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機動機兵ブレリア「戦場の絆」  作者: キジ白のやまちゃん
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第009話 「戦禍の苦しみの中で…」

1話1話が短いですかね?


もう少し長くしようかな…

 MUC211年7月の初夏、再びニュースが戦争の話題で盛り上がっていた。


 TVの中で「再び戦争が起こるかも知れない」、「いや、回避できる」と言い合っている。


 前回の9年戦争終結から2年以上経ち、みんな平和な方が良いと思っていると信じたいのだが…



 戦争とは政治である。政治家は「国益のため!国益のため!」と繰り返し言うが、本当にそうなのだろうか…?


 まぁ、前回の戦争と同様、ミノア帝国が我が国の領土に攻めて来るならば、国民の為に戦わざるを得ないのだろうが…


 で、軍はどうしているのか?と言うと、戦争の準備をしている。


 いつ始まるか分からない、いや、始まるかすら分からない戦争のために。最悪の事態を想定して準備中なのだ。


 情報部隊は既に動いており、得た情報を基に、幹部でも上の方の将軍様達が戦闘計画を立案中のようである。


 俺には良く分からない。軍曹の下っ端には理解できないな…


 理解できるのは、演習も多くなって来たので整備も大変になってきた。くらいか?



 そうそう!

 俺はMUC210年1月1日に軍曹に昇任した。まぁ、これは陸軍少年下士官学校を卒業すれば決まった時期に軍曹までは昇任するのだが…


 ウチら2大隊の整備班は、メンバーも変わる事もなく…相変わらず1名欠員状態である。


 変わったと言えば、バルク中曹が上曹に昇任し、バベル上等兵が軍曹昇任試験に合格して伍長になった。

 バベル伍長は現在、通信器材整備の教育に入校中であるため、班は実質2名欠員の状態である。


 まぁ、欠員だからと言ってABLM(エーブラム)整備で困る事は無い。俺が1番下っ端になったから、コップ洗いなどの雑用をしなければならないのが困るくらいだ。


 大きな故障等のABLM(エーブラム)整備になると、整備専門の後方支援部隊に後送するため、整備に関してそんなに困る事はないのだ。


 俺達の仕事は、軽い整備や定期的なメンテナンスと調整くらいである。


 これを、ナハス軍曹とやっている。


 あっ!ナハス軍曹といえば、班の変化事項がもう一つ!


 ナハス軍曹が去年結婚した。

 彼女に子供ができたから…いわゆる「出来ちゃった結婚」だったが、彼女との付き合いも長いと聞いていたので、良い切っ掛けだったのでは?と思っている。


 赤ちゃんも生まれて、もうパパさんになっている。

 毎日「ウチの子は可愛い」としつこいくらいだ…


 26才で結婚か…俺も27才になったら結婚してパパになってるのかなぁ…


 まぁ、そんなナハス軍曹と2人で冗談を言い合いながら仕事を日々こなしている。


 戦争が始まるかも知れないとの事で、基地内は少しピリピリしてきた。


 なので、こんな時に冗談を言い合いながら整備している俺達に「整備屋は気楽だな」と嫌味を言われる時があるくらい、俺達?俺だけか?は緊張感が無い…


 まぁ、戦争が始まっても、やる事は決まっている。与えられた任務を遂行するだけなのだから。




 戦争が近いと言われているうちに、思い出した様に気になりだした事がある。


(前のガイアのマスターである「クラウ大尉」は、どの様にして戦死したのだろう…)



 部屋に帰って考えてみたが、分かるはずもない。


 ガイアには記録(データ)が残っているはずだよな?

(ガイアの目的も知りたいしなぁ…)


 ガイアは前のマスターの意思に従って行動してるって言ってたよな?クラウ大尉の意思って何だろう…


 AI(ガイア)を拾ってから約3年経つが、その真意は全く見当がつかない。


「ガイア…クラウ大尉はどうして亡くなったんだ?」



 俺は、ガイアを拾った後、クラウ・ソラスと言う人物を調べた事があった。


 エース部隊「六聖剣」の1人で、噂レベルではあるが、1人で敵1個戦車中隊を全滅させたとか、単機突入して敵司令部を壊滅させたとか…化け物じみた噂だった。


 そんな凄い人でも戦闘に負けるのか?との思いもあって不思議だったのだ。


「戦闘中に亡くなったのか?」


 と聞くとガイアは


『私は死亡は確認していません。しかし、現在「サンガール地方の戦い」と呼ばれている戦闘で死亡したと推測しています。』


 歴史の教科書と同じか…「六聖剣」の6人全員が戦死したんだよな…


 するとガイアが


『その時の映像及び音声等のデータの一部があります。PCに繋いで再生しますか?』


 と言ってきた。


 やはりデータはあったのか…これは見るべきなのだろうか…?



 迷った…迷ったが、俺は軍人として見るべきなのだろうと意を決した…




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