砂漠の真ん中で…
空は一面の砂埃で黄色く煙っていた。
ときおり馬車が通るほかはとにかく誰も何もない道路だった。
そしてとにかく暑い!
「あ゛づ〜〜」
ウ「いくら夏だからって…年寄りにはキツイのぉ……」
カ「異常気象!?」
3人とも歩き疲れている上にこの睡眠不足!この暑さ!
たまんねぇなこりゃ。
「ねぇ…ゼエゼエ、昼は寝て夜とか朝移動しない?」
カ「その策乗った!」
汗ダクダクのカイトが言った。
ウ「確かに…若い者でもキツイか」
カ「あたりめぇだ!!」
アレ?……なーんかクラクラする…気持ち悪い……。
ドサッ
カ「アンナ!!オイ大丈夫かよっっおい!!」
どうやらアンナは、この直射日光で熱射病になってしまったようだった。
カ「チッ、ほらコレが真昼間に歩いた結果だ。分かったかジジィ」
よっこらしょ、とアンナを背中に負ぶいながら言った。
ウ「悪かったな…次に街までまだ20キロはある……その辺の木陰にでも入って休むか」
カ「はいはい」
「ん……」
パチパチと薪が焼ける乾いた音がしている。
カ「あ、起きた。よかったな〜、あんな中で熱射病起こさないほうがおかしいよな〜」
のほほんと火の様子を見ながらニコニコしているカイトを見て、ちょっとだけホッとした。
どうやら街へ向かう事を諦めて、野宿にするようだった。
「…ウィンドはどこ行ったの?」
カ「あ〜、心配すんなって。夜明けになったら戻って来るからって言ってた」
ふ〜んと頷きながら、勢いよく燃える火を眺めた。
…それまでカイトと2人きりっていうのが気になるけど。
男はみんな狼って父親に言われ続けられていた結果である。
……おいおい。