表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/35

~風は時に敵になり、また味方にもなる~


?)「ははははは!いやぁ、簡単に引っ掛かってくれてどうもサンキュー!」


男は笑う。何故だろう。

口調からして無償に腹が立つ。


まぁいい。とにかく。


レ)「あなたは何者です?そして此処数日、街で起きていた異変はあなたがやったんですか?返答次第では、高くつきますよ!」


私は宙に浮きながら高笑いをしている相手に、剣の切っ先を向けてありったけの怒りをぶつける。


?)「ハッ!古いな!」


しかし、男は自己について語ることは無く、私を煽るような言葉を口にしてきた。


レ)「はぁ?」


?)「そう言うのは俺が仕掛けるか、キミが俺に仕掛けながらやる方がカッコいいんじゃねぇか?」


レ)「……」


ムカつく。

登場から思っていたけどコイツ。恐ろしいくらいに相性が悪そう。いや、悪いのか。


そもそもコイツは相手に何を求めているのだろう。

相手にカッコいい展開を求めているとか、舐めすぎにも程があるだろう。


?)「ま。そんなことはどーでもいい。この街にボスが殺し損ねた魔導士が居るとか聞いてるが。知らねぇ?」


レ)「……!」


?)「おっ。心当たりありそうな顔したねぇ。さっすが俺。魂喰いもこなしつつミッションも片付けられるとか。マジ天才…。」


会話が成立していないのは放っとこう。

取り敢えず、今のが私の質問への返答と言うこととして私はそれを受けとる。


内容からしてセレストの魔物と言うのはコイツで正解と見て良さそうだ。


?)「やっぱり俺ってばスーパーにー」


レ)「ショックオブソード!」


?)「ウワッフゥ!?」


ならばやることは一つだ。


?)「てっめ!今俺自分に酔ってた所だろうが!攻撃とかすんなよ!」


レ)「るっさい!敵前でノロノロしてるのが悪い!」


やることは

「目の前の敵を倒し、喰われた魂を取り戻す」

これだけだ。


私は相手にツッコミを返しながら、先の「ショックオブソード」を立て続けに飛ばし続ける。


この技は剣を振るい衝撃波を飛ばすシンプルな技。

いわば牽制。当たっても数を当てなければ大したダメージは与えられないが


?)「ちっ!弱いクセに数が多いな!」


牽制ゆえに"数"は出せる。

私はヒョイヒョイと攻撃を躱してくる相手に合わせてその先に衝撃波を置いていく。


?)「いでっ!」


地味だが何発か当たっているらしく、ちょくちょく男が声をあげる。


ホ)「逃げてばかりですねぇ。自身の事を天才と言っている割には平凡では?」


シスター)「まぁまぁ…。」


私が相手と対峙している時。いつの間にか教会の隅に避難していたホープさんとシスターが話している声が聞こえる。


ホ)「やはり自称天才(笑)さんと言うのはどこも平々凡々かそれ以下が多いんですかねぇ?」


ホープさんに関しては声が大きい。

と言うか。戦っているのは私なんだからそこまで相手を煽らないで欲しい。


とは言え、確かに最初の"あれ"と発言にしては弱い。恐らく何かあるのだろう。


?)「だぁぁっ!やってられるか!もう女だからと容赦しねぇ!」


そう考えていた矢先。男はついに怒ったのか一声叫んで片腕を私に向けてきた。


瞬間。男の手の周りが白く濁る。


?)「豪風烈破掌(ごうふうれっぱしょう)!」


技の名が男の口から放たれた直後。

男は私の居る場所に目掛けて拳を突き出した。


ービュゴウッー


と、風を切る音が耳に響く。


レ)「まずっ…!」


嫌な予感と共に慌てて5歩後ろに飛び下がる。


私が後ろに下がった後、先ほどまで自分が立っていた所で凄まじい衝撃と風が巻き起こる。そして着弾点となった所の床は粉々に砕け散り、更にはその下にある土すら削られ、深い穴が出来てしまった。


レ)「……なっ、なにその威力…っ!」


恐らくこれが最初にヤツが現れた時放ったモノだろう。一発でもモロにもらえば死ぬのは明白だ。


?)「躱すのかよ!そこは大人しく食らって死んどけって!」


レ)「誰が相手の初撃を食らうのがあるもんですか!」


最初に見た弾速から何となく察しは着いていたが、今のように躱していくのは…そもそも実力不足。その内限界が来て当たってしまうだろう。


それに


"この教会がもたない"


