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~転生者って?~

どうも。レイカです。


現在、私は前回の話の後にホープさんが


「今ちょうど案内役となる物の素材が切れていましてぇ。この際来ていただいたロイドさんにも手伝ってもらうことにしましょうかね。ええ。はい。」


と、発言し、その言葉にロイドさんがあまりにも頼りない反応をしたために、私はそれに同行することにしました。


ついで。


「ロイドさん。ところでさっき話してた「転生者」についてなんですけど。良ければ教えてくれませんか?」


その目的地に着くまでの道中。私はロイドさんに「転生者」について、話を聞くことにしました。


「ああ、ホープさんと話したそれですか。うーん、話すとそこそこ長くなりますよ?そもそもそれを話すと、俺が此処に来る事になった経緯とか話さないといけないし。」


「全然。私だけ知らないって言うのは何か嫌ですし。時間なら店を出る前店長に「どのくらいで着くんですか~?」って聞いたんで。そしたら「ふぅむ。大体徒歩で40分程ですかねぇ~?」なんて言ってました。」


「40分…か。うん。そのくらいあれば話せそうだ。それじゃあ…。」


こうしてロイドさんは話を始めた


「転生者って言うのは、此処とは違う世界で何らかの原因で死んでしまい…それから魂が別の世界で、元の世界に居た時の記憶を持ったまま、新しい命として目覚めた者の事です。」


「ふむふむ。と言うことはもしかして…ロイドさんは…。」


「あ。うん。元居たの世界じゃポックリ死んだ。はははは!」


いや、笑い事じゃないでしょ。

私は自分の死を笑うロイドさんに心でツッコミを入れる。しかし、これで「転生者」が何なのかは何となく理解できた。それじゃあ、今度は。


「それで、ロイドさんはどうやってお亡くなりに?」


これ。


「お亡くなりに?って。レイカさん何気に人の過去について聞かせてもらえるとなるとずかずか来る人かなぁ…?」


「話してくれるなら、そこからなるべく多く聞くのが大事ですから。」


「そっか。でも確かにOKは言ったし。何より前の世界じゃこうして綺麗な子と話したりとか出来なかったしなぁ…。友達も少なかったし。」


何やら悲しい事を幾らか話した後、ロイドさんは自分がどうやって死んだのかを話し始めー


「俺は元の世界では大学生やってたんだけど…。この世界に大学ってある?」


「ありますよ。魔法大学とか。」


「あるんだね…。何か元の世界に似てるのか似てないのか全然分からないなぁ。この世界。と。話がいきなり逸れそうだ。話を戻そう。」


たのは此処から。


「俺、元々その大学生でね。ある日の休日。何か無いかな~?って家の近所を歩いてたんだ。そしたらいきなり悲鳴が聴こえて。慌ててその方向に行ったんだ。」


「それで、そこには何が。」


「ああ、走って着いた先の路地に通り魔が居たよ。スゴい目をしたのが包丁持って。」


「...」


「それで、そいつの周りにはもう何人か被害に遭った人が居て。まだ10才くらいの子供。15くらいの女の子…それに…。」


やはり死んだ理由を聞いたのはかなり酷だったのか。ロイドさんは歯を食い縛り、両の拳を握りしめた。


「その中に…俺の友達も二人…混じってたんだ…。」


「それは。その被害者達は…。」


「皆、手慣れたように急所を一突き。そのせいか俺が着いた頃には出血多量で死んでた…っ!」


惨い。

あまりの凄惨さに私は言葉を失った。


しかし、まだこの時点ではロイドさんは死んでいない。先がある。


「見て。目の当たりにして。そして、ソイツは俺に目を向けてきた。赤く充血した気持ち悪い目がさぁ…!」


ロイドさんは下唇を噛む。

そして言葉を続ける。いや、続けてくれた。


「なんで遅れた。なんでこうなってる。なんで友達が死んでる。そうやって俺の中で色々なんでが溜まった。同時にムカついてきた。」


「その後は…どうしたんですか。」


「目の前に立ってるソイツが動く前に走ってたよ。皆を殺したソイツに向かって。それで、一発重いのを顔面にお見舞いした。」


「なら…」


「けどさ、殴った直後、相手の包丁の振り筋に入っちゃってさ。首の辺り。頸動脈だったか。そこを切られた。」


刺し違え。と言うわけではなく。相手が死んでいない以上、負けたんだ。とロイドさんは言った。


その後。致命傷を負いつつもロイドさんは気絶した通り魔に対し、怪物とも言える精神力で何とか警察?と言うものに連絡を入れたと言う。そして、その連絡を入れた数秒後、他の被害者と同様、出血多量による失血死で命を落としたのだそうだ。


「なんか、ごめんなさい。聞いちゃいけない話題でしたよね。これ。」


私はロイドさんのタブーに触れたであろう事に対し謝罪する。


「あー!ダイジョブ!思い出してかなり落ち込んだけど。」


それを普通大丈夫だなんて言わないんですが。ロイドさん。


「とにもかくにも、こんなもんかな。」


「ありがとうございます。このお礼は今度しっかり返しますから。どうか立ち直って下さいお願いします。」


「大丈夫だから!落ち込みはしたけど今はもう元気だから!」


そんなこんなでロイドさんの話も終わり。目的地に着きました。


「ハァーイ!着っきっまっしたァーッ♪」


「「…」」


私たちの前で小躍りするホープさん。

そして絶句する私とロイドさん。


ーオオオオオオオオオ…ー


私たちの前にあるのは、鬱蒼とした真っ黒、真っ暗な森。というか、私の街の近くにこんなのあったんだ。


で。それ以上は考える間もなくすっとんきょうに響く声。


「こちらが今から素材を採りに行く「死神森」ですっ!」


あの。聞くに今「死神」とか言う別の意味の案内役の名前入ってましたよね。と言うかロイドさんには。いや私にも荷が重そうな雰囲気ですけど。ロイドさんも顔青くなってますけど。


…本当に、此処に案内役になる素材があるの?


「なぁーに止まってるんですかぁ!二人とも此方ですよぉ~?ホホホホホー!」


「「えっ!?ちょっ。まぁァァァァァ!?」」


ーかくして、ホープに腕を捕まれた二人は「死神森」へと足を踏み入れる。この先の出来事は誰にも分からないー


続く…

中編。です。

前回後編に続くとは言いましたけど、予想以上に長くなりそうです。あと一回くらい。なので後編はまた後で。





そもそも中編が無いとは言ってないし、良いです。よね?

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