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第一話 変な少女は希望を運ぶ

ある事件がきっかけで死刑となってしまった奏。さらに執行までの猶予はたったの1年半!?まだ終われない。この思いだけを背負い脱獄ばかりを思案する。そんな日々の中現れた一人の少女。彼女もまた同じ目をしていた。そんな彼女が言った。

「あなたを釈放しにきました」

深夜1時頃だろうか、一つの足音が近づいてくるのに気がついた。

「あなたを釈放します」

 太陽のような明るく眩しい金色の瞳、そして新月の夜のように深く沈んだ漆黒の髪をもつ少女は、たしかにそう言った。

「...」

「看守さ〜ん、ガキが入ってきてますよ〜」

 こんな時間にどんな冷やかしだと思った俺はすぐに看守を呼んだ。

「シー!!!静かにしてよ! ここまで来るの大変だったんだから!」

 少女は焦って俺を静止した。

「何のようですか、ガキの相手をしてるほど暇じゃないんですけど」

 俺はあしらうように返した。

「寝てただけじゃないの! 暇じゃないのはこっちのほうよ! それにほぼ同い年でしょ!」

 少女は声を張ってそう言った。

(騒いでるのそっちじゃん...)

 そんな事を考えていると、

「言ったでしょ、あなたを釈放しに来たんだって」

「あれ本気だったんだ」

「じゃないとこんなとここないわよ!」

 茶化すように会話を続ける裏で俺は思考を回していた。

(少女たった一人でここまでたどり着いたのか...? だとしたら本当に...)

「釈放しにきてくれたことは信じるしありがたく思うけど、鍵はどうするんだ?」

 そう、この拘置所の鍵は看守ですら持たされていない。鍵を手に入れるには最深部とも言える管理室へ行かなければならないが、そこまで行くのはまず不可能だ。

「じゃじゃーーん!! ここに用意してま〜す!」

「っ! どうやってその鍵を...」

「まあ色々無茶はしちゃいましたけど...」

「さっ! あんまりお喋りしてる時間もないしそろそろ行くよ!」

「ガチャン!!」

 開かれるはずのない扉が、まるで俺を送り出そうとしているかのような甲高い音をたてて開いた。

(本当に...ここから出られるのか...)

「な〜にぼーっとしてるの、はやく〜」

 その声に操られるように俺は立ち上がり、 軽い足取りで部屋を出た。

 距離で言えば5メートルほどしか変わらないこの距離が大きく空気を変えた気がした。

 (まだ終わっちゃいない、また始められるかもしれない)

 大きな希望とともに、俺は歩き出した。


第一話、ありがとうございました!小説を書いた経験というのが少なく、まだまだ抜けているところも多々あると思いますので、コメントなどよければお願いします!これからもどんどん投稿していくので、よろしくお願いします!

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