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機動機兵ブレリア「戦場の絆」  作者: キジ白のやまちゃん
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第081話 「新たな中隊へ!」




 基地では、たくさんの工場車両が来て、凄い勢いで仮設隊舎をたてている。


 1月22日となり、第2大隊とも第3中隊ともお別れとなる。中隊のみんなに挨拶した後、整備班にも顔を出して挨拶した。


 レート班長、バルク上曹、バベル軍曹とレイア軍曹に挨拶をする。



 補充された他の2人は知らない…名前すら知らないのはまずいな…



 レイア軍曹が泣きそうになっていた…女性は涙脆いのかな…


「レイア軍曹、転属って言っても、すぐに隣だよ?いつでも会えるし、俺も遊びに来るから!」



「けど…部隊が違くなっちゃうから…」


「俺の軍人としての第一歩は、この整備工場から始まったんだ!ここが原隊だよ。みんなに色々と教えてもらった…。ナハスさんの魂も、多分ここに遊びに来てくれていると思う。忘れないよ!」



「整備兵がパイロットか…。クロ、えらい人生になっちまってるが、頑張れよ!」そうレート曹長に言われて見送られた。




 23日になり、3小隊のみんなで隊本部に顔をだした。もう、隊本部は体制が整っている。


 と言うか、研究支援中隊は人員が既に揃っていた。


 機兵(ABLM)評価支援中隊が新編されただけで、研究支援中隊の人員は、元は研究本部の人員がそのままきた感じだ。


 総務部に顔を出すと、隊長に挨拶してくれと言われたので、隊長室に行った。


 クーナさんがノックをして隊長室に入る。


「第33機兵連隊、第3中隊よりこちらに配属になった、クルタナ・ドヴェルグ少佐以下5名です。宜しくお願いします!」


「おぉ!来てくれたか!私が隊長のグニル・ドヴェルグ大佐だ。宜しく!」


 なんと!お父さん、大佐になっとる…


「順番に自己紹介してくれるかな?簡単で良いから。」


 と言われ、リジル中尉、ダーイン中曹、ラッハ中曹の順で自己紹介をしていった。


 俺が自己紹介をしようとすると


「クロ君、良く来てくれた。歓迎するよ!」と言ってくれたが、俺は


「いや…凄い手を使いましたね…。クルタナ大尉を少佐に昇任させて中隊長を下番させるなんて。」


「おいおい!私が昇任させた訳じゃないぞ!たまたまだよ。たまたま!」


「お父さんの思惑通りになった訳よね?満足?」


「職場でお父さんはやめてくれ。それに、本当に偶然だってば。」


「どうなんだか!」


「クルタナ少佐…君達は誤解してるぞ?」


「誤解も何も、隊長が手を回したとかしか思えないほど見事な引き抜きでしたよ!」と、俺が嫌味っぽく言った。


「誤解は解けて無いようだが、欲しい隊員が5名も来てくれた。確かにクルタナが言うように、私は満足だよ。これは本心だ。」



「隊の編成完結式は2月1日ですよね?中隊長の着任式は、こちらで決めて良いんですか?隊員の身上(心情)把握もしなきゃならないし。」とクーナさんが隊長に伝えると


「着任式も何も…機兵評価支援中隊は、今のところ中隊本部10名と、ここの5人だけだぞ…」


「なんですって!部隊として成り立ってないじゃないのよ!」


 クーナさん…その人、大佐でウチらの隊長だよ…


「おっ…俺は隊長だぞ!偉いんだぞ!何だ、その言い方は!」


「どうでも良いから説明して!」


 どうでも良いってクーナさん、いくら父親でも…どうでも良くないと思う。


「いや…新編部隊だから、とりあえずは新機体開発をメインでやる1個小隊だけなんだよ。後から現有装備改善用と運用研究の2個小隊を導入していくんだ。」


