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勝利は金なり♪

精密検査のため皆は後1日入院することになった。

比較的軽症だった恋さんは、山積みの仕事を片付けるため先に退院した。案の定、事件の報告を受けた部下達にこっぴどく叱られたという。

「なぁ、幽霊でないよな」遥くんが涙目で訴える

「さぁ、どうだろうな。」大川先生はニヤリと笑う

「あっ、虫!!」

「うわぁ!どこどこ」

「ウッソ~♪」

「はぁ~!!お前な~」

二人は相変わらず仲良くじゃれあってる

その横のベッドでは、雹さんと海里くんが抱きあってねている。

その横では、セナくんがマンガを積み上げて読んでいる。

昨日の夜、あれから泣いている海里くんを雹さんが抱きしめ、また皆で円陣を組むような形でわんわん泣いたそうだ。マンガを読んでる一人を除いて

マンガを読みながら

「何これBLやん♪」とセナくんはちゃかしていた。

本当は、悲しさと辛さをごまかすためにマンガに走っているだけなのだそうだけど…

てまあいうことがあって、二人で仲良く一つのベッドでねているわけだ。


「千咲、検査異常なかったから」

「心配すんなよ!!」

「もう帰れるから皆で」

遥くんや大川先生、セナくんが明るくいう。

「しばらく松葉づえいるけど、海里がお世話してくれるから」

「はあ!!嬉しそうにすんな」

弟に甘々な雹とツンツンしてる海里くんのやりとりに皆が笑う

「じゃあ、またな」

「あっ、千花咲ちゃんもまたね」


「うん。」

「ありがとう」

私達はチャットを閉じた。



◇◇◇◇

一週間後…

恋さんからチャットで連絡がきた

「千咲と千花咲さんに相談があるんだけども」

「はい、何ですか?」

「今度、下半期の歌い手メンバーのお給料をきめる歌バトルがあるんだけどね」

「はい」

「外グループのライブとかでスタッフが足りなくてね。歌の審査?を二人に頼めないかなと」

「えっ、そんなの無理ですよ」

「うん」

私と千咲は首をふる

断る余地などない雰囲気で恋さんから圧がかかる

「好きだと思うほうを選んでくれればいいから」

「千咲の携帯とネット繋げてテレビに流すから、家でその動画と歌をきいて、好きな方をチャットで伝えてくれるだけだから!」

「…」

千咲と私は顔を見合せて

「今回だけなら」

「ありがとう。また日にちは連絡するんで、じゃ」

さっさとチャットを切る

なんだかあわただしい人だ。

「私達に音楽の審査なんてできるかなぁ?」

「恋さん、、かなり困ってるみたいだから」

二人で顔を見合せて深いたやめいきをついた…。


◇◇◇

数日後、恋さんからいきなり連絡がきた。

「いきなりで悪いんですが、今日のご都合どうですか?もしよければ、勝負お昼からの時間帯でもいいですか?」

「夏休みの今日の予定は特にないので大丈夫ですよ」

私達は返事を返す

「対決する人の順番、千咲に今送ったので

それでお願いします。」


-----------------------------------

(ひょう)

(はるか)

桃花(もか)

④大川

羽衣(うい)

(れん)

理公(りく)

