悲しい歌の結末
叫び声がしてチャットは切れた
千咲と海里くんは何が起こっているのか理解がおいつかなず、ぼーぜんとしている。
この状況を把握して適切な判断が下せる人物はいないのか私は考えをめぐらせたが思い浮かぶ人はいない…
「千咲、誰か他に相談できる人は!」
私の言葉にはっとした千咲は
「羽衣ちゃん!一緒に活動してて、確かT大でてる」
そういい、チャットを繋げる
「もしもし」
「はい。どうした?」
千咲は今までの経緯を説明する
「わかったかけてみる」
恋さん大川先生、遥くんはでない
「はい。」
でたのはセナくんだった
「セナ?どういう状況?」
「恋が雹の親御さんと話してたら、いきなり雹の父親が恋に殴りかかってきて」
「恋よけようとしたけどよけきれずに頭ハンマーかなんかで殴られて血がでて起きなくて」
「頭を止血しようとした航も殴られそうになったんだけど、遥が上に覆い被さってめちゃくちゃ殴られて」
「俺、腰抜けて助けたいのに体動かなくて」
「気がついたら一人、この部屋に縛られてる。
あ、見つかったかも電話…」
切られた…
「…」
「あ、遥くんとチャット繋がった」
千咲に連絡がはいる
「千咲?」
「うん。大丈夫?」
「めちゃくちゃ殴られたけど大丈夫。何か縛られてる」
「よかった、心配したよ」
「ごめん心配かけて…」
千咲と遥くんの間に何ともいえない空気が流れる
「それより、どうする?」
羽衣ちゃんがわってはいる。
「うーん、皆、別々に監禁されてる感じなんだよね」
「あ、戻ってきたやばっ!!」
そういうと切れた…
「…」
「…」
沈黙が流れる…
「海里、海里」
呼ぶが、返事はない…
チャットは繋がったままだ…
「あ、雹に連絡しよう。実家の場所わかるはず」
羽衣ちゃんが電話をかける
長い間呼び出し音が流れる
でないかと諦めかけた時、
「はい。S病院です」
でた
だが女の人の声だった
「あの~、その電話の持ち主の友人なんですが本人は?」
羽衣ちゃんがそういうと
「よかった~。実は持ち主の方、かなり大怪我で病院にきて倒れたんです」
「足を複雑骨折してるし、腹部に刺し傷もあったので緊急手術をして、麻酔で眠っている所なんです。」
すぐに病院にきてほしいという
「わかりました」
羽衣ちゃんは雹さんのいる病院に向かった
しばらくして羽衣ちゃんから電話がきた
「今、全部てつづき終わったんだけど、朝まで目がさめそうにない」
「病院の人が警察に電話してたから、警察の人に状況話したら近くに桜庭て家あるから一緒にいってくる。」
5分か10分たった頃、電話がきた
「今、家に着いたんだけど、母親と監禁されてた全員見つけた」
「皆、無事なんですか?」
「恋は、頭殴られた所、応急処置されてるから大丈夫なんだけど…」
「皆、意識がない…とりあえず救急車で雹がいる病院に運ばれる。でも、皆が乗ってきた車と海里と父親がいない」
「父親に連れて行かれたて事?」
千咲が青ざめる
「たぶん。私は、このまま警察の人と車わかるから探すから」
羽衣ちゃんはそういうと電話をきった
かたまったまま動かない千咲に私は声をかける
「千咲、海里くんのチャットてどうなってるの?」
「たぶん、繋がったままだと…」
いい終わる前に何かに気付いた千咲は羽衣ちゃんとグループチャットを始めた
「羽衣ちゃん、海里チャットからぬけてないから」
「うん、私も気付いた。とりあえず待とう」
私達は、まち続けた。
深夜一時を回った頃、事態は動いた
海里くんがメッセージを送ってきたのだ
暗号分だ!!
