まだ毒じゃない
楽園の跡地に建てたホテルでは花瓶の花がゆっくり枯れる
きみの小骨は脳に刺さると仮定したぼくの骨折的死因
白夜へのラブレターを丸めずに折って捨てるタイプのエコロジー
あなたの言う「誰でも」のなかに僕を含めてくれましたかあなたは
指が食い込むし手で剥けるくだもの 大丈夫まだ毒じゃないから
クリームとコーラのさかいめをくずすレモンが似合うひとになれない
青年がゆうれいと棲むワンルーム 台所には死因が多い
「不器用だ」って笑っておぼれるにも朧げにするにも手を使う
天使は半透明な朝にわたしを剥がしていく 爪を汚して
明日朝一できみを愛すから今日はもう果物を触りたい