--------------------------------------

「あの~、桃花ちゃんも歌うんですか?」

千咲が恋さんに不思議そうにといかける。

「ああ、人数たりなくてね。もう一人、活動してる仲間がいるけど仕事はずせなくて」

「理公て誰ですか?」

初めてきく名前だった。

「副社長だよ。違うグループで活動やってる。

今日は、助っ人で入ってもらった。」

少ないと盛り上がらないから

ネットライブで生配信するからという理由らしい。

抜け目のない人だ。

頭の回転が速く、人望やカリスマ性がある。

「あ、もう初めるので」

そういうとテレビの画面が変わり、曲が流れ始めた

力強い心地のよい低温ボイスの雹さんの歌声がひびく…

曲がおわり、拍手する

「すごい迫力だね」

「感動しかない」

二人で顔を見合せる

「次、遥いくよ」

恋さんから声がかかる

「はーい。遥くん頑張って」

私達が声をかけると遥くんは上機嫌で応えてくれる

「うん。がんばる~♪」

遥くんが歌う曲はしっとりとした悲しい曲だ

遥くんが歌い始めると空気がかわる

普段は低いハスキーボイスなのだけれど歌うとハイトーンの透明間のある声にかわる

失恋ソングをその声で歌われると涙がでてきて

止まらなかった。決して失恋したわけではない

二人でグスグスいってるのが聞こえたのか恋さんが

「泣かないで聞いて、真剣に審査してもらえるかな」

私達に指示してくる。

「次は桃花ね」

そういうと可愛い女の子の気持ちをつづった曲が流れる

サビの部分で大川先生に向かって

「大好~き♪ちゅ♡」

という歌詞をいうと先生が

「可愛いすぎて無理♡天使すぎる」

「航が今、真っ赤な顔を両手でおおって椅子からおちたわ(笑)」

雹さんが解説してくれる

「先生そういうキャラだったんだ」

「イケボで俺もとかいいそうなのにね~」

千咲と私がちゃかす

「悪いかこういうキャラで」

すかさず先生からおしかりをうける

「おーい次、航はやくしろ~」

恋さんから声がかかる

「いってくるわ」

先生がそういうとテレビの画面がかわる

海がうつり、めかくししたスーツをきた男の人が映る

「今日は朝から海にいって撮ってきたんだよ」と桃花ちゃんが可愛いくいう

映像ではめかくしをして棒に額をつけてぐるぐる回転してからスイカを目指してスイカわりに挑戦するというMVだった。

映像が面白ろすぎて歌が…

歌がまったく頭に入ってこなかった…

千咲と私はお腹をかかえて笑いころげた

「あっははは。無理、歌が入ってこなさすぎる~」

大川先生の歌は終わった

「はぁ、、、。」

恋さんの大きなため息がきこえた…

「次、羽衣ね」

「はーい。」

羽衣ちゃんが、元気よく返事する。

テンポのよいコミカルな曲が流れる。平凡な女の子がアイドルの男の子二人から君は僕らのお姫様だよという感じの曲だ。

羽衣ちゃんの声優さんのような落ち着いた可愛い声とマッチしてキュンキュンする!!

「やば~い、きゃー♡」

二人で叫ぶ

最後までトキメいた歌だった。

そんな私達をよそに

「次、自分の番だからいってくる」

さっさと準備をしにいった

きれいなバラードの曲が流れる…

テレビの映像に誰かの部屋らしき物と顔はみえないがピアノを弾きながら歌う姿が写し出される…

「えっ、泣いてる?」

泣きながら、大切な人達に向かって思いをつづった曲をうたう。あまりにも切なく儚げに歌う姿に瞳も心もわしずかみにされる。

なんだかドキドキする気さえした。

千咲と二人で、

「何で泣いてたんだろ。」

「すごい心にひびく切ない歌声だったね」

話していたら恋さんが、

「次、理公が歌うはずだったんだが急遽、セナと遥が歌うことになった。」

「何かあったんですか?」

「単に嫌なんだと。まあ、気にするな。次いくぞ」

「はーい。」

セナくんと遥くんがおちゃらけながら返事する

テンポのよいお祭りの曲が流れる。セナくんが男の子役で遥くんが女の子のパートを歌う。

「ん?」

歌の途中から二人がふざけだした!!

歌詞をかえて、二人で歌で遊びだす、、、

またそれが面白いのなんの!!

この二人を組ましてはいけない…

最後までふざけて終わった。

「ちょっと待っててもらってもいい?

セナと遥は、ちょっとこっちこい(怒)」

「えっ、うわぁ、やめて~」

三人のやりとりが聞こえる。

「ぎゃははは」

「あーあ、またやってるし」

「航、あんまり笑っちゃ可哀相だよ」

先生と羽衣ちゃんと桃花ちゃんがいう。

しばらくして戻ってきた恋さんが、

「とりあえずセナと桃花ぬいて、四人の順番決めて貰える?ネットの投票数とあわせて結果いうので」

何事もなかったかのように淡々とはなす。

「あの~、二人大丈夫なんですか?」

私がきくと

「ああ、ハリセンでポンてしただけだから大丈夫。」

絶対ポンじゃない…

深くは追求しない方がよさそうだ。

「あ、そうなんですか。私達は、もう決めたので送りますね。」

この人にはさからってはいけない…

千咲と私は無言で感じとった。

15分ぐらいたつと恋さんから

「結果がでたので、4位の人から歌を歌ってもらいます。」

「えっ、歌って結果発表?」

ドキドキしながらテレビの画面を見る

「…」

テンポのよい曲が流れる羽衣ちゃんだ。

「あ、ちなみに俺は社長なんで入ってないんで」

恋さんが説明してくれる。

パッとテレビの画面がかわる

「ん?」

私達は首をかしげる

「あ、時間ないんで短縮しまーす。」

恋さんがいう。

どうやら、時間に細かい人みたいだ。

海の映像が流れる

「大川先生だ」と

千咲。

「3位航。」

2位は?ドキドキしながらテレビをみる

ハイトーンの透明感の声が流れる

「遥くんだ!!」

「2位遥。」

と恋さんがいう。

ということは…

1位は…

力強い雹さんの歌声がひびく…。

「1位雹。」

「おめでとうー!!」

二人で雹さんに迫力を送る。

「悔しいけど、今日の雹凄かったもんな」

遥くんが涙ぐみながらいう。

「なんか事件から凄みがまして、成長したからな雹は」

恋さんもしみじみと語る。

「ありがとう。これで海里養っていけるわー♪」

雹さんがいたずらっ子のように答える

「はあ!お金いっぱいもってるくせに」

海里くんが照れ隠しなのかかみつく。

「まあ、残り半年の給料はこれで決まったから」

恋さんが淡々とはなす。

「お疲れ様でした」

こうして給料歌合戦は幕を閉じた…。


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