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~結局、全部お前のせい。でも~



ージジジジー




どうも。いつも通りのレイカです。


まずは前回の出来事から軽く。

(ちなみに、ホープさんはまだ私服です!)


前回、ホープさんの過去が少しだけ判明。

その理由は店にやって来た、ホープさんの率いていた冒険者パーティーの元メンバー。「レイス=スノウリッタ」さんが現れ、口にしたことがきっかけだ。


せっかくの再会。

普通の展開なら盛り上がると言うところなのに二人とも最初から雰囲気は最悪!


舌打ち、無視はでしまいにゃ沈黙!


そしてなんとか話を切り出した私!

(えらい!)


過去の話を聞いてみよう。と言うことになり、その過去のお話を円滑にするためにホープさんは帽子を持ってきた。その名は「思いダストン帽」。


そしてこれまでになんだなんだと言われていたこともあり、スノウさんはそれを購入。


で。


早速それを使ってスノウさんの過去の出来事を見ているわけです。



内容は?ですか。

それあまりにも長いので重要そうなところをダイジェストでやります。


あ、それをやってもかなり長いのでちょくちょく切ります。そもそも10年分ですから。


一つ目

「死神森」でスノウさんが鍛練をしている途中、デスドラゴンに襲われピンチになったところをホープさんが現れ救出。その後なんだかんだと目的や話が一致した為冒険を共にすることに。


二つ目

隣の国「久遠公国 ニグル」での傭兵クエスト。

ホープさん、スノウさん共に敵軍から深傷を追いながらもこれを撃退。しかし、周りの味方の兵達は、ほぼ全滅。スノウさんは「目的のためには仕方の無い事」だと言っていたが、ホープさんの顔は暗く、陰っていた。


だけど悪いことばかりではなかったらしく。此処で同じく傭兵クエストを受けていた

「ライオ=スカーライト」

と言うゴツめながらも格好いい人が仲間になった。性格は獅子の名前の如く豪快で力強い人だ。

着いてくる事になった理由はホープさんの戦い方に興味が湧いたから。だそう。


三つ目

「聖魔境国 セレスト」に三人で足を運んだ時の出来事。その国の精霊と悪霊の抗争に巻き込まれる。抗争の最中、崩壊した街で一人戦っていた魔導士を援護。その後なんとか戦場を脱出。国境付近まで出たところで魔導士から


「お、お礼に連れていってくれませんかっ!」


と言われ、三人は快くこれを受け入れた。


魔導士の名前は

「セリス=リィ=フェルト」

容姿端麗。凄く綺麗な女性。だけど、なんと言うか。行動がちょくちょくどんくさいのと天然が混じっている。見ていて少し心配になる。しかし腕は天才か。魔法の知識とその使用範囲はとてつもなく広い。


ここからは4人で国を渡り、行く先々で何度も何度も困難を乗り越えていく。


まぁ、王道?みたいな感じですよね。


…ですが、彼らの日常は何も勇敢な冒険談だけではなかった。



(ある日)


「クロウ!買い物っ!行きませんか!」


「またですかスノウさん!もうクエストを受けない時ぐらいは休ませt」


ーグワシッギリリリリリー


「あだだだだだだだだだだだ!いぎばず!いぎばずがら!」


「よぉし!」



(またとある日)


「クロウ、今日は一緒に服を探してくれませんか!」


「え?また?」


ーグワシッ!ギチギチギチ…ー


「ぐぇぇぇっ!?いぎばず!おどもじばす!」


「ありがとうございます!さっ、行きましょう!」


(そのまたとある日)


「「クロウ!」」


「今日は二人ですか!流石に今日は休みたいんd…」


ーグワシッー


(またまたとある日)


ーグワシッー



何故だろう。何となくだけど



(映像)


「か、勘弁してくださいっ!流石に今日は荷物持ち何てしたくないですから!ちょっ!あァァァ!」



ホープさんのせっかくの休日がパーティーの女性陣によって奪われている。


でもこれはパーティーが4人になってから出来た日常だ。パーティーが2、3人の頃は無かった。



あれ?と言うか大体スノウさんが主だ。


数が増えてから休日を無理矢理にでも一緒に行こうとしてたのか…。


…もしや




取り敢えず、此処で思い出劇場を切る。

そしてホープさんの顔を私は見てみる…。


「げっ」


「…………」


怒ってるぅぅぅ!

いつものピエロ姿でない分表情が分かりやすいィ!

これが嫌だったんだ!純粋に!まぁ確かに暴力もあったもの!うん!


