第027話 「女戦士(クルタナvsリジル中尉)
第27話を書き終わりました。
決勝までのバトル描写はあと5戦を予定していますが、ラッハ軍曹vsグラム少尉は端折るかもしれません…
会場はだいぶ盛り上がっている。
3中隊の隊員だけではなく、偵察のためか?他の中隊の隊員も見学している様だ。うちの中隊のみんなも、中隊長を筆頭に応援しに来てくれている。
ABLMから降りてギャラリースペースに行くと、整備班のみんなが喜んでくれていた。
ナハス軍曹とハイタッチする。
「クロ!やったな!」と言って揉みくちゃにされた。
俺の試合の後は、第5試合はラッハ軍曹が危なげなく勝ち上がり、第6試合は1小隊長のグラム少尉が勝った。
全ての第1試合目が終わり、この時点で…
◯第1小隊 2名
◯第2小隊 1名
◯第3小隊 3名
が残っている。これに俺と3中隊長を入れた8名で戦って行く事になる。
と言っても、2小隊長のリジル中尉はシードだったから、まだ戦ってないんだけどね。
本来ならば、この後は昼食の予定だったが競技の進行が早く、まだ10時40分だったため、第7試合と第8試合も午前中に行う事になった。
3中隊長の戦いが見れるぞ!
しかし…本当にテイン中曹に負けるかと思った。
やはり、第3小隊の隊員は凄いな…と思っていたら、テイン中曹が近づいて来た。
「テイン中曹…どうしたんですか?その右腕の包帯。」
「どうしたも何も…やった本人が言うかね?」
「あっ!俺が原因ですか…あの最後の一撃で…」
すみません。と謝ると
「良いんだよ。気にするな。ただの打撲だけど、医務官が大袈裟に包帯を巻いたんだ。しかし、あの一撃は強烈だったぜ!吹っ飛ばされたもんな。」
と言って笑っている。
「すみません…無我夢中で…本当に負けてしまうと思ってたんですよ。
「最後のアレ、狙ってやったのか?」
「いや、マグレですよ。直前に右脚をやられて、どうしようも無くなって。あれしか出来なかったんです。」
「それなりに追い詰めてた訳だ、俺も。」
「追い詰められたなんてもんじゃないですよ!あの時、無反動砲で脚では無くコックピットを撃たれていたら、負けたのは俺でした。」
「嬉しい事を言うねぇ。まぁ、俺の判断ミスだな。先に動きを止めようとし過ぎたよ。それに、右脚に弾が命中した時、勝った!って思って油断したのも敗因だな…」
「本当に勉強になりました。ありがとうございました!」
「俺に勝ったんだ、優勝してくれよ!」
そう言い残し、左手を振って立ち去って行った。
次は3中隊長対リジル中尉の試合だ。
リジル中尉も、昨日の競技では上位に入っている。3中隊の幹部はみんな優秀だなぁ…
第7試合が間も無く始まる。
クーナさん、あんなに可愛いくて、身長も160cmもないくらい小さいのに、3中隊の猛者達から凄いって言われてるんだよなぁ…。
どれだけ凄いのか見せてもらうよ!
と思っていると、ダーイン軍曹が「一緒に見学しようぜ!」と言って隣に来た。
「次は俺とだな!負けないぜ!」と言って隣に座った。
「本当に3小隊の人は凄いです…負けたと思いました。勝ったのはマグレです。」
「なぁに、勝ちは勝ちさ!ウチの最年長を仕留めてくれたお礼はさせてもらうよ。」
「えっ?ボルグ中尉が最年長じゃないんですか?」
「あのオッサン、老けてるけど、まだ33歳だぜ?」
そうだった…前に年齢を言ってたな…
「おっ!始まるぞ!まぁ、中隊長の圧勝だろうな。」
「そんなに凄いんですか?リジル中尉だって、昨日の競技では上位でしたよ?」
「見れば分かるさ。中隊で1番は、ボルグ中尉かラッハなんだが、その2人…いや、俺を入れた3小隊を相手に、1人で模擬戦をやって勝っちまうんだぜ?自信無くすよなぁ…」
「そんなに…そこまでですか…」
『ブ〜〜〜!』
試合開始のブザーが鳴り、いよいよクーナさんの試合が始まる。
観客席は見おろす様に見学できるので、全体の状況が把握しやすい。
「何だ?あの動きは…」
無駄な動きをしている様に見える。最初に動き回って、土煙を上げている。
最初は動き回っていたのに、急にゆっくり歩き始めた。
「何を狙っているんだろう…」
「ワザと土煙を上げて誘っているのさ。」
リジル中尉が土煙の方へダッシュして行く。すると、左横からクーナさんに強襲された。
レーダーの警告音が鳴ったのであろう、急いで左を向くリジル中尉。
リジル中尉がクーナさんの方を向いたと同時に、障害物から飛び出たクーナさんがアサルトライフルを連射し、リジル中尉が蜂の巣になった。
そのまま距離を詰められ、剣で切り倒して終了した。
言葉が出なかった…本当に圧倒的だった。
動きもスムーズで、臨機応変に対応できる余裕すら感じた。
「これ…凄すぎて参考になりませんよ…」
「だろうな。3中隊のマドンナにはトゲがあるから気をつけな。プライベートの方もな!」
と言って笑っている。プライベートは…まぁ…
「しかし、本当に凄い人だったんですね。噂しか聞いて無かったから…」
「お前もABLMの操縦技術に関しては化け物だ。けど、あの人は戦闘戦術の化け物なのさ。」
今気付いたが、ここで2小隊が全滅した…
第8試合は、ボルグ中尉対第1小隊の「スピーカー」クレス・ダモ軍曹だ。
「おっ!小隊長の出番だ!負けたら笑ってやるんだがな。」と言うダーイン軍曹。
しかし、勝負はあっさりついた。ボルグ中尉の圧勝である。
ダーイン軍曹が「勝ったのかよ。チッ!つまんねぇの!」と言って悪態をついていた。
「しかし…ボルグ中尉も、俺から見ると化け物ですよ…」
「まぁな。けど、お前は戦闘経験が少ないんだ。仕方ないよ。対人戦、さっきが初めてだったんだろ?」
「はい。しかも、強敵のテイン中曹でした。」
「あぁ。お前とは相性が悪いよな。俺とは相性が良いと思うぜ?俺は接近戦タイプだからな。」
「次は宜しくお願いします!」
「まぁ、お互い頑張ろうぜ!」
そう言って俺の肩を叩き去って行く。
昼食後は、ダーイン軍曹との試合か…難しい試合になりそうだ。
早めに昼食を食べて、少し早めに準備しに行く事にした。
アクセス解析、面白いですね!
私の作品を、こんなに見てくれている人がいるとは思いませんでした…
ありがとうございます。
しかし…
アクセス解析で、私の好きな「第13話」が部分別で見られている数が少ないと出ている(ー ー;)
作者と読者方の感覚って違うんですね…




