第007話 「終 戦」
終戦間の物語を始めます。
この「終戦時編」は、物語的には短くなる?とおもいます。多分…
MUC209年3月23日、俺は陸軍少年下士官学校を卒業し、部隊へ配属された。
第3機兵連隊 第2大隊 本部管理中隊に配属となった。
連隊は3タイプあり、AタイプとCタイプの連隊には大隊は無い。この2つは中隊の上には大隊は無く、連隊なのだ。
なので、Aタイプ、Cタイプ連隊の中隊長は少佐だが、Bタイプ連隊の中隊長は大尉だ。上に中佐の大隊長がいるからである。
Bタイプ連隊の戦闘単位は大隊である。大隊の兵站部隊が充実している自己完結能力が高い編成であり、大隊単位での戦闘行動が可能となっている。
管理小隊の整備班に配置となった。まぁ、この大隊に配属された時点で、整備員の配属先はここしかないのだが…
班の人数は、俺を入れて5名となる。完全編成は6名だが、1人欠員となっている。俺が配属されるまでは4名だったんだな…
班の構成は、班長がエーレ・レート曹長、整備員としてバルク中曹とナハス軍曹、通信手兼通信器材整備のバベル上等兵である。
戦闘配備中の部隊への配属となったため緊張していたが、この地域は案外平和である。大隊長、中隊長への配置申告をし、管理小隊長へ挨拶を済ませると、小隊長が整備班まで連れて行ってくれた。
班長のレート曹長以下、全員が歓迎してくれた。
俺は3月23日付で伍長になったため、階級的には下から2番目だが、バベル上等兵は21歳と俺より年上であり戦場も経験している。
ナハス軍曹は同じ整備員であり、年齢も25才で兄貴的存在だ。
班長のレート曹長はオヤジ的な存在…と言うか、俺の親父と同じ年であり、本当にオヤジさんだ。
俺達と班長の間をバルク中曹が取り持ってくれている感じで、本当にチームワークが良い、
整備班の主要装備品は、大型トラック1台に ABLM回収車が1台だ。
大型トラックにはABLM整備用の工具が積まれている。
ABLM回収車は、荷台はABLMを寝かせて積載できる広さがあり、レッカー車の様にABLMを回収するためのアームも付いている。
俺はこのABLM回収車のドライバーであり、車長はバルク中曹だ。
しかし、この車をほとんど運転する事なく終戦を迎えた。
時はMUC209年5月11日である。