はじめに
1973年、7月5日、午後4時27分、私は死んだ。
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「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」
「ブス」
「消えろ」
「キモい」
「ウザい」
「恥さらし」
「バーカ」
もう、うんざりだ。
何も私じゃなくてもいいじゃん。
だいたい仕掛けてきたのはあんた達だろう。
この世にはうんざりどころか吐き気がする。
医療制度がどうのとか、食品の中に腐ったモノが入ってたりとかいい加減じゃない。
大人って子供にはルールがどうのエチケット、常識を守りなさい、周りを見て行動しなさい。
言いっ放しじゃない。まず自分から徹底しなさいよ。
もう嫌だ、ホントに死んでやる。
風が頬を撫でる。
金網がカシャカシャ音を立てる。
スカートがひらひら舞う。
学校の一番高いところは一番気持ち良いところだった。
「待て!!落ち着いて話をしよう」
「先生が指図したことでしょ、今更落ち着けなんてよく言えるね、私だったら言えないよ」
「そっそれは思い違いだ!頼む、降りて来てくれ」
「え〜、『せんせ〜い、あの女子がウザいんですけど〜』『そうか、好きにしてもいいぞ』って
言ったのは何処のどなた?」
「……………そっそれは」
「ヒトなんか信用できない、それを教えてくれたのはあんた。この痣を付けてくれたのはあんたの
生徒。あんた達は私に死ねって言った。だから死ぬ、これでいいんでしょ。あんたの為にも、あんたの
生徒の為にも。それで信用ガタ落ちね、教育委員会にこっ酷い処罰をされて酷い場合警察行き」
「やっやめてくれ、頼む、このとおり」
「どのとおり?どうせもう警察来てるし、その警察が見るのは飛び降り自殺した生徒の遺体とポケット
からはみだした、自殺した生徒の告白書。それを見た警察と教育委員会がどう動くか、分かってるよね。あ、そろそろ時間。じゃあ行かなくちゃ」
「バイバイ、be twisted world」
1973年、7月5日、4時27分、私は死んだ。