第003話 「規律違反②」
1話1話が短い様な気がする…(ー ー;)
次からは少し長めに書く様にします。
あっ!因みにロボットは、10話くらいまで出てこないと思います。多分…
現地教育が終わり、寮に戻った。そう、この学校は3年間全寮制なのである。
まぁ、軍の学校は全部そうだけどね。
陸軍少年下士官学校は、その名の通り下士官を育成する学校である。
下士官、つまり「軍曹」を育成するのだ!
優秀な人はそのまま幹部を育成する4年制大学の陸軍士官学校へ推薦されるか、自力で入学試験を受けて合格して進学をする。
士官学校を卒業すると、幹部である少尉になって部隊配属される。
俺は早くABLMの整備がしたいから、進学にも幹部にも興味はない。
陸軍少年下士官学校を卒業し部隊配属となった時は、階級は「伍長」となる。伍長を1年間ほど経験すると晴れて「軍曹」に昇任出来るのである。
普通に18歳で入隊すると、だいたい19歳までの1年間が2等兵、20歳までの1年間が1等兵、21歳までの1年間を上等兵として勤務すると、軍曹昇任試験を受けることができる。
軍曹昇任試験で合格すると1年間を伍長として勤務し、その間に「軍曹教育隊」で勉強し、知識と技能を身につけ、教育修了後に軍曹となる。
早くても22歳〜23歳なのだ。
俺達は20歳で軍曹になるから、そこそこ昇任は早い方なのだろう。まだ軍の事は良く分かっていないのだが…
話を戻すが、寮の自室に戻り現地教育の片付けをしていた時だ。バックに入れた覚えのない異物がある事に気付いた。
取り出してみると、シルバーの長方形の物体…
「しまった!持ってきてしまった…」
そう…拾ったシルバーのAIらしき物を持って帰ってきてしまったのだ。
「これ…どうしよう…」
困った…
ABLMパイロット用AI、通称「CAS」(combat.assistance.system)は、パイロットしか所持してはいけない物であり、軍規はおろか法律でも禁止されている。見つかれば軍法会議ものであり、処罰の対象なのだ。
しかし…形は似ているが色が違うし。パイロット用AIではない可能性もある。(誰もCASと呼ばず、AIと呼んでいる)
とりあえず、自分のPCに繋げてみる事にした。
パスワードも特別な認証も必要なく、すんなりと解析が出来た。解析と言っても、このシルバーの物体の機能と能力だけだが…
やはり、これはABLMパイロット用のAIであった。しかし、その性能は、当時のパイロット用AIの30倍であり、現在のAIと比較しても10倍以上もあるのだ。
「有り得ない…この大きさで普通のAIの10倍以上の性能なんて…」
いや、有り得ているのだ。
「こんな物…俺、どうすれば良いんだ?」
今からでも先生に渡した方が良いのだろうか?
悩んでいたその時である。突然PCが喋ったのだった。