最初の一撃でこの建物は一部脆くなっている。

さっきのは床だけで良かったけど、次が壁となれば…。



?)「そらそらそらそら!」


レ)「くっ…」


相手も建物の状態を把握しているのか、次々と豪風を飛ばしてくる。


しかし、壁に投げていくのは少ない。

殆どは私を狙って正面からだ。


レ)「…此処に私たちを誘い込む様にした頭があるなら…。くっ。」


?)「おらおら!なんだよ。さっきの言葉はどこ行った?もしかしてそのまま返した方が良さげかなぁ?」


レ)「それ私が言ったヤツじゃないから!」


気が付けば攻勢反転。

今度は私が逃げる番になっていた。


絶え間無く繰り返される風撃は私の戦法とは相性が悪い。何せ威力が違う。飛び道具はショックオブソードやある程度の魔法で私にもあるけどヤツには届かない。まして一撃二撃出したところで上の威力で潰される。


カウンターは飛び道具には意味を成さない。


……ダメだ。有効打になるモノがない!




ガクリ


突如、必死に攻撃を避けながら思考を回し、勝ち筋を模索している私の足元がブレた。


レ)「なっ…!?」


体勢を大きく崩す。


そのまま私は穴へと転がり落ちる。


?)「ハッハーッ!ようやく落ちたか!」


男が笑いながら頭上に移動してくる。


そう、私は"穴に落ちた"のだ。


レ)「……っ。簡単に壊せる教会を最初から崩さず、私を狙って撃ってたのはこの為だったってことか……。」


?)「その通り!確かに最初にこの建物(たてもン)を壊そうとは思ってたけどよ?スーパーな俺ってば思いついたんだよ。それだと万が一お前らが生きてた時。フィールドが広くなっちまう。だとチョロチョロ動かれてめんどくせぇだろ?なら先にどっかで足止め出来るようにすりゃ良いってな!」


男は得意気に語りながら辺りに視線を動かした。

その視界には床が大量の穴でボコボコになった教会があった。


?)「そんじゃ…最大風力でミンチにしてやるか!」


ケタケタと笑って私をバカにしながら男は拳を握る。


風がヤツの前で渦巻く。

今までよりも大きな規模の力が手の周囲に集まっていく。


?)「あばよ!お嬢さん!」


そして風は放たれる。


私は目を閉じ、死を覚悟する。


迫る風を前に、私は


レ)(ホープさん達はちゃんと撤退しただろうか。ま、流石にシスターさん優先だし…撤退してそうだな…。)


二人の無事を考えていた。





穴に落ちたモノをすり潰し、粉微塵にする。

例えるならばミキサーの様な風が辺りを吹き飛ばし、教会を完全に破壊ながら炸裂した。


?)「ヒャッハーッ!何だよ!雑魚だったじゃんよ!ふひぃー!」


男は教会が在った場。その上で高笑いをしながら跡地を見ていた。


決着は着いた。と言わんばかりに。


が。


ホ)「イヤですねぇ。そう簡単に目の前で人殺しをされては困るんですよ。」


?)「あぁん? …って…なっ!?」


男の勝利は撤回される。


レ)「…い、生きてる……。」


ホ)「いやはや、危なっかしくて参りましたよ。大丈夫ですか?」


ホープさんに手助けされて、私は立ち上がる。

そして私は自分の体を確認する。


痛みはない。


ん?


レ)「頭に何かある…。」


頭が少しだけ重い。私は片手でサッとそれを取って見る。


レ)「あっ!」


ホ)「「風来帽」。お忘れでしたか?」


それは「風来帽」だった。

…そう。私がホープさんと出会い、最初に手にした帽子。


?)「てめぇ…それで何しやがった!」


男が吠える。確実に決まっていたであろう攻撃、それをさも無かったようにされたのが相当気に入らなかったらしく、顔は真っ赤になっている。


ホ)「なーに!簡単な話ですよ。」


そう言うとホープさんが私にアイコンタクトを送ってきた。


レ)「この帽子は"行きたいところ"に行ける特性があるんです。そしてそれに加え、風属性に耐性を得られるんです!」


ホ)「ですので?」


?)「てことはクソピエロ。てめぇ…。それでその女の場所に移動してさっきのを防ぎやがったってのか!」


ホ)「ピンポーン!バカにしては察しが良いようで。」


してやったような顔で笑みを浮かべた後、ホープさんは続ける。


ホ)「形勢逆転。この先の手はお考えで?」




…続く

次のお話は今週中に上がります。(多分)


三ヶ日の仕事でちょっと疲れてるので確証は…無いです。それではまた次回。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