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~迷子になりました~


いつかの出来事。

この世界に来たばかりの頃に、俺はホープさんに案内されて辿り着いたおっかない森。そこで同行者のレイカさんと二人、時間稼ぎ兼囮とか言う酷い目に遭ったことがある。


そして、そんな俺の目の前には当時とよく似た景色が広がっている。


うっそうとした森。湿った空気に紫色の霧。光は殆ど射さず、常に足元は暗い。


何より、自分は今…


ロ)「ここは…どぉこぉだぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」


あろうことかスノウさん、セリスさんとはぐれ、完全に迷子になっていた。


ロ)「うぅ…まさか19にして迷子になるとか!カッコ悪いにも程があるだろ…俺!」


達人がやるだるま落としよりも早く、俺は地面に膝からがくりと崩れ落ちる。あぁ、参った。本当に参った。自分に落ち込み、デカイ溜め息は息をする度に出てくる。


ロ)「はぁぁぁぁ……」


え。何故こうなったのかを知りたい?

仕方ない。ならば教えますとも。



時間はそうだな…。出発して1時間くらい後。

だろうか。




(一時間ほど前)


ロイド達三人は、ホープ、レイカの既に顔が知られている者二人と別れた後、早々に「彷徨える霊魂の草原」を抜け、整備のされていないでこぼこの道を歩いていた。


セ)「スノウさん。そう言えばクロウさんとレイカさんの行く方向とか…聞きました~?」


ス)「いいえ。特には。けど此処には何度か来ているし、それぞれ別のルートで行くとなれば…クロウは北西の渓谷辺りから行くのを選ぶと思うわ。」


セ)「成る程~。なら私たちはどうセレストに向かうかの方が重要そうですね~。」


ロ)「…スノウさんもセリスさんも、何か…良いな。」


二人がこれから向かうセレストへの行き方を話し合っている中。ふと口から言葉が漏れた。


何故、

こんなことを言い漏らしたのかはハッキリしていないけど、二人がこうして話しているのを見ていたら、レイカさんと話をしている時の事が頭に浮かんだからかもしれない。


ス)「どうして?」


自分にツッコミを入れる間も無く、俺の言葉にスノウさんが反応する。まぁ、こうなったらなったらで仕方ない。言い漏らしたとは言え独り言にこうして反応してもらったのなら恥ずかしいけど思ったことを伝える事にしよう。


ロ)「お二人を見てると、自分もレイカさんと話してる時の事思い出しちゃって。なんと言うか…ホープさんが居ないのに行動とか分かる辺り。良い信頼関係だな。なんて。」


ス)「……」


セ)「……」


俺の返答に二人はお互いの顔を見合せ、クスリと一笑ってからこちらに視線を送ってきた。


ス)「まぁ、慣れかなぁ…。」


ロ)「な、慣れ?」


セ)「うーん。ですかねぇ…。」


ロ)「てっきり俺、二人の話し方からして信頼とかあってこそのものかと…」


ス)「まぁうん。それは確かにあるけど…。アイツ、ちょっと冒険する時は動きが単純なところあるから…。癖って言うのかな。それよ。」


ロ)「癖?」


ス)「そう。セリス。説明を。」


セ)「クロウさんはですね?最初に来た道などにはずかずか問答無用で入っていくんですが~、一度訪れた地域などはほぼ前と同じルートしか使わないんですよ~。」



ただ単に慣れだった。

今聞いた話に俺は多少がっかりしてしまった。

が、すぐにそのがっかりは消える。


何故?

何故かと言うと、少し考えてみれば味方の癖などを把握して動くのも、ある意味信頼だ。「彼はこうする」と言うことに例外を見出だすこと無くそれを信じ通すのは出来るようで出来ない。


特に、今のような別々で行動している場合は。



ロ)「結局、癖とは言っても仲間の特徴を把握して動いているのは10割信頼だと思いますよ。少し羨ましいなぁ…。」


と、俺は素直に思ったことを二人に告げた。


二人は俺の答えに一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに納得したらしく、静かに頷いた。


さて。


そこからはペチャクチャと三人で他愛もない話をしながら着々と先に進んでいたのですが、その中でセリスさんが


セ)「そういえば~、クロウさんとスノウさん…再会してからは時々手紙を送りあっているそうですが~どんなものを書いてるんですか~?」


と、スノウさんのプライベートに関しての話題を持ってきた。


スノウさんはその話題を振られた瞬間ほんのりと頬を赤くしながら口を開いた。


思えば、セリスさんがこの話題を振っていなければ今も俺は三人でセレストに向かっていたかもしれない。いや、一部俺の落ち度もあったが。それでもである。迷子になることになった理由はこれだろう。


で?内容は?


