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~リーダーと魔導士~


(帽子の希望屋 ~その店内~)


「ホープさん。」


「はい。」


「多いですね。お客さん。」


「ええ。私としてはかなり複雑ですが。」




どうも。いつも通りのレイカです。

今日は珍しくお店はお客さんで賑わっています。

いつもは閑古鳥が無く静かなのが


「店主さん。これは?」


「ああ、そちらですね。そちらは…」


「すみませーん。これ何ですか?」


「はーい!」


…とまぁ、メチャクチャ声が飛び交ってます。


何故?とか思うでしょう?


その理由は役2時間ほど前に遡ります。



(2時間前)


「はい?」


「ですから!少しピエロの姿をやめて普通にお客さんを待ってみませんかって言ってるんですよ!」


私はいい加減奇抜なホープさんの格好にツッコミを入れる。「そもそもピエロは遊園地かサーカスだけで十分です。」と。


「ええええぇ…」


私の発言にホープさんはかなりイヤそうな返事をしてきた。例えるなら嫌いなものを一度に見て脱力するしかない。みたいな顔。苦いものを一気に口に含まされたみたいな。


取り敢えず、我が事ながら小うるさかったと思うけども。私はひたすら私服で客を待ってみないかと訴えてみた。


それで根負けしたホープさんは


「分かりました。わぁーかりましたから。」


と、渋々願いを聞き飲んでくれた。


そして、結果はどうだ。一目瞭然。

奇抜な人が居ないので入りやすくなったのか、店の中は人が出入りを繰り返す状態になったと言うわけです。


本人はその光景を見て、

先も口にしていたように複雑そうな顔をしながら溜め息をついている。



(その日の昼過ぎ)


15時まで店を一度閉じる。

別段、帽子の補充とかではない。普通に休憩だ。

私はカウンターや展示の手入れをしてからお弁当を裏から持ってくる。


「ふぅ。」


やりきったなぁ。なんて考えながら私は持ってきた弁当を開く。


その時だった。


「レイカさん。休憩がてら私は少し出ます。お店番をお願いしますね。」


と、ホープさんが私に告げてきた。

もちろんOKだ。そも店主はホープさんなのだから休憩だって自分のやり方とかすべきだろう。


私はお弁当の中身を箸で食べながらホープさんをみおくる。


少し店から出ていく彼。私はその背中を見る中でふと思った。


(少し元気がない?)




(店の外 商店街の街道)


「はぁ。気が滅入りますねぇ。」


と。私ホープは言葉を漏らす。

一日体験とは言えピエロの。道化師の服装封印は精神的に少し辛い。


なぜそこまであれにこだわるのか。と、聞きたい人が居るだろう。なぜ道化にそこまでこだわるのか。と。


理由は過去にある。

私の口から今皆さんに教えられるのは、私がかつて冒険者として世界を旅して回っていた時。その時に多くの人々と出会い、多くの笑顔と多くの悲しみを見てきたから。


して、


どんな形でもいい。

"逃げたかった"


ああ、別段スノウからとか。昔の仲間から逃げたいとかじゃないんです。理由はもっと別にあるんです。いつか話せる時が来たら、レイカさんにでも話すつもりですが。今は、その時ではない。


「…」


風が吹く。季節は秋の終わり。

吹き抜けていくその風は少し冷たく。辺りを冷やしながら私の頬を撫でる。


風に吹かれながら私は商店街を歩く。

昼時故にそこは人でごった返していた。だが今、

"私を頼る者は居ない"。


「あら、ホープさん。お店は?サボり?」


「ああ、八百屋の。いいえ?今日は珍しく我が店が賑わっておりまして。今はおやつ時まで休憩と言うことに。」


近所の八百屋の奥様に声をかけられた。サボりかとか聞かれ、休憩だと答えた。だがまぁ、奥様のサボりかと言う言葉に、「そんなにサボってるよう見えますかね」と心の中で私は文句を溢す。


八百屋の奥さんとその後も世間話をして時間をある程度消費。話の区切りが良くなったところで私は奥さんと別れた。


「13時21分。ですか。」


と、私は腕時計を見て時を確認する。

休憩はまだかなりある。軽く1時間強。


またフラフラと商店街を歩く。そして、抜ける。

帰りは「風来帽」を持っているのですぐに戻れる。

時間はギリギリまで使える。


(公園)


