神様はイケズだった!?
自分は「神」であると名乗った少女は
本当に神様なのか? いや、神様っていうともっと
angel!って感じで⋯いや、エンジェルは天使だけど⋯
とにかく金髪でふわふわウェーブがかかった綺麗なお姉さんで
自然にキラキラエフェクトが見え、
羽と心の大きい、とても温厚な方だと思っていたのだが。
ダイジョブか? もしあんなんが神だったら⋯。
いやいや、そんなわけが⋯⋯ わかんねぇよもう!!
俺は教室に入っても、心の中、独りで葛藤していた。
ガラガラッ
先生が入ってきた。
先生「ここの担任を持つことになりました。
如月 明日希です^^
新任ですが、よろしくお願いします」
それはとても美人な先生だった。
俺を含めて、見惚れている者は多数いるだろう。
そしてそんな男子に呆れる女子がいる。
すると⋯
ガラ⋯ガラ⋯
後ろの扉が少しずつ開いていく。
先生「あれ? 誰かな⋯」
俺はその扉の向こうから出てきたヤツの
顔をみてびっくりした。
良「あ!? お前!?!?」
先生「なんだ、知ってるの?」
良「いや⋯その⋯」
神「おおー!! ピョン介だ!」
「「「ピョン介?」」」
クラスのヤツらはみんな、俺と「神」の顔をみて首をかしげてる。
先生「そういえば⋯あなた、宇佐美君だっけ?」
先生の言葉を気にせず、良介は続ける。
良「お前なぁ!! お前は俺を恥さらしに来ただけか?
それともこのクラスに何の用なんだよ⋯」
神「あたしは、このクラスの生徒なのに
なんでそんなこと言われなきゃいけないのさ」
良「はぁ?!」
俺はもう死のうかと思った。
コイツと同じクラスなんてありえない!!
それに、俺の後ろにあった空席に座りやがった。
そうか⋯こいつは神⋯
だから出席番号順も後ろってわけか⋯。
いや、本名も神なのか?
先生「なんで遅れたの?」
神「いや⋯教室ってどこかな⋯って、迷っちゃって」
「神」はそういい、ニコっと笑う。
のんきな奴だ⋯。
先生「でもよかった。宇佐美君とお友達なのね。」
神「はいっ^^」
えぇぇぇぇ?!?! 俺を勝手に友達に仕立てて!!
しかし、ここは押さえておこう⋯。
これ以上変な誤解をされても困るからな。
先生「では、まず、出席をとります」
俺はその言葉に反応した。
なぜなら、この俺の後ろに座る
「神」の本名を知ることができるからだ。
先生「えーっと⋯、井上――さん」
「はい」
「石井――君」
「へい」
「宇佐美良介君」
「はーい」
次だ⋯
「神埼有里奈さん」
「え?」
おぉ!!
今⋯確実に、カンザキって言ったよな?
神埼⋯それじゃあ俺の後ろにもなるだろう。
それに、後ろで間抜けな声も聞こえたし。
神埼と神じゃ、まるで違うじゃないか⋯。
漢字があってりゃいいのか?
だったら俺だって勝手にうさぎにされて⋯
良「おい⋯お前、有里奈って言うのか?」
有「そーだよ♪ 有里奈!!」
良「でも、初対面のやつにはみんなに神って名乗ってるのか?」
有「うんっ♪ だって、神って言うと、みんなあたしのこと
探ろうとするでしょ?? 人間の心理って面白いよね^^
でも、嘘はついてないよ? ねっ?」
俺はまさに有里奈のワナに引っかかっていたってことか⋯
それにしても、こいつの行動はいつもまともじゃないな。
なんせここで如月先生に怒られてもいいはずだろ?
勝手に後ろの扉から教室に入ってきて⋯
なのにあんなのんきに生きてられるかよ⋯。
誰か⋯こいつの正体を知ってるやつはいないか!!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
望「え? 知ってるぜ?」
数日後、
望月に有里奈の珍行動を話したら、
望月はいろいろと知っているらしい。
俺は、望月しか頼りにならないと
思い、質問をした。
良「あいつとお前はどんな感じで?」