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【百万PV感謝!】転生したら男性が希少な世界だった:オタク文化で並行世界を制覇する!  作者: なつのさんち
第二十五章:働く女性と休む女性

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新人男性Vtunerの運用について

 Alphadeal(アルファディール)とのごたごたの末に手に入れたデイヴィッドの音声データだが、未だに有効活用がなされていない。

 米国人男性Vtuner(ブイチューナー)のキャラデザに関しては、YourTunes(ユアチューンズ)から大量移籍して来た米国人技術者達の意見を元に完成している。


 しかし、今さらわざわざYourTunesで生配信をする必要があるのだろうかという点と、なぎなみ動画に比べて使い勝手が悪い点、そして技術者達に全くやる気がないという点が影響し、事業として前に進んでいない。

 何より、伊吹が入院した事も大いに影響を与えている。


『手遅れになる前で良かったね』


「そうなんだよ。デイヴィッドも検査はしっかり受けた方が良いよ」


『そうだね、あんまり好きじゃないけど。

 看護師が必要以上に触って来るからさ……』


「あー」


 ()ノ塔、副社長室。

 伊吹はビデオ通話でデイヴィッドと近況報告をしている。


「それでさ、入院してたってのもあるんだけど、せっかく収録させてもらったデイヴィッドの声を使った男性Vtunerのデビューが遅れてるんだよ」


『それは仕方ないよ』


 パソコンを介してのビデオ通話でのやり取りは、治が同時通訳してそれぞれの言語で音声出力している。

 伊吹の言葉は伊吹の音声データを元に英語で出力し、デイヴィッドの言葉はデイヴィッドの音声データを元に日本語で出力する形だ。

 デイヴィッドには治の存在は明かされていないが、VividColorsヴィヴィッドカラーズの新しい技術であるという説明に疑問を抱いていない。

 すごい技術力だとは理解しているが、伊吹率いるVividColorsだからな、で納得出来てしまっている。


「今後のYourTunesをどうしていくか、ちゃんと考えないとね。

 僕もAlphadealの株主としてしっかり考えてみるよ」


 伊吹がAlphadealの筆頭株主になってすぐ、臨時株主総会の招集をした。

 議題としてはGoolGoal(ゴルゴル)の検索アルゴリズムをVividColorsの新しい検索サービス、アマテラスへ移管させるというものだ。

 そしてつい先日、その臨時株主総会が開かれ、大多数の賛成をもって可決された。

 伊吹とデイヴィッドの二人が賛成するだけで、過半数を越えるのだから当然である。


 米国メディアからは事実上の乗っ取りであるとかなり批判を受けたが、そもそも伊吹がAlphadealの筆頭株主なのだから、乗っ取りはすでに完了していた話である。

 検索サービスの基幹部分を奪われた形になるGoolGoalであるが、伊吹がAlphadealの筆頭株主であるという事実があるので、業績も株価も落ちていない。


『機関投資家からはイブキに会わせてくれと度々連絡が来るよ』


「そっか、迷惑を掛けてごめんね。

 やっぱり上場企業って面倒だね、株を持ってる人の意見や希望は無碍に出来ないし」


『いや、大丈夫だよ。私が直接対応する訳じゃないしね』


 VividColorsへもVividColorsを上場させようと様々な証券会社から連絡が来ているのだが、藍子(あいこ)智紗世(ちさよ)達によって全てお断りしている状態だ。

 治という高度人工知能が事業に関わっている時点で、外部へ社内情報を公表するのは具合が悪い。


「デイヴィッドが直接対応、か……」


 伊吹が考え込んでいる様子を見て、デイヴィッドは声を掛けず見守る。

 何度か伊吹とこうやって会話を重ねる中で、伊吹が新しい何かを生み出そうとしているのであろう事を知っているからだ。


「男性Vtunerに、企業広告をさせるのはどうだろう?

 YourTunesに専門のチャンネルを開設して、そこに男性Vtunerに宣伝してほしい企業を募る動画を投稿してみるんだ。

 例えば、安全な環境で製造している様子を動画で宣伝したい食品メーカーとか、子供の知能を高めるおもちゃを作っている玩具メーカーとか、動画だからこそ伝わりやすいような宣伝が出来るんじゃないかな」


 伊吹が想像しているのは、前世世界のドキュメンタリー番組だ。

 食品が食卓へと届くまでに企業が様々な努力や工夫をしているのだ、という過程を見せる番組は割と多く見られた。

 なぎなみ動画の機能を使って、自社の宣伝動画を作成している企業は多数あるが、機能を活用し切れていないのが現状だ。

 VividColors外部の動画制作の技術が発展するのに、もうしばし時間が掛かりそうだ。


『一から動画を作るんじゃなくて、顧客の意に沿った動画作りをして、それをYourTunesへ投稿するのか。

 企業の宣伝という割と堅めの動画になるだろうから、なぎなみ動画との棲み分けは出来そうだね』


 デイヴィッドはすぐに伊吹の言わんとする事を理解した。父親であるライルとは違い、しっかりと高度な教育を受けているからだ。


「動画制作についてはVtunerを起用する以上、現状はこちらに任せてもらうしかないかな。顧客からの広告制作費を直接VividColorsが貰う事になるだろう。

 デイヴィッド個人にはしっかりとモデル代を支払うとして、YourTunesは視聴者が集まる事で広告収益を得る事が出来る。

 どうかな?」


『良いんじゃないかな。

 問題を挙げるとするならば、私もYourTunesも新しく何かをする必要がないのが申し訳ないくらいかな』


「いや、あくまで君の声とYourTunesという環境があっての新規事業だからね」


『そう言ってくれると助かるよ』


 こうして、新人男性Vtunerの運用についての方向性が定まったのだった。

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