商店街から離れてちょっと歩いた先。

そこには広い公園がある。木々が生い茂る小規模な林や、公園らしくたくさんの遊具。砂場。色んな物がある場所だ。



公園に辿り着いた私は広場の方まで進むと、そこにあるベンチにどすりと重い腰を下ろした。


「あの…」


突然、声をかけられる。

やはりピエロの姿は不評なのか。身内でもない限り、いつも相手から声はかけられない。普通の格好の方が周りからしてやりやすいのだろうか。


「はい?」


そんなことを思いながら私は答える。

「はい?」と言いながら、私は相手の顔の声の方を向いた。


「……」


その時私の視界に入ってきたのは

緑と白を基本とした霊衣。

この国のある場所に存在する神樹。それを一部切り出し作られた長杖。


髪は金髪。瞳は銀色で…


「あ。」


「ああ!やっぱり!クロウさんじゃないですかぁ~!」


この状況に引きまくる自分。

思考の途中でその相手に飛び付かれた。


力はスノウ程ではないものの、万力の様な力だ。


ーギュブゥゥゥー


「ぐぇぇぇぇぇっ!いきなりぐるじぃですから!」


…私の前に現れたのは、そう。かつての仲間だった。少し前に話したであろう、魔導士である。


名前は

"セリス=リィ=フェルト"



「うわっとと。ごめんなさい!久々で嬉しくて!」


セリスは慌てて私から離れた。


「げほっ。ンッンーッ…全く。久々の再会でも順序とかあるでしょう。」


それに、他二人よりも大きい彼女の胸のソレは力加減次第では圧死させられかねない。


ゴリラめ。


「で。どうしたんです?貴女がオルレニアまで来ているだなんて珍しい。確か貴女は冒険が終わってからはセレストに戻ったと伺っていましたが。」


取り敢えず私は此処に来た理由を彼女に問う。

すると、セリスは何やら重苦しそうな表情を浮かべて俯く。


"何かあった"と言うことだろう。


私は聞き方を変える。


「セリスさん。セレストに何か起こった…。と言うことですか?」


セリスは此処で頷く。

やはりと言えばそうだろう。表情からしてほぼほぼ見当は付く。だが妙だな。セリスは元より魔法に関しては誰にも引けを取らず、かつての冒険で更に力を付けている。大抵の事は自身での解決が出来るはずだ。


「…ですが、今の貴女なら、大抵の問題は解決出来るのでは?」


私は思ったことをそのまま言う。

我ながらこれは考え無しな発言だったかもしれないが。


「何とか。するにも"魔法だけ"じゃどうにもできないことが起こったんですよ…。」


「それは?」


「"転生者"です。」


「はぁ…アレですか。」


まぁ、大体察しは出来てた。

言葉からして「魔法が通らない」とかだろう。


「で、セレストは今どのような状況なんです?まさか、転生者一人に滅ぼされたなーんてことはー」


この発言、振り返ると地雷と言うか、かなり気まずい。


え?それはなんで?ですか。

そりゃあ、まぁ…察してくださいよ。


「滅びました。」


「あ~」


その通りだったんですから。


「ま、まぁ。分かりました。転生者が現れて国が一つ滅ぶとかたまにありますもんねぇ。」


「ですね…。あははは。ふぅ。けど、その原因を起こしたのは私の親戚と言うか身内と言いますか。」


おいおい。

何やってるんですか親戚。


「もしや、他の世界からの魂の召喚でもしました?」


「はい。」


「理由は、うーん。あの国は悪霊と人が常に揉めてましたからねぇ…。戦力の補充とかそう言う?」


「大体は。そうです…。すみません…。」


あー。はい。

なら今度はなぜ対処出来なかったかを聞かなくては。


セレスさんにそれを問う。するとー


「クロウさんが昔訪れた際、悪霊達を街から追い払いましたよね。」


「ええ。それが?」


「あの後、クロウさん…新しい装備が手に入ったとお古になった装備…置いていきましたよね。」


「あ。「水晶鏡の鎧」と「籠手」。」


「それです。」


「……ッスゥー」


天を仰ぎ見る。そして此処で一つ。


やらかしたぁぁぁ…!


過去に何でもないだろうと国にあげた物がまさか時を経て足を引っ張るとはぁぁ!




…続く

RPG。あなたもよくやりませんか?

要らなくなった装備とか、バック嵩張るからと言って売ったりとかしてません?


…もしかしたら後々こうなるかも。


なんて。

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