部員の2年は1年生!?
次に、俺は1組に辿り着いた。
えっとここは⋯[瀬戸 瑠璃亜]ちゃん?
しかし、ここの教室はもう帰ってしまったようだ。
しかし、まだ生徒が5人ほど残っていた。
ガラガラッ
良「あの⋯瀬戸さんはいますか?」
すると、大勢の女子が一人の少女を指さした。
その少女は名前を呼んだのにも関らず、
本を読んでいる。長い黒髪とメガネが特徴的だ。
髪色は綺麗な濡れ烏で、少し青みを帯びている。
良「ちょっと⋯呼んでくれるかな?」
すると女子陣は頷く。
女子A「瀬戸ちゃ~ん」
女子B「瑠璃亜ちゃ~ん?」
それにも応答しない。
それを見た女子陣は、瀬戸の肩をたたく。
それにやっと気付いた瀬戸は
ハッとしながら、振り向いた。
女子A「ピョン介君が呼んでるよ?」
何処へ行っても俺は「ピョン介」なんだな⋯。
瑠「はい」
すると瀬戸は席を立ち、
こちらへ近づいてくる。
瑠「何の御用ですか」
良「部室のことなんだけど⋯」
瑠「数学準備室⋯です。」
良「場所⋯わかる?」
すると、瀬戸は頷く。
瑠「校内探検は必須です。
何かあったら危険ですから。」
良「そ、そっか⋯;
部長が待ってるから、
いってきてくれるかな?
今日は部員紹介だって。」
瑠「はい」
そうして瀬戸は、バッグを持ち、
急ぐこともなく階段を下りていく。
本当に場所、知っていたんだ⋯。
えっと⋯次は2年か⋯。
上階だが、急ぎ足で行こう!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
3階へ着くと、2年5組の廊下の前で
まるで迷っているかのようにうろついている
男子が居た。2年の部員は⋯2年5組か。
ちょうどいい、こいつに聞いてみよう。
それにしてもオドオドし過ぎではないか?
良「あの⋯キミ?」
男子「あ、はい!?」
俺が声をかけただけでも、ビビっているようだ。
良「えっと⋯黛くん、知ってる?」
男子「あ⋯僕に何かご用でもあるんですか?」
どうやらこいつが黛のようだ。
良「えっと⋯うさ部のことなんだけども」
黛「あ! もしかして貴方が噂の
ピョン介君ですか?!
うさ部の部長さんでしたよね⋯」
黛はいきなり目を輝かせた。
が、俺は部長ではない⋯。
良「いや、俺は副部長。
部長は神埼有里奈ね;」
黛「あ、それで⋯部室がわからなくて⋯」
まんまと話をそらせやがったコイツ!!
これで2年か? 先輩か!?
よく見りゃ俺より身長、5センチぐらい
ちっちゃいじゃないか!!
しかしこれでも先輩だ⋯
良「そのことで案内しに来たから、
ついてきて」
黛「あ、はい! ありがとうございます」
雛塚さんと穂奈美にはちゃんと説明したし、
瀬戸は数学準備室の場所を知っているというから
ダイジョブだよな⋯。こいつは心配だから
1回だけ案内して、それ以降は覚えてもらおう!!
って⋯なんだか1年と2年が逆転したようだな⋯。
そして俺はこの黛とやらと雑談をしながら、
数学準備室、及び部室へと向かうのであった。