第017話 「第3中隊 ABLM競技会」
ABLM競技会編です。
連隊のABLM競技会まで書きますが、連隊競技会に主人公を出すか、まだ悩んでいます…パイロットじゃないし…
月曜日の朝を迎えた。気が重い…
なんで俺が3中隊のABLM競技会に参加しなきゃならないんだよ…
中隊事務室に向かうと、朝礼前に本管中隊長(自分の中隊長)に呼ばれた。中隊長室に入り、中隊長に「ソハヤ軍曹、どう言う事情か説明してくれ。」と質問された。
俺が知りたい…
「ソハヤ軍曹、昨日の夕方、3中隊長から電話が来て『突然で申し訳ありませんが、明日からの2日間実施する、3中隊のABLM競技会にソハヤ軍曹を参加させたい』と言われてビックリしたぞ。」
「申し訳ありません。昨日、3中隊長のABLMの調整していたら、3中隊長とボルグ中尉が…」と一通り説明した。
「休日にABLMの調整を?しかし、整備員として整備の支援をするのかと思ったら、選手として参加だって聞いたから尚更ビックリだ。」
って、そりゃあ中隊長もビックリするよな…
「はい。自分でも何でこうなったのか分かりません…」
いや…本当に分からない。
本管中隊長が断ってくれたら…と思っていると
「いやぁ、整備班長に電話したら大丈夫だって言ってたから参加を認めたが、本当に昨日、突然決まったんだな。」
だから、アンタが断ってくれたら良かったんだよ!
「まぁ良い。お前がウチの中隊の代表だ。応援に行くからな!」と言って笑っている。
良くねぇよジジイ!勝手に代表にすんな!応援?来るんじゃねぇ!と思っていると、扉をノックして入室する人物が…
「失礼します。あっ!本人も居たのね?話が早くなって助かるわ。」そう…3中隊長だった…
3中隊長が「本管中隊長、突然の申し出に対応して頂き、本当にありがとうございます。」
と言うと、ウチの中隊長が
「いや、何、整備班も大丈夫だって言ってくれたんでね。ソハヤ軍曹には、ウチの中隊の代表として頑張ってもらうよ。細部は本人に伝えて下さい。」
「分かりました。それでは2日間、ソハヤ軍曹をお借りします。失礼します。」
3中隊長と一緒に俺も中隊長室を出た。
廊下で小声で話をする…
「クーナさん、本当に俺も出るんですか?」
「当たり前じゃない。覚悟を決めなさい!」
「でも…」
「でもじゃないの!頑張ってね。応援するから!」
そう言って、俺の尻をポンと叩いた…
0830から開催予定だった模擬戦は、急な予定変更により10時開始となった。
名称も「第3中隊 ABLM技術競技会」に変更された。
当初の目的は、1週間後に行われる「連隊 ABLM競技会」の中隊代表選手を決めるための模擬戦だったらしい。
小隊戦の代表小隊と、個人戦の代表3名を選出するためのものだったのだが…それが何故?趣旨が変わってないか?
「3中隊が面白い事をやる」と言う噂が朝のうちに広まり、連隊中の各中隊からも注目されてしまっている…
余談だが、1個中隊のABLMは13機である。
1個小隊に4機あるが、通常は小隊長機はあまり使う事がない。基本は小隊3機編成で行動し、小隊長機は予備機的な意味合いが強い。
まぁ、小隊長自らが出撃して次級者に小隊指揮車を任せる人も居るし、場合によっては4機で行動する事もある。
1個中隊に小隊は3個あるので、全小隊のABLMの合計が12機となる。プラス中隊長機を入れて、1個中隊の合計が13機なのだ。
この13機で、競技会を実施する。
因みに、連隊は4個大隊、8個中隊あるため、ABLMは104機。プラス連隊直轄の1個小隊の4機を合わせて、連隊合計は108機だ。
連隊の競技会は、この108名のパイロットの頂点を決める大会となる。
まぁ、連隊直轄小隊はエースが集まっているので、毎年の小隊戦優勝は連隊直轄小隊だ。
小隊戦と違い個人戦は、誰が優勝するか分からないから面白い。
連隊直轄は小隊戦に力を入れている。だから、個人戦に出る1機は、小隊戦で選手になれなかった人が出る。大抵は小隊長が出場している。幹部なので、それ程技量が高くない人が多いからだ。
だから、個人戦に力を入れる中隊が多く混戦となる。
さぁ、いよいよ開会式だ!
って…俺、やる気が無いんだが…
余談のボリュームがありすぎて…
細切れ掲載します。申し訳ありません…