「当分は中隊と言えども20人以下で研究開発をしていく訳ね…」


「けど、研究支援中隊は充実しているから、クルタナ達が困る事は無いと思うぞ。」


「まぁ、良いわ!これでやってみる。」


「お前さぁ…おれは上司だって言ってるだろ?職場ではの口のききかたに気をつけなさい。」


「はぁーいあ!ワッカリましたぁ!」


「クロ君、すまん…どうやら私は娘の育て方を間違えたらしい…」と言って酷く落ち込んでいる…


「いえ、素直な良い子に育ってますよ。軍に入ってからの教育が悪かったのでしょう…上官を敬わないと言うのは…」


「そうだよな!私の育て方は間違えちゃいない!軍の教育が悪かったんだよ!」と言って元気になった。


 面倒臭いおっさんである。


「因みに私は技術士官だから、一般の隊員よりも1階級上の権力があるのだぞ!そこんとこ宜しくね!」



「偉そうにしちゃってさ!お母さんに言うわよ!」


「今は仕事中だぞ!お母さんは関係ないだろ…」


「クーナさん…家庭を職場に持ち込まないで。」


「だって…お父さんのクセに偉そうなんだもん!」


「お父さんはクセにとはなんだ!お父さんのクセにとは!」



「もう退室しても宜しいですか?仕事ではなく親子喧嘩みたいなので…」ってリジル中尉、ハッキリ言うなぁ…


「あぁ、中隊本部の人間が事務室にいるはずだから、そいつらに色々と聞いてくれ。」


「私も事務室にら行くわよ。みんな、行きましょ!」



 とクーナさんが言い、みんなで隊長室を出た。



「クーナさん…お父さんは隊長なんだからさぁ…」


「だって…お父さんが偉そうなんだもん!」


「いや…偉いんだよ…」



「私の部屋、広いかなぁ…佐官の指揮官だから、中隊長室は広いよね!」


「隊長室、見たでしょ?まだプレハブだから狭いんじゃない?」


「だよね…まぁ、贅沢は言えないね。」


 中隊事務室に着き、隊員達と話をした。



 待っていたのは、中隊本部の人達で、本部は


 ハンザ・ブラン曹長 (中隊先任曹長)

 ドニエル・カウツ上曹(訓練・研究

 ロッキー・グラマン中曹 (人事・服務)

 アブロ・カナック軍曹 (情報)

 ラブォ・フリッツ軍曹

 サンダース・ロウ軍曹



 指揮班は

 カーチス・ホーク中尉 (指揮班長)

 ヴァーベル・セバスキー曹長

 デモン・エアラ中曹

 モラーヌ・ブロッシュ中曹

 ルンプラー・ローランド中曹



 の11名だった。それに俺達5名を加えた16名…


 とても中隊とは言えない人数だが…


 ABLMの輸送は研究支援中隊の管理部の輸送班がやってくれるし、管理面も全て研究支援中隊がやってくれる。特に困る事も無いか…


 

 それぞれが自己紹介をした。ウチらは有名だった。


「本当に死神小隊が来てくれるとは…」と口々に言っていた所、リジル中尉が


「すみません…俺、死神小隊じゃありませんでした…」と申し訳なさそうに言った。


「いや、リジル中尉の話も聞いてますよ。ボルグ大尉に引けを取らない実力者だと聞いています。」


「えっ?そんな噂が?」とリジル中尉が喜んでた。



 最後にクーナさんの番となった。


「只今から、当中隊の指揮をドヴェルグ少佐がとる!この中隊は新編されたばかりだ。つまり伝統と言うものがない。伝統は私達が作って行くんだとの気概をもって職務に従事して欲しい。私達の歴史は、今日、この時から始まるのです。共に頑張りましょう!」


 なんか、まともな挨拶だな…意外だった。


「さあ!私達は仲間になった。家族同然よ。これから困難な任務もあるかもしれないけど、みんなで乗り切っていきましょう!」


 とクーナさんが締めくくり、初日は終わった。

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