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機動機兵ブレリア「戦場の絆」  作者: キジ白のやまちゃん
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第061話 「祈 り」

 キャノン砲の射撃が弾着する。しかし、アロン中佐達が居る場所とは見当違いの所に撃ち込まれていた。


「何処を狙ってやがるんだ…下手くそか?」ティル少佐が呟く。


「敵は俺達を分断させたいらしい。各機の正面に1機ずつ敵機が向かって来てるぞ。」


 アロン中佐は、第3小隊の企図に気付いたようだ。先程のキャノン砲の攻撃は、各機の間に撃ち込まれていた。密集隊形にさせない様に発煙弾(スモーク)まで使って各機に壁を作っているのだ。分からない筈がないだろう。


「タイマンなら勝てるつもりか?舐めやがって!」


 と、ティル少佐が怒る。


 戦場の様相は、クロノスがティル少佐、ボルグ中尉はアロン中佐、ダーイン軍曹がバルム大尉とそれぞれ対峙する事になる。


「ちょっと!ティルの正面に行ったABLM(エーブラム)、あれ…ブレリアじゃないの?懐かしい〜!」とアスカ少佐が驚く。


「何?アスカ、映像を回せ。」とアロン中佐も確認する。


「確かにブレリアだな…。ティル、敵のブレリアと個人回線(パーソナル)を繋げ。話をしてみたい。」


「了解!あっちが受けてくれるかな?」と言いながら、ティル少佐がクロノスに個人回線(パーソナル)の信号を送った。


 さらにアスカ少佐が報告する。

「ちょっと!もう1機ブレリアがあるよ!後方の中央…薄いオレンジ色ってカーテナじゃないの?」


「オレンジ色とも話がしたい。ティル、オレンジ色にも個人回線(パーソナル)を送ってくれ。」


「了解!アロン中佐、今回は楽しめるんじゃないですか?」


 と言いながら、ティル少佐は不適に笑った。



***********************



 クロノスとクルタナは、個人回線(パーソナル)信号をキャッチした。


「ボルグ中尉、敵から個人回線(パーソナル)信号が来たんですが…受けた方が良いですかね?」とクロノスは困惑した。


「おう!受けろ、受けろ!俺達3小隊の皆んなも繋げてくれ。ガッハッハ〜!」とボルグ中尉は豪快に笑う。


「ガイア、個人回線(パーソナル)を受諾し、3小隊皆んなも繋げてくれ!」


『了解しました。個人回線(パーソナル)に加入しました。3小隊に個人回線信号を送信します。』とガイアの報告を受け、3小隊に確認する。


「ボルグ中尉、皆さん、加入できましたか?」


「おぉ!加入したぞ!」と、ボルグ中尉を筆頭にダーイン軍曹、ラッハ軍曹も応答してくれた。


「何を人が開設した回線で盛り上がってるんだよ?青のABLM(エーブラム)パイロット!貴様は何者だ?」


「お前こそ誰だよ?まずは自分から名乗るのが礼儀じゃないのか?」とクロノスが返す。


「ハッハッハ〜!こりゃ一本取られたな。俺の名はティル・フルンディング少佐。お前の目の前にいる、赤いABLM(エーブラム)のパイロットだ。」



「俺がここの小隊長の、アロン・ブルーベル中佐、中央の黒と紫の機体のパイロットだ。俺の相手をしてくるのは誰かな?」


「共和国のガラド・ボルグ中尉だ。小隊長をやっている。小隊長対決といこうじゃないか!」



「帝国のニーベル・バルム大尉だ。黒のABLM(エーブラム)のパイロットだ。」


「あんたの相手は俺だ!スライブ・ダーイン軍曹と言う。宜しく!」



「あっ!私はアスカ・ロン少佐よ。スナイパーだから機体色は教えないわ。そちらの支援機は誰かしら?」


「緑色のABLM(エーブラム)だろ?俺はフラガ・ラッハ軍曹と言う。元々スナイパーじゃないんだがな…。」


「なんだ…機体色、バレてるのか…」



それぞれの自己紹介が終わった。そして戦闘が始まるかと思いきや、対峙したまま膠着した。敵がのらりくらりとして攻めて来ないのだ。



「おい!青のABLM(エーブラム)のパイロット。お前は名乗らんのか?」とティル少佐が自己紹介を催促する。



「俺はクロノス・ソハヤ軍曹。青い機体のパイロットだ。お前らを殲滅する。今から投降するなら攻撃はしない。大人しく投降する事を勧める。」



「若造が…言ってくれるね!ところでソハヤ軍曹とやら、君の使っているABLM(エーブラム)はブレリアじゃないのか?」とアロン中佐が質問する。


「そうだ。あんた達、元六聖剣だろ?ブレリアに見覚えがあるのも当然か…」


「ほう…俺達が元六聖剣だと知っているか…やはり後ろのブレリアはカーテナか?そこら辺の事情は聞いてるみたいだな。」



「カーテナじゃないわ。この中隊の中隊長、クルタナ・ドヴェルグ大尉よ。あなた達を殲滅する!クロが言う様に、投降するなら今のうちよ。」

 

「やっぱりカーテナじゃないかよ!久しぶりだな!まぁ、直ぐにお別れになるけどな。あの世でクラウと仲良くするんだぞ。よし!始めるぞ!」


 アロン中佐の掛け声と同時に、前衛3機が突進して来た。



 クルタナが中隊無線系で1・2小隊に命令する。


「敵が連携を取りそうになったり各機が近づいきそうになったら、間にキャノン砲を打ち込んで!あと、敵スナイパーを牽制する役を決めておくように。敵スナイパーは発見したら集中攻撃よ!」


「あとは3小隊次第か…私も増援に行く準備をした方が良いわね…」




 3小隊…クロ…頑張って…。クルタナはそう祈りながら戦いを見守る。




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