…………


手紙の内容についてを話す。

それだけだと思っていたんですよ。最初は。


だけどそんな事はなく。その内容と来たらお互い常にディスりあってる上にときたま手紙に何かしら仕込んでるときた。


例えば?

何か小型化されたかんしゃく玉とか。手紙に使う紙に小細工をして開けた瞬間に発火するようにしたり。


前にレイカさんからの話を聞いてはいたが、此処までとは。聞いているだけで意図せず苦笑いをしてしまう。


ロ)「……あはは…。」


セ)「本当…お二人ともあまり変わって無いようですねぇ…。なんと言うか、お互いあまのじゃく。」


ス)「う、うるさいですよっ!」


ロ)「聞いてますよ。ホープさんはともかくとして、スノウさんはあの人の事が"好き"なんだって。」



……森の中で俺が今思っていること。

あまのじゃくな人に対して、決してその心意を言ってはならない。言ったら、酷い目に遭う。



ス)「わぁぁぁぁぁぁっ!」



そしてその言葉を言った俺に、とてつもなく重い一撃が腹のど真ん中に入る。


重い。まるで大きな解体用ハンマーを思いっきりフルスイングで食らったかのような衝撃が全身を音のように伝って響く。


モロに食らったのも悪かったか。

自分の足が先ほどまで着いていた地面から離れる所で意識がブラックアウト。


ん、で。



(現在)


ロ)「ここは…どぉこぉだぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」


この鬱蒼とした暗い森で目が覚め、一人孤立してしまっている。と言うわけだ。


起き抜けと同時、慌てて辺りを見渡し、既に周りに危険が無いことは確認している。流石に起きて孤立した状態になっていた矢先に大型の魔物なんぞに出会おうモノなら今頃とっくに肉塊か骨になってそこら辺転がっていたかもしれない。


ロ)「ふぃー、そうはならないで良かったぁ…ナマンダブナマンダブ…。」


これは普通に運が良かった。

俺は両手を擦り合わせながら、居るのか居ないのかハッキリしない神様に感謝の祈りを捧げる。


別に信仰してる神とかは無いけど。



それでは、今居る場所の木に剣で✕印を付け、周囲を探索しよう。


ワンチャンあるかもとスマホを出してみたが、

森の中に居るせいか、圏外になっていてろくに使えない。かといって火を起こせばと思ったが、逆に魔物を引き寄せる可能性もある。もしこうなってしまえば危険と判断。火は夜のみに着けることに。


ゆえの歩き探索だった。


草木を分けながらまずは歩く。勿論、戻ってきてしまっても大丈夫なように、印は着けていく。


そもそも二回目の冒険でこんな仕打ちあっていいのだろうか?いや、無いだろ!


頭の中であーだこーだと叫びながら、ヒリヒリと痛む腹を気にし、俺はのそのそと歩く。気分は勿論今この場所の土や空気のように湿っている。


獣)「オオォォォン…」


森の奥からは狼のような声がちょくちょく響いてくる。茂る草木に光が遮られ、空気がジメついて、それだけに森は夜のような状態ゆえか、まだ昼間くらいにも関わらず動物達の動く音がする。


ロ)「はぁ…ほんっと…初っぱなからコレとか。ツイてないよなぁ。俺。」


果たして俺は無事に二人と合流出来るのだろうか…。不安だ……。




…続く

短め?なのかな。

次回は今週の土曜日から書き上げていく予定です。


あと、リアルで人の恋とかに口出しはしないように気を付けてはいる私ですが、過去に一回だけやらかして(ポロった)殺されそうな空気になったことがあります。

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