宇佐美良介推進部、開始!?
そんなこんなで中学に入って1か月が経ち、
俺たちは一躍、時の人となった。
へぇー、すごいじゃん。もっと喜べよ。
と思うやつもいるかもしれないが、
喜んでいる場合ではない。
あの、学校一変人、自称神、神埼有里奈により、
俺はおかしなポスターを校内中に貼られ、
俺のかつてのあだ名だった「良介」は消え
今では「ピョン介」と呼ばれるようになった。
もちろん、女子にも、男子にも、教師にも。
そして有里奈に何を言おうと、俺の言葉を一つも聞かず、
自分の思うように動くだけだ。
有里奈が神なら、俺は堕天使のように扱われている。
まったく、有言実行なところはすごいところだが⋯。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
有「ねぇー、部活どこに入るぅ?」
またまたのんきにやってきたものだ。
良「別にー、帰宅部でいいだろ。」
有「えー? なんで?!
宇佐美良介推進部、略してうさ部に
入ってくれないのぉ~?」
その言葉に俺は驚愕した。
良「え?!」
ポスターでみた、[宇佐美良介推進部]
というのは本気だったのか?!
ってか、うさ部ってなんだ?
いや⋯ホントだったらここで喜ぶはずなのだが⋯
良「そーいうのは俺の許可を取ってから
つくらないものか?」
有「先生にいって、それで生徒会に言ったら
ピョン介が入ればいいってさ」
はぁ?! どんだけテキトーなんだ!
この学校はっ!!
良「で、なんだ? 俺は入らなきゃいけないのか?」
有「入らなきゃダメだよ~>< だって、
もう部員は集まっちゃったし
ピョン介のFANがいっぱいだからっ♥」
良「何人さ?」
有「1年が3人で、2年が1人。」
意外に少ねぇじゃねえかよっ!
まー、でも15人とかいたら俺もう死んでたな⋯
良「わぁーったから、もうそれ以上募集すんなよ?」
有「はーい」
有里奈は寂しげに返事した。
良「部長は?」
すると有里奈は、自分を指さし
有「もちろん、この神に任せよっ♥」
と、胸を張って答えた。
こーいうやつは扱いやすくていいなぁ。
責任はすべて有里奈に任せればいいよなw
有「あ、でも、副部長はピョン介ねっ♪」
良「は!?」
有「だって、ピョン介の推進部なのに
何もやらないなんておかしいよぉ」
良「いや、逆に推進部の主役が
なんでパシらされなきゃいけないんだよ!?」
有「とにかくいいじゃん!!
部員の子もそれで賛成してるもん」
お前、主役なしになんで勝手に決めてんだよ!
しかし、俺が何を言おうと
こいつは自己主張を絶やさない⋯
俺はもう何もできないってわけか。
そして俺は、仕方なく
良「わかったよ⋯」
と口をこぼしてしまった。
しかし俺はまだ何をするかも知らなかった。
それを知っていれば、
俺はまだ助かったのかもしれない…