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機動機兵ブレリア「戦場の絆」  作者: キジ白のやまちゃん
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第065話 「捕虜への尋問②」

執筆がおわりました!

 アスカ少佐の尋問を終わらせる。終わる直前に、ボルグ中尉と話がしたいと喚いていた…


 なんか…ボルグ中尉を見る目が違うような…色っぽいかと思えば、獲物を狙うような目になったり…



 まぁ、ボルグ中尉は背も高くてガッチリ体型であり、いかにも軍人!って感じだし…顔もゴツいが、ある意味男前である。


「アンタが小隊長?独身?そう!やった〜!」


 ボルグ中尉が独身と聞いて喜んでいるが、何故?

 

 そんな事を会話しながら軍警察に連行されて行った…騒がしい女である…。



 

 次はバルム大尉である。


 所属、氏名、階級、認識番号と生年月日を聞き、その他の質問をしていく。年はボルグ中尉と同じ33歳だった。


「俺を撃破してくれたヤツは誰だい?ダーイン軍曹と言ったよな?」


「俺だ。名前を覚えててくれたか…」


「忘れるか!あれだけあっさり撃破されたのは、今まで無かったからな。屈辱だよ。」


「まぁ、連隊ABLM(エーブラム)競技会の優勝者だからね!」とクーナさんが自慢する。


「やはり…1番強い奴だったのか…」と言うバルム大尉に対し、ダーインがすかさず口を挟む。


「おいおい!俺は1番じゃないぞ?競技会には中隊長(クルタナ)は出なかったし、そこに居るクロも出場しなかった。あっ!蒼い機体色の奴な。俺はこの2人には全然敵わないぜ?」


「蒼い機体…ティル少佐に化け物って言われてた奴か?世の中広いな…」


「その、ティル少佐ってのは強いのか?」とダーインが聞いた。


「俺よりは強い。しかし、アロン中佐は更に上だ。」


「あっ!そう言えば…ラッハはティル少佐と良い勝負してたよな?」とダーイン軍曹が思い出したように言った。


「はい。勝てない相手ではありませんね。」とラッハがあっさり答える。


「スナイパーでこのレベルかよ?凄い小隊だな?」とバルムが呆れる。


「一応、ラッハ軍曹は連隊ABLM(エーブラム)競技会で2位よ。小隊長のボルグ中尉が3位ね。因みに、小隊戦の部では、クロを抜かしたこのメンバーで優勝しているわ。」と、またクーナさんが自慢した。



「なんて小隊だよ…何で連隊直轄小隊じゃ無いんだ?おかしいだろ?」と、バルム大尉は呆れ顔をした。


「何でこんなに強いんだ?どうすればそんなに強くなれるんだよ?」とバルム大尉が聞く。


「敵に塩を送るようでなんだが…化け物に鍛えられたら、嫌でも強くなるさ!」


「ダーイン軍曹…化け物は酷いっす…」


「君が蒼い機体のパイロットか?随分と若いな…。」


「今年で21歳になります。俺は元々パイロットじゃ無いんですよ。」


「はっ?パイロットじゃ無い?」


「俺は整備兵なんですよ。何故かこう言う流れになってしまって…」


「クロは、私が見込んで私の中隊の競技会に出てもらったのよ。それで優勝されちゃってね。」


「へぇ…どんな競技会なんだい?」


「中隊の競技会は格闘戦がメインよ。初めて対人戦をやって優勝したの…」


「ここのメンバーもいたんだろ?この小隊のメンバーも。」


「私も出場したわ。あっさり負けた。」と言ってクーナさんは微笑んだ。


「剣を交えて分かったけど、アロン中佐と私は同じくらいの強さだと思う。その私でもクロが相手だと3分ももたないわね。」


「どんだけ化け物なんだよ…しかし、アスカ少佐が瞬殺だ。認めるしかないか…」と、バルム大尉が納得していた。


「それに、小隊長もアロン中佐相手に時間稼ぎしてたもんな…相当な実力者だ。連隊競技会で3位ってのも頷ける。」


「いやいや…押されっぱなしだったよ。アロン中佐の方が1枚上手だった。中隊長が来なかったら危なかったよ。」ボルグ中尉は謙遜している。


「確かにアロン中佐と戦った時、中隊長と対戦してる感覚だった。けど、アロン中佐と中隊長の戦いを見ていたが、中隊長の方が押してるように感じましたが?」と、ボルグ中尉がクーナさんに問いかけた。