「……」


でも、と私はスノウさんの方を見る。

スノウさんは寂しそうな顔をして椅子に座っている。


ああ、この人は多分。


最初の数年間は二人だけで冒険してたから気にしてなかったけど、ライオさんとセリスさん。と言うか、セリスさん(別の女)が来てから自分の気持ちに気付いてしまったんだ。「好き」だと。


まぁ、アプローチがちょっとやりすぎだったけど。


…けど、うん。


取り敢えず、ホープさんが避けようとしてるのは無理無い。むしろ真っ当だろう。


今回はスノウさんが悪い!





(夕方 ー店の前ー)


「また来ます。クロウ。今日はありがとう。」


「いや、来なくて結構ですから。」


「…」


結局、原因やらなんやら。

ひとまず分かったものの、スノウさんは己の間違ったアプローチがホープさんの今の態度を作る原因になっているのを気が付いていないし。


そのアプローチを受けてたホープさんは振り回されたくない心が駄々漏れな上にスノウさんの好意に気が付いていないし。



ある意味。どっちもどっち。と言う状態で今のところ解決はなく。ただただ「思いダストン帽」を買ってもらって試して終わりになってしまった。


「…」


「クロウ。その…ごめんなさい。」


ん?


「なんです。急に謝って。」


「その、えっと…あの頃は振りー」


「"振り回してゴメンなさい。本当は私、貴方の事が異性として気になっていたんですが、家の教えや自己の鍛練等しか知らない私は不器用で、休日の度お買い物に何がなんでも誘うことしかアプローチをかけられなくて。"ですか?」


……は?



「へ、へっ!?」


「いや、知ってますよ。と言うか遅いんですよ。この脳筋ゴリラ女。」


「へがっ!?」



気が付いてたんかーいっ!?

ホープさん当時から気が付いてたんかーい!


と言うか今のタイミングで言うのかぁ~い!


「そもそも出会った時から数年はいざ知れず、他の女性がパーティーに加わって急に変わるとか。駄々漏れなんですよ。本当に騎士の家紋背負ってるんですかぁ?あーやだやだ!獣ですよ獣!ひーっ!ひーっ!ペッペッ!」


「.......ぁぁぁ」


と言うか、急に反転攻勢って。


そこからは罵詈雑言の嵐。ホープさんは今日のイライラを全て吐くように言葉でスノウさんにぶつけた。


「あがががが…」


ホープさんの罵詈雑言の嵐を前に、スノウさんは立ち尽くす。全てを当時から見抜かれていた事実のショック。も、あるだろうしなぁ。


多分かなり効いてるだろう。


だが、遂にスノウさんは限界を超える。


「あああああ!うわぁぁぁぁ!ふぅんっ!」


ーバキィッ!ー


渾身の右ストレートがホープさんの顔面ど真ん中にジャストミート。


「ぐはぁぁぁぁーっ!?」


「ちょっ!?ホープさん!?」


ードゴロゴロゴロゴロゴロ…ザァァァー


ホープさんは人でごった返した商店街の道まで、ボウリングの玉の如く転がって、止まる。周りの人達が目を丸くしている。


そしてホープさんは驚く人達の真ん中で起き上がった。


「そうやって全部読まれるとこうやってすぐ暴力振ってくるーっ!ガキかァァァ!」


ホープさんは怒り心頭で顔を押さえながらスノウさんを見据える。


が、残念ながらスノウさんは止まらなかった。

起き上がり、ホープさんが叫ぶ頃には走って彼に懐に辿り着いていた。


ードズゥン!ー


「ああああああァァァァァァ!」


「ホープさぁぁぁん!?」


今度は土手っ腹にブロー。

威力は拳がホープさんに直撃した時の衝撃波と音で分かる。


普通に死ねるレベルだ。


吹っ飛んで行くホープさんを、吹っ飛ばした張本人であるスノウさんが恥ずかしさと怒りとでぐちゃぐちゃになった顔で見ている。そして叫ぶ。


「クロウ!絶対逃がしませんからねーっ!」


逆ギレだ。


確かにホープさんもやりすぎだったけど。


そう私は二人の光景を見ながら溜め息を吐く。

でもまぁ、ある意味解決、かな?


ードズゥン…ボガァン…ー


いや、安心している場合ではなさそう。

街が壊れる!止めなくては!


「ちょっ、ちょっと!スノウさんストォーップ!ホープさんも殴られながら罵らないでー!」


私は辺りを騒がす二人を追う。

これはまだ帰るまでに時間がかかるかもしれないなぁ。


私はちゃんとした交際とかしないと…

走りながらそう心に誓う私なのでした。



続く…

後編。


取り敢えず、ホープさんの過去がまた少し判明したわけですが。まだまだ全てではありません。当然。


次回は幕間の物語です。


(来週辺りに出るかもです。)

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