第013話 「デート?①」
タイトルが決まらないんです…タイトルを決めずにここまで書いてしまったぁ〜(ー ー;)
こんな人っているのかな?
良いタイトルがあったらコメ下さい…
次の日
出勤すると、ウチの中隊事務室が賑わっていた。
何事だ?と思って事務室に入ると…「おっ!来た!来た!」や「クロ、お前は凄いやつだな!」とか「ヒーローの登場だ!」って訳が分からない…
「これからだな!頑張れよ!」なんて言う人までいる。訳も分からずキョトンとしている俺に「3中隊長、なかなかの美人だからな…」と、俺の肩にポンと手を置く人までいる。
やっぱり、昨日の件か…
「いや…みんな勘違いしてますよ!そもそも告白なんてしてませんし、告白する前に振られましたってば!」と言う俺に
「照れ隠しすんなよ。知ってるんだぞ!」
何を知っているんだよ…本人が知らないのに…
「聞いたんだよ。3中隊の隊員に。」
だから何を聞いたんだよ…本人が知らんのに…
「3中隊長に聞いたんだよ、お前の事を。そしたら『中々可愛くて気に入ったから、今度の土曜日にデートをする約束をした』って言ってたぜ?」
会う約束はしたがデートでは無い…
「おい!お前…3中隊長とデートするのかよ?」
と、また事務室が騒がしく盛り上がった。
確かに土曜日に会う約束はした。それは事実であるが、決してデートではないと断言できる。
(あの女…俺を振ったって言えと言ったのに…)
もはや、隣の中隊の中隊長として敬う気持ちも無くなった…
朝礼が終わり整備工場に行くと、他の大隊の整備員達にも同じ様な事を言われ、同じ様な質問を受けてうんざりした。
整備班のみんなにも言われた。言われてうんざりするかと思ったのだが、班の人達は真剣に恋愛に関するアドバイスをしてくれたのでビックリした。
本当に家族のようだ。
「ありがとうございます。」とお礼をしたが…
かつて、これほどありがたくない気持ちで「ありがとう」と言った事があっただろうか…
ありがたいのだが…ありがた迷惑である…
特にナハス軍曹は本当に応援してくれている。
ナハス軍曹にだけは、いつか本当の事を言っても良いのではないか?と思った。
約束の土曜日になった。
3中隊長のクルタナ大尉と何度かメールでやり取りして待ち合わせの時間と場所を決めていた。
9時にクルタナ大尉が車で迎えに来てくれた。
待ち合わせ場所が、基地内の俺の宿舎の正面玄関だったため、他の隊員達に見られてしまっている。場所の選定を失敗した…
また、噂になるんだろうなぁ…
「お待たせ!クロ、今日はどこに行く?」
確かに、この前中隊長室で「クロと呼んで下さい」と言ったが…躊躇いなく呼んだな…
クルタナ大尉の格好は、ジーンズにTシャツのラフな格好だった。
私服姿になると、本当にそこら辺の女子大生くらいにしか見えず、中隊長である事を信じられる者はいないだろう。
「今日はどこって…2人で出かけるのは今日が初めてじゃないですか…」と言う俺に
「ちょっと!雰囲気ぶち壊さないで!デートする気分くらい味わわせてよ。」と言うクルタナ大尉…
付き合ってられん…
「すぐに映像記録を見ましょう。」と言うと
「いやぁ〜ん!直ぐに私の部屋に来たいなんて…もう♡」
いい加減、殴りたくなってきた…
「中隊長も、例の映像記録は気になっているんでしょ?」
早く目的を済ませて帰りたい…
「もう…プライベートで中隊長なんて呼ばないで!クルタナって呼んでっ♡」
本当に疲れてきた…
(この人、もしかして真面目に言ってんのかな?)と思ったので呼び捨てしてみた。
「ところでクルタナ、どこに…」と言ってる途中で
「あぁん?軍曹が大尉を呼び捨てにするんかい!」
「アンタさっき『クルタナって呼んでっ♡』って、ハートマーク付きで言ってたでしょうが!」
「アンタですって?こんチクショー!私の中隊の隊員だったら、給料下げて昇任させないレベルよ!」
面倒臭い女である…
「どうでも良いけど、どこに行くんです?」
もう話を逸らしたい…
「どうでも良くないけど、とりあえず家に行きましょ?例の映像記録が見たいわ。」
やっとマトモに話してくれた…
その後は「ねぇ?クロは出身どこなの?」とか、他愛もない話をしながらクルタナ大尉の家に向かう。アパートで1人暮しをしていると言っていた。
最初は、女性の部屋に初めて入ると言う事でドキドキしていたが、冒頭のやり取りですっかり冷めた。
クルタナ大尉の呼び方は「クーナさん」に決まった。両親しかクーナと呼ばないから光栄に思え!と言われた。
最初は「クーナちゃん」と呼べ!と脅しのように言われたが、頑なに断った。
彼女のアパートに到着し、車から降りる。もちろんガイアも一緒だ。
玄関を通り中に入る。女の子らしい綺麗な部屋だ。
「あっ!私、男の人をこの家に入れるの初めてだ!」と今更気付いたようだった…
「俺なんて、女性の部屋に入る事自体が初めてですよ。」と言うと
「えっ?クロって今、二十歳だよね?女の子と付き合った事は無いの?」
そんなのどうでも良いだろ…今の目的はガイアの映像記録を見る事だろうが…と思いながらも
「ありませんよ。」と答える。
「可愛い〜〜!」と言って騒いでいる。何なんだ?この人…
ガイアをモニターに繋げ、問題の映像を映してもらう。
さっきまで、あれ程ふざけていた人間と同一人物とは思えないほど真剣な顔をして映像に見入っている。
俺の本心を言うと…不覚にも真剣な顔をしたクーナさんも可愛いと思ってしまった。この人、黙ってれば可愛いよな…
映像の途中、昼になったので、クーナさんが有り合わせの物でお昼ご飯を作ってくれた。クーナさんの手作り料理を食べる事ができたが凄く美味しかった。料理も上手だな…
会話をしながら2人でお昼ご飯を食べ、映像の続きを見た。
彼女は、映像の後半になると目に涙を浮かべていた。この時の事を思い出してしまったのだろうか?
映像が終わった頃には、もう15時を過ぎていた。
クーナさんは、涙を流してすすり泣いていた。
あれだけ陽気で少し気が強く見えた彼女が儚く思えた…
彼女が泣きながら静かに立ち上がったので、俺も立ち上がった。
クーナさんの顔を見ると涙でいっぱいだった。
俺は、ゆっくりと彼女を引き寄せて抱きしめた…
彼女は泣いた。声を上げて…
俺の胸の中で大声で泣いた。
俺は、彼女の頭を撫でてあげながら、黙って胸を貸すくらいの事しか出来なかった。
しばらくすると彼女は「あぁー!スッキリした!」と言って俺から少し間をとり
「このくらで、私を落とせると思うなよ?童貞くん!」と憎まれ口を言う。
「なっ!」と俺が弁明しようとすると「クロ、ありがとう…」と言って、少しぎこちなく微笑んだ…
私は原稿をノートに書いてから掲載してますが…他の人はどうやっているんでしょうね…?
今後の大まかなストーリーは決まっていて、設定と一緒にそれも書いていますが…どうなんだろ?