「アロン中佐は全力じゃなかったわ。多分、お互いに本気でやったならば、どちらが勝つか分からないわね。本当に互角だと思う。」


「あのアロン中佐と互角ってだけで大概だぞ?そんな可愛い顔して…」


「まぁ!褒めても何も出ないわよ?」って、クーナさん、喜んでるし…


中隊長(クルタナ)さんは若く見えるけど、何歳なんだい?」


「女性に年齢を聞くなんて…」とクーナさんが言うと同時に「27歳…」と言ってしまった…


 俺はクーナさんに睨まれた…


「しかし、無線を聞いていたけど、君達は本当に付き合っているのか?凄いな…」


「何か問題でも?」と俺が聞いたが、すかさずボルグ中尉が大声で言う。


「第3機兵連隊の最強カップルだ!ガッハッハ!」と豪快に笑っている。


「凄い小隊だ…自惚れてたな…俺…」と、バルム大尉が呟いた。


「俺も自分自身、こんなに強くなれるとは思わなかった。全て中隊長とクロのおかげさ。」とダーイン軍曹が言った。


「俺もまだ強くなれる可能性は有るって事か…まぁ、捕虜の身だ。イメージトレーニングでもするかな。」



「皇帝親衛隊の中でも、俺達の中隊はトップが集められているんだ。その中でも俺達の小隊は最強だと自負していたが君達は本当に凄いな。中隊長の統率が素晴らしいんだろう。」


「また褒められちゃった!」クーナさんが喜んでる…



「なんか…俺達が尋問されてるみたいだな…」とラッハ軍曹が呟いた。


「まぁ、そう言うなよ。お礼に2つ、情報をくれてやるからさ。」そう言って、バルム大尉は真剣な顔になった。


「アロン中佐、あの人は何を考えているのか分からない。アロン中佐が国家転覆を企んでいると聞いても、俺は驚かないぜ?皇帝を倒して、自分が皇帝になるつもりなのか…何か企んでいる。俺もお前達も、下手したらアロン中佐に振り回される駒に過ぎない。そうならない様に気を付けてくれ。それと…」と続けて言った。


「今回の戦争、皇帝の意思では無い。今の皇帝は平和と安定を求めている。あの人が自ら戦争を仕掛ける筈はないんだ。裏で誰かが糸を引いている。俺は政治家を含めて調べたが、結局は誰か分からなかった。恐らく、アロン中佐も関わっている筈だ。」



 なかなか衝撃的だな…アロン中佐を中心に戦争が始まったとしたら…許せんぞ!



「まぁ、これは俺の予想でしか無い。しかし、必ずアロン中佐が鍵となってくる筈だ。」


 そう俺達に忠告し、尋問は終わった。


 彼は自分の正義のため、皇帝のために活動していたのではないだろうか?そう思わせる話しの内容だった。



 軍として有益な情報はあまり引き出せなかった。しかし、アロン中佐の企みの影は見えた様な気がする。



 バルム大尉は今後、どうなってしまうのだろう…話しをした感じでは、敵兵とは言え悪い印象は無かったな。自分の国の未来を案じ、自分の正義のために活動する意思を感じた。


 尋問が終わり、軍警察の聞き取り調書を書いてから部隊に帰る。



 俺達はそれぞれの思いを胸に、宿営地に向けて車を走らせた。



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