プロローグ
ぶっ飛んだバトルが好きで、あと百合が好きで書きました。
がんばって両立したいと思います。
この世界の。
悪も。
正義も。
秩序も法律も。
すべては過去に悪の秘密結社から世界を救った英雄たちによって決められていた。そんな英雄たちは『ヒーロー』と呼ばれている。
けれども彼らの決めた法律は、長く続かなかった。
『多数決の原理』をごり押しして、人間たちがその法律をかきかえてしまったからだ。
その法律は、人間たちに都合のいい、逆に言えば、ヒーローたちに非常に都合の悪いものだった。
世界を守るためとはいえ、戦闘のときに建物を壊して罰が科せられるのはヒーローになった。
敵がしでかした事の責任を取るのもヒーローたち。
それも、敵の行動で受ける被害より、防衛時の戦闘による被害の方が大きかったためだ。
そして、人間たちは自分勝手で。
理不尽極まりなかった。
一人の命を差し出す事で多くの人間の財産が守られるのであれば、人間たちはその一人の命を敵にあっさりと差し出した。
下手に抵抗してそれ以上の被害が出るよりマシだという理由で。
ヒーローたちは、人から疎まれ、虐げられ、都合のいいときにだけ使われて最後には悪と共に倒れていった。
力はあっても、権力は無い。
そんなヒーローたち。
そんな彼らの唯一の活躍の場を作ってくれる悪の組織はすでにもう衰えて、表立った活動をする事はない。それはつまり、ヒーローたちの存在意義も無くなったと同義。
そうしてヒーローたちが、人の記憶から少しずつ薄れていったころ。
ヒーローによる、暴動が起きた。
きっかけは小さなものだった。街中で、不満を言っていただけの彼ら。たったそれだけの事がメディアに取り上げられ、全国的に放送され、『ヒーローがやってはいけない事をした』と、あたかも彼らが悪であるというような言い方をした。
当然、たまりに溜まってた不満と、有り余ったエネルギーは爆発する。
基本的に人とは違う彼ら。そのエネルギーは凄まじく、武器を使わずともその肉体のもつ能力だけで町一つを軽々と灰にした。
『ヒーローは悪』
その考えが一般に定着するのに、さして時間を必要としなかった。
けれどもすべてのヒーローが人間の敵に回ったわけではない。人が嫌いになれず『悪』と呼ばれるヒーローたちの手から一般人を守り、イメージを回復させようとするヒーローたちも少なからずいた。
そうしたヒーローは『正義のヒーロー』とよばれ、大体のものは警察組織などで活躍していた。
現在では、人間に悪意を向けるヒーローたち。
対して、イメージを守ろうと人のために動くヒーローたち。
対立は、時が立つほど深くなっていった。
設定など甘いですが、バトルものを書きたくなっただけなので温かい目で見てくれるとうれしいです。
でもやっぱり百合もいいですよね。