声をかけられて驚いて後ろを振り向く。全く気づかなかった…

「ごめん。驚かせたね。」

後ろにいたのは私とあまり変わらない身長の男性だった。いや、ちょっと私より高いかな?第一印象は…優男。

男性は優しい顔で笑ってみせた。

「あの…聞きたい事があるんだけど…」

「あっはいなんでしょう?」

今日の第一声だったため変な声が出てしまった。恥ずかしい…

「ここって…図書館だよね?」

「あぁはいそうです。ここら辺にあまり馴染みが無いんですか?」

「うん。最近ここに来たばかりで…」

こっちが敬語で話してるのに男性は構わずタメ口で話している。

まぁ別に良いんだけど

「あの」

私が男性に何か言おうとしたら後ろで図書館の門が開く音がした。

男性は私からすぐに視線を逸らしてさっさと図書館に入って行く。ちょっと今のはむかついた。

でも私何言おうとしてたっけ…

私こんなに忘れっぽかったっけ?

もやもやした気持ちにとらわれながら図書館の中に入って行った。

友達が言っていた本のタイトルを五十音順で探して無事発見。本を見つけて無事発見は無いか…。

本棚から引っこ抜く。タイトルは「孤独の遊園地」簡単に書いてあったあらすじを更に簡単に言うと、へんてこな遊園地に迷い込んだ主人公は肉親と再開するため遊園地から脱出を試みるというホラーアドベンチャー…

私ホラー苦手なんだけどな…

「それ借りに来たの?」

また突然現れたあの男性が本をのぞき込んで見つめていた。

私はこれでもかというくらい驚いて男性を睨む。

「わぁ、そんな怖い顔しないでよ。」

「あの…貴方何なんですか?さっきは私を無視して図書館にすぐ入ったのに…」

「あぁ図書館に君以外誰もいなかったから暇でね。」

この人本を探しに来たんじゃないのか?

「どう?その本面白そう?」

男性は視線を本に戻してまじまじと本を見つめる。

「まぁ…友達に勧められたし面白いっちゃ面白いんだろうけど…」

「うん。面白そうだもんね。」

「…そこまで言うなら貴方が読む?」

と言って男性に本を突き出してみた。

すると本を押し戻して、

「いや、この本は咲里が持ってた方が良いよ。」

この人初対面の人を呼び捨てにして…


「何で私の名前知ってるの?」

男性はにっこり笑って

「さぁなんでだろうね」

その言葉と同時にバランスを崩して

目の前 が 真っ 暗 に なっ て



……

……………?


海の底から這い上がるようにして目を覚ました。

頭がいたい。

「……」

私の目の前に広がっていたのは綺麗な、でも少し狂気を感じる巨大遊園地だった

今回はプロローグみたいな物で短めですがもし続きが気になったりしていただけたら超光栄です。

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