友達
「おーい!いつまで寝てるのー?」
俺は今綺麗な女性にケツをつつかれている木の枝で
地味にチクチクして痛いがほのかに気持ちいい
なるほど!これが痛気持ちいいというやつなんだな
などと地面に突っ伏しながら思っていると
「よいしょ!」
などと言ってリサが俺の背中に乗ってきたではないか
ふ、太ももが横腹にあたってますよー!
だが、リサはそんなことお構いなしに
「いい加減起きてよー!こんなとこで寝てると風邪引くよー!」
などと言いながら俺の背中を叩き始めた
まぁ、全く痛くないんだけど
「わかった!わかった!起きます!現実を受け入れます」
痛くはなかったんだがなんだな恥ずかしくなって渋々起き上がる俺を雑草の上でしゃがみこんだリサが満足気に眺めていた
リサさーん!そんな風に屈んでるからパンツ見えちゃってますよー!
青と白の縞パンかぁ
ふむふむ!絶景かな絶景かな
などと眺めていたらどうやら、俺の視線に気付いたのかリサは顔を赤くして素早く立ち上がりスカートの丈を引っ張った
「今パンツ見てたでしょ?」
「いや!そ、そんなことないぞ」
俺のバカ!
平静を装うつもりが思いっきり噛んでるじゃねぇか
「まぁ、いいかぁ!とりあえずそんなことは置いといて」
オイオイ
会ったばかりの男にもろパンツ見られてそんなことで済ましていいのかよ
「この状況どうしようか?」
この状況?えっ?なんのこと?
この訳のわからない世界にきたこと?
でも、リサはこの世界のこと知ってるらしいから俺に聞いてくるのもおかしいよな
と思い辺りを見渡すと
あぁー!
そう言う事ですか
わかりましたともわかりましたとも
よく俺この状況で寝ていられたよ
そして、リサもよくこんな状況なのに俺の上に乗って遊んでいられたな
辺りを一面見わたすとなんと..............
オオカミの群れに囲まれているじゃあーりませんか
「どうしよう?」
「いやいや!どうしよう?じゃなくて」
とりあえず今持ってるものを確認しないと
まぁ、オオカミ程度素手でなんとかなるが数も多いし何と言ってもリサを守りながら戦うとなると骨が折れる
チッ!バタフライナイフとスマホだけか
無いよりマシだ
「リサ!ちょっと下がってろ!」
俺はリサの前に立ち顔だけリサの方に向けて言った
「う、うん」
リサは大人しく俺の言うことを聞いてくれ少し後ろに下がった
さて、ちょっと本気でやらせてもらおうかな
覚悟しろよわんちゃんども!
「グルルルル!!」
なんて思ってると一気にオオカミ達が襲いかかってきた
俺は瞬時にバタフライナイフの刃を出し構える
「よっと!そんなんじゃ当たんないぞ」
俺は体をひねったりしてオオカミの攻撃を避けながら
オオカミとのすれ違いざまに下腹に蹴りを入れたり
バタフライナイフで軽く切りつけたりした
まぁ、オオカミ達との戦いは長く続かず..............
ものの5分程度であたりに一面にいたオオカミ達は戦っても勝てないと踏んだのか
一目散に逃げて行った
そして俺はバタフライナイフに付いたオオカミの血をポケットティッシュで振り取り刃をしまって片付けると
「孝作くんさすが!めちゃくちゃつよーい!!」
などと言って背中に抱きついてきた
うほっ
背中にリサの胸が押し付けられててめちゃくちゃ気持ちいい!ラッキー!!
などと思っていると
俺は茂みの奥からなにかの気配を感じた
「リサ、まだなにかいる!離れてくれ!」
「オッケー!」
などと言ってリサは離れてくれた
胸は名残惜しいが仕方ない
俺は片付けたばかりのバタフライナイフを再び構え茂みを掻き分けていくとそこには..............
「キャンキャン!キャンキャン!」
さっきのオオカミたちの子供なのか
足に怪我して横になっていた
さっきのオオカミ達はこの子を守るために仕掛けてきたのか
悪いことをしちゃったな
俺は来ていた服をバタフライナイフで少し切り取り
オオカミの怪我をした足にまいた
「まぁ、無いよりはマシだろ!後で薬草見つけて治療してやるからな」
俺はオオカミの子供を抱き上げ頭を撫でると
「こ、こら、やめろってくすぐったい!」
オオカミの子供は俺の頬を舐めてきた
俺の声を聞きつけてなにかあったの!といいながらリサが近寄ってきた
「オオカミの子供?」
「あぁ、足を怪我してるみたいなんだこの辺りに薬草が生えてる場所とかないかな?」
「うーん!わかんないけど家に帰れば薬草ぐらいあるよ」
「キャンキャン!」
オオカミの子供は俺の手から離れ俺の頭の上に乗っておすわりをした
ちょ、ちょっと重たいぞ
まぁ、仕方ない
「おい!落っこちるなよ」
「キャン!」
俺の言葉を理解したのか返事を返してくれるオオカミ
なんか可愛いな
近所のタマを思い出すよ
タマもよく俺の頭の上に乗ってきたものだ
主に用を足すため
俺の頭はタマにとってはトイレ替わりになってたのかもな
「少しだけ足痛いの我慢してくれよ!こっちの世界での初の友達だからな!すぐ治してやるからな」
「えっ!?私は友達じゃないの!?」
「えっ!?俺たち友達だったのか!?」
俺はリサをからかうようにそう言うと
ドヨーンと効果音を付けられるぐらい酷くショックを受けたようで腰を曲げておばあちゃんのような歩き方をした
まぁ、後でさっきの言葉を撤回してやると上機嫌になりスキップをし始めるのである
そして、オオカミの子供はといと余程頭の上が落ち着くのか頭の上で眠ってしまった