第019話 「格闘訓練装置の部」
物語的に、最初の競技の秒数が短いと感じたので、秒数を変更しました。
18話の優勝予想秒数も変更しています。
俺の順番が近づいてきた。
1Gpは7人で、俺の前の5番目はダーイン軍曹、俺が6番目でボルグ中尉がラストの7番目だ。
4人終り、現在の最高タイムは62秒台である。
俺の予想よりもかなり遅いな…1個ターゲットの撃破に2秒以上かかるのか…設定が変わって難しくなってるのかな?
見た感じでは、昨日とそんなに変わってないような気がするのだが…
ダーイン軍曹の番になった。その次は俺なので、ABLMに乗って待機する。
モニターから見るダーイン軍曹のABLMの動きは、今までのパイロット達と違ってスムーズだ。
「この人、上手いなぁ…」
ダーイン軍曹が、次々にターゲットを破壊していく。
おっ!これは?好タイムが期待できるんじゃないか?最後のターゲットを破壊し、タイムが発表された。
それまでのトップタイムを14秒以上縮める「48秒12」だった。
「ダーイン軍曹、やるなぁ!」と感心していると、俺に無線が入った。
「クロ、頑張ってね!期待してるよ♡」
あっ!クーナさんだ!
「やれるだけやってみます!」 俄然、やる気が出た!
よし!次は俺の番だ!
「ガイア、サポートを頼むぞ!ターゲットのロック表示は、最速で破壊できる2個までで良いからな。」
『了解しました。』
「ガイア、行くぞっ!」と言って競技を開始した。
「1つ!」なんて数える暇がないほど忙しい。
急いで撃破しなければならないため、ダッシュを無駄なく使う必要があるが、あまりABLMに負担をかけたくない。ダッシュの直線運動を円運動に変え、負担を減らしていく。
「どりゃ〜!」とか言いながらターゲットを破壊する。
「ガイア!あと何個だ?」
『あと11個…10個になりました。』
「よし、ペースを上げるぞ!」
それまでABLMへの負担を気にしていたが、ラスト10個からは気にせずに動かす。
「よし!これで最後だっ!タイムはどうだ?」
1回だけ判断を迷ったが、他はスムーズに撃破できたはず!タイムは?早くしてくれ!
計測タイムを聞き、中隊やギャラリーに響めきが走る。
ギャラリーには、俺の中隊長や整備班のみんなも応援に来てくれていた。
「ガイア、タイムは?」
『はい。31秒04です。』と教えてくれた。
またクーナさんから無線が入った。
「クロ!やったね♡凄いじゃない!」
「いや…あとコンマ05秒速ければ、30秒台だったんですけど…」
「何言ってんの、断トツよ!クロ、カッコ良かったぞ♡」
俺、カッコ良かったって…嬉しいぃ〜!
ABLMから降りると、ダーイン軍曹が近づいてきた。
「お前、ふざけんなよ…何だ?あの化け物みたいなタイムはよ?」と呆れた顔をしていた。
次のボルグ中尉の競技を見る。上手い!幹部とは言え、さすが軍曹からの叩き上げである。
ダーイン軍曹より速いんじゃないか?今迄の人達とレベルが違う!
結果は43秒32だった。2番手のタイムだ。
3小隊の人は、みんな上手いのかな?ボルグ中尉に鍛えられてるんだろうなぁ…
しかしこの競技、1Gpの最速タイムは俺だったのだ〜!
これには、俺の中隊長、レート整備班長やナハス軍曹も大喜びだった!
「イェー!やったな、クロ!」とナハス軍曹とハイタッチする。
よし!午後の競技も頑張るぞ〜!




