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機動機兵ブレリア「戦場の絆」  作者: キジ白のやまちゃん
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第044話 「準 備」

執筆終わりました。

 日曜日、クーナさんと一緒に基地に行った。会議後は2人で買い物に行く予定だからだ。


 クーナさんが参加する会議は10時の予定だと言う。その前に連隊の会議に大隊長と大隊作戦幹部が呼ばれていて、それが終わってから大隊会議となる。


 俺はしばらく、基地内の自分の部屋でクーナさんの帰りを待っていた。


 会議が終わり、そのまま解散となったようで、クーナさんから買い物に行けるとの電話があった。


「こんな内容だったら、会議は明日でも良かったじゃないのよ…」と街に向かう車の中でブツクサと文句を言っていた。


「そんな緊急な内容じゃなかったんだ?」と聞くと


「本当に…また戦争が始まるかもしれないなぁ…」と、クーナさんは呟いた。




 俺は、会議の内容を聞いた。内容を要約すると


◯9月の上旬に、第3方面軍が国境付近に配置される。当然、第3機兵連隊も第一線部隊として行く事になる。


◯今度の競技会までに、中隊代表者だけでなく、全てのパイロットの競技タイムを連隊に報告せよ。

 上記理由は、競技会後に各中隊のパイロットを練成し、最初の記録と競技会後に練成した記録を比べて自分が強くなったと分かるように数値化し、各隊員に自信を付けさせる事を目的とする。


◯今競技会は、戦争に備えた練度向上を目的としている。上位に入った者は自信を持つので良い。しかし、成績が悪かった中隊、悪かった者に自信を付与する事が課題となるため、各中隊長は士気を向上するための腹案を持つ事。


◯配置時期、場所、作戦内容については不明である。詳細が分かり次第、伝達する。


◯あくまでも、敵の進攻を予期して備えるための配置であり、戦争が始まった訳ではない事を隊員に徹底する事。


◯競技会終了後の各中隊の練成期間の教官は、今競技会の優勝者及びクルタナとクロノスとする。


「まぁ、こんなところね!」って…


「えぇ〜!俺が教官?何で勝手に決まってるの?」


「まぁ、正確には助教ね。私が教官。私も勝手に決まってたよ。まぁ、連隊長が言ってるから断れないけどね…」とクーナさんが諦めた様な顔で言っている。


「仕事の話は終わりっ!買い物いくわよー!」とクーナさんが笑った。




 次の日の朝礼後、中隊の隊員全員が教場に集められた。そして、中隊長からクーナさんから聞いた内容を知らされた。俺が助教として各中隊に教える事も。



 しかし、本当に戦闘配備されるんだな。まだ現実味が無いと言うか…


 まぁ、競技会が終わってから考えるか?


 



 時間が過ぎるのはあっという間だ…特に楽しい時間はね…


 競技会の2日前、連隊長室に呼び出された。


 軍曹が連隊長に呼ばれるなんて…そんな事は稀であろう。


 と思ったら、連隊長室前にクーナさんが居た。


「あれ?何してるの?」と不思議そうな顔で聞いてきた。


「なんか、1030に連隊長に呼ばれたんだよね…」と答えると、クーナさんが


「えっ?私も同じ時間に呼ばれたんだけど…一緒に入れって事かな?」と困っていた。


 俺が連隊長副官に確認すると、一緒に連隊長室に入ってくれと言われた。」




 クーナさんが先任者のため、ドアをノックする。


「ドヴェルグ大尉、他1名入ります。」と言って入室し、一通りの入室報告を済ませる。



「君達を呼んだのは、競技会の最後に、君達に訓練展示をして欲しいからなんだ。」


「えっ?どう言う事ですか?」と聞くと…


 どうやら、連隊長は俺達が出場すると思っていたらしい。しかし、選手名簿を見ると2人の名前が無いため、どうにかして競技を実施させたいみたいだ。


 しかし、クーナさんは「自分が出て入賞するくらいなら、他の人にチャンスを与えたい」との考えで出場を辞退している。


 順位に関係するとなると、クーナさんの考えに反するので、競技会の最終日に実演と言う形で競技を実施して欲しいとの事であった。


「本当は、2人にどちらの競技もやって欲しい。しかし、それでは優勝者の記録を破った場合に、優勝者が霞んでしまうだろう。なので、1人1種目をやって欲しいんだよ。」


「分かりました。誰がどちらをやるかは、私達で決めても宜しいですか?」



 ってクーナさん!俺、やるって言ってないよ〜!

 


「おー!やってくれるか!ありがとう。誰がどの種目をやるのかは任せるよ。決まったら作戦科の競技会運営の者に連絡してくれ。」


「了解しました。」って、俺は了解してないが…




 連隊長室を出た。俺達は打ち合わせをする事にした。


 丁度、クーナさんのABLM(エーブラム)が整備に入っていたので、整備工事に行って打ち合わせだ。


 クーナさんに愚痴を言う。


「俺、了解してないのに…」


「えっ?嫌だった?お願いっ♡一緒にやろっ♡」


「クーちゃんに頼まれたら…やるしか無いなっ!」




 そこにナハス軍曹が来て

「だから、基地内でイチャイチャしないでって言ってるでしょ!」


 と、汚物を見る様な目で俺達を見ている…



「別にイチャイチャしてないわよ?ただ話をしてるだけだよね〜!クロっ♡」



「ナハス軍曹、なんか連隊長室に2人で呼ばれて…」


「なんだ?連隊長にも基地内でイチャイチャするなって注意されたのか?」って…


「違いますよ!実は…」と、事情を説明した。



「まぁ、連隊長も、競技会後の教官の件もあるから、2人の実力をみんなに示したいんじゃ無いか?」


「ふむふむ…確かにナハス軍曹の言う事も一理あるかもしれないわね?」とクーナさんも頷く。



「3中隊長のABLM(エーブラム)を貸してもらえますか?あと、俺に格闘訓練装置の方をやらせて下さい。」と真面目な顔で言うと…


「アハハ!クロに敬語を使われると違和感ある〜!ウケる〜!」と言って大笑いしている…


「クーナさん、基地内では敬語を使えって言ってたじゃないの!何で笑うの!」


「ごめんごめん。それじゃ、私が小隊用の方をやるね。ABLM(エーブラム)は私のを使って。一緒に移動しましょ?」と笑い涙を拭きながら言った…



「私の方から、運営の幹部に連絡しておくね。詳しい事が分かったらメールする。それじゃ、帰るね!」




「あの人、本当に面白い人だな…」とナハス軍曹がクーナさんの後ろ姿を見ながら言った。


「ですよね…博士号を持ってるってのが信じられません。話せば普通ですから。」


「だよな。なんでも、IQが145あるって聞いたけどな…本当か?」


「えっ?天才じゃないですか!聞いた事無いです。そんな事、自分で言う事もないですし…」俺は驚いた。自分の彼女が天才だなんて…知らんかった…


 



 しかし…また訓練装置をやる羽目になるとは…


 まぁ、やるしかないか…と諦めつつ、競技会の日を迎える事になった。




 


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