ガチポルノ 第4話 ~朧月~
キャ、キャアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!
扉を開けた瞬間、甲高い悲鳴が意識の外から耳を刺す。
瞬間、顔の皮が剥ぎ取られる。一寸置いて後から大男、それも鬼の形相が正面に出現した。
痛みで両手を顔に覆う手前、後からやってきた風が、露出した顔の筋肉を撫でつける。
「やはり曲者だったか!この顔面屠殺豚野郎が!!!!!!!」
護衛君だ。右手には金色の長剣が握られている。悲鳴を聞きつけてやってきたのだろう。
「貴様にはまだ聞き足りないことがあるようだ!!」
その声量に、俺の鼓膜は破ける。
先程の温厚な態度とは打って変わって、その姿はまるで怒れる獅子のようであった。
その不自然なまでに丁寧だった彼の態度は、懐疑の裏返しだったと知る。
ズッ友だって誓ったのに……!傷付いちゃうね
「お怪我はありませんか!女王様!」
「……!は……はい!……」
スカーフェイス君はその巨体を中腰に屈み、体の正面を俺に向ける。
伸ばした左腕で女王を後方に庇うと、数歩ばかり後退し、右手の剣で防御の姿勢を構える。
「どうなされたのですか!敵の数は!?」
スカーフェイス君は頬に汗を伝わせ、顔はこちらを向きつつ目を左右に動かし、他の脅威を警戒している。
俺は焼けるような痛みに悶えながら、ちんちんがしなしなになっていくのを感じる。
スカーフェイス君の二、三、大きな呼吸が聞こえたところで、ようやく女王が口を開ける。
「あ…………、あの方は……?」
女王は、唖然とした様子で、顔を抑えてうずくまる俺の方を見る。
「ヤツは……、いや、あの顔面屠殺……」
「もしや……女王様……彼になにかされたのでは!?」
「い、いえ、扉を開けて入ってきたのがあまりにも醜いゴブリンで、つい……」
女王様は、どうやら俺を絶滅危惧種のゴブリンと見間違えたらしい!
そう、俺の顔はあまりにも醜いのだ……(エコー画像を見た両親が流産を検討したレベル(というか元々その予定だったけどその前に陣痛きて産まざるを得なかったとか))
重症を追った俺はベッドに寝かせられ、その横でスカーフェイス君は女王に説明をする。
「えぇっ!?私があのドブスと!?」
「残念ながら、国王の命です。女王様には非常に残念ですが、今晩、彼と夜伽を……。なんとも残念ですが……」
スカーフェイス君は残念そうに言う。
「絶対に嫌よ!あんな最悪な木目みたいな顔とセックスなんて!」
「そこをどうにか……彼の顔さえ見なければなんとか……」
「「あ……」」
二人は俺の顔面を見る。そこには俺の顔の皮膚は無い。
そう、俺の顔面の皮膚は剥ぎ取られているのだ!
これで彼女は、俺の顔を認識せずセックスが可能になる!
「これなら……なんとか……!」
おお!顔面の皮膚を剥ぎ取られた甲斐があったぜ!
剥ぎ取られた方の皮膚をゴミ袋に詰めたスカーフェイス君は、元通りの穏やかな顔で部屋を後にした。
セックス確定!
つづけ
ば
いいね