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夜空がきれいだな
タコ焼き食べたいな
コーラものみたいな
いきたい所いっぱいあるな
ちょっと息抜きしたいな
バカだと思われるかな
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千咲と私は、顔を見合せ
「よたこ市場通りだ」
と同時に叫ぶ
すぐにチャットで羽衣ちゃんに報告すると
「うん。私達もそうだと思って今、向かってる」
これで大丈夫かもと海里くんの無事を祈るばかりだ
「千咲」
「うん。いた?」
「いない…移動した後みたい」
ため息をつく…
しばらくしてグループチャットに恋さんとセナくん
大川先生達が入ってきた。めざめたようだ
「皆、大丈夫?」
「うん。大丈夫。薬で眠らされてただけやから」
「でも、遥が起きない…いっぱい殴られてたから」
「遥、目を覚まさなかったらどうしよう」
大川先生が泣きそうな声でつぶやく
「とにかく海里の居場所をつきとめないと」
辛抱強くメッセージをまつ…
きた!
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ああ、やっぱりお好み焼きもたべたいな
狐さん達もおいしそうにたべてる
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千咲は首をかしげている
羽衣ちゃんもわからないようだ
だが、私にはお好み焼きと狐?
何かがひっかかる
うーん。
「あっ、わかった」
思わず叫んだ
「千咲、よこた市場通りをまっすぐ道なりにいった所に狐のマークのお好み焼き屋さんがある」
「本当に」
「うん。この間、学校帰りに友達といったんだ」
「わかった。羽衣ちゃんにいってみる」
すぐに連絡を入れて向かってもらった
羽衣ちゃんの連絡をまつ間にまたメッセージが流れてきたが…
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1 2 3 ⑧
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という数字だけだ
うーん
⑧?
コンビニのマークだよね
⑧のコンビニの近くに数字?
た建物?
私は、携帯の地図アプリでお好み焼きの近くの⑧コンビニを探す
「千咲、見つけた」
「どこ」
「見て、ここにコンビニのはたに数字のマークの建物ある」
「この横の奥の駐車場、夜も出入りが自由にできそう。ここにいるかも」
千咲はうなずくとすぐにチャットに繋げる
「私達もそうだと思って、今、ついて⑧コンビニにいる」
警察の人は、付近の様子を見に行ったそうだ
「あ、だれかこっちに向かってくる。」
「海里だ!」
そういうと羽衣ちゃんは海里くんにかけよった。
「海里、血だらけだから救急車呼ぶね」
チャットは切れた
しばらくして恋さんからチャットがきた
「海里、俺らと同じ病院に運ばれて意識もあるから大丈夫だから」
「千咲、心配かけてごめん。」
「お父さんはどうしたの?」
「買い物してくるって車はなれたすきに縄を無理やりちぎって逃げ出したから」
「たぶん、警察の車みてにげてるはず」
海里くんが淡々と話す
「警察から電話きたからでてくる」
そういってチャットをぬけた…
「遥さんと雹さんは、目をさましましたか?」
「雹は、起きたけど遥はまだ…海里帰ってきた」
だが様子が…
顔はこの世の終わりのようだ…
「かいり…どうした?」
「警察から電話あって、父親見つかってパトカーにのせられてたんだけど、パトカーから飛び降りて」
「死んだ…て」
海里はその場に泣き崩れた…
同じ部屋の兄の雹も声を殺して泣いた…
何時間かたち、遥くんが目をさましたと連絡があった。
「遥が目を覚ましました。お姉さんの千花咲さん協力ありがとうございました。」
恋さんが丁寧に言葉を紡ぐ…
「いえ、海里くんや皆さんが無事でよかったです」
「また明日、警察の事情徴収終わったら連絡します」
長い夜が終わった…
◇◇◇
次の日雹さんから連絡がきた
「海里から話しは聞いた。海里を助けてくれてありがとう」
「…」
雹さんと海里くんの声が震えている
「どうしたの?」
「…」
「…」
しばしの沈黙のあと重そうな口を雹さんがひらいた
「今日、父親の葬儀の事もあるから母親に面会に行ってきた」
あの後、雹さん達の実家でおかしくなっていた母親は警察に逮捕されたのだ。
母親と父親の様子が変だったのは麻薬をしていたかららしい。
「本当にごめんなさい。私はなんて事をしでかしたのか」
父親が亡くなった事を聞いて母親は泣きだしたという。
「俺達は、あなた達を許すことはできない。」
そう伝えて帰ってきたという…
「俺達が面会をした後…、母親は、独房に帰ってから、自分の首を自分の手をつかって死んだ…」
それきり海里くんは、ずっと泣いているらしい
まるで悲しい歌を歌っているように…
そうして事件の幕は閉じた……