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月の夜、夜の砂漠

すっかり日も落ちて辺りは真っ暗闇になった。

ただ私たちの居る木の下だけは、焚き火のオレンジ色の光に照らされてぼんやりと浮かんでいた。


「ウィンドって一体何歳なの?」


カ「さーな、相当な歳なのは確かだけど…オレも知らないからな〜。何とも言いがたいけど」


「ふーん、じゃあカイトって何歳?」


カ「オレ?オレは18」


「へぇ〜、意外と歳食ってるね」


カ「るっせぇな、アンナこそ何歳だよ」


「わたしはまだまだぴちぴちの16歳で〜す!えへへへへ」


カ「2つしか違わねーじゃん。向こうの世界では何歳で成人になんの?」


「結婚とかのは18からだけど、お酒とかタバコとかは二十歳はたちからだよ」


カ「へぇ〜、こっちじゃあそんな規則もないからなぁ…オレも10歳ぐらいから酒飲んでたし」


「えぇっ!?ウィンド止めなかったの?」


カ「全然。それどころか一緒になって飲んでたぜ」


「おいおい……(汗)」


半ば呆れ気味の溜息がこぼれた。

そろそろ眠くなってきたし、会話も途切れたから寝袋にもぐった。


「ふわぁ……あぁネムぃ…」


カ「寝たら?オレ火見てるし」


「ぁふ……んじゃヨロシク……」


コトンと眠りの泉に引き込まれ、焚き火のオレンジが揺らいで消えた。



(いいなぁ……オレも寝てぇ〜)

ゴトッと頭が落ちて眠りに落ちたコトがすごい分かりやすいアンナを見ながら、自身もホントに寝そうに頭がこっくりこっくりしてきていた。


カ「ふわぁぁ……ああウィンドおせ〜……ん…」


ぼんやりとしてきた視界に、オレンジのちらちらが妖しく暗闇に光っていた。



「……んぁ、重い……って」


眠りに入った直後体に重みを感じて起きたアンナは、自分の見たものに驚いた。


「うわあぁっっ、ななな何でカイト寝てんのしかも私の隣でぇ!?」


カイトの頭がちょうど自分の顔の真ん前にきて、しかも上から押さえつけるような格好だった(からなぁ…)。

パニクっているときにふと、冷静になる。そんな変な瞬間がおとずれた(何だそれ!!)。


「ふふっ…睫毛長っ。いいなぁ…薄い唇。あたしタラコ唇だからなぁ」


目の前の高い鼻をなぞりながら呟く。


「でも。自分の所で寝てください」


んしょんしょと焚き火の向こうに戻した。

ついでにデコピンして。


「これからはあたしの部屋に来んなよ、ばかカイト」


砂漠の夜は更けていく……寒っ。


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