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機動機兵ブレリア「戦場の絆」  作者: キジ白のやまちゃん
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第012話 「正体②」

本当に書き溜めていたものを全部掲載してしまいました…(ー ー;)


これからはスローペースになります。


仕事も忙しいので、週1くらいになるかもしれません…




 17時50分に第3中隊長室へ向かった。相変わらず整備班の皆んなは勘違いし「クロ!頑張れよ!」と言って応援してくれた…


 生まれて初めての経験だ…応援されて嬉しくないなんて。バルク上曹まで応援してくれている…


 エーレ班長は「明日、しっかりと俺に報告してくれよ!ダメで元々だ!」とか言ってるし…



 3中隊長室の前までいくと、廊下にいた3中隊の隊員に「来た!来た!」とか「頑張れ!」とか言われるし…


 みんな、よほどヒマなんだろうな…戦争の準備命令がかかっている時期なのに…


 中隊長室のドアをノックする。


「はぁ〜い!どうぞ!」


 と言う可愛らしい声が響いてきた。



 中隊長の顔を見ると本当に美人である。年上には失礼かもしれないが、美人と言うより童顔だから可愛いと言った方が良いかな?


 入室の敬礼と入室報告をしようとしたが、そのまま部屋に入るように言われて中に入った。


「貴方が有名な、ロボット犬を連れている整備兵のソハヤ軍曹ね?」


 と言いながらソファーに座る様に促された。


「よく出来ているね!凄い!」と言ってガイアと遊んでいる…


 中隊長もソファーに座った。そして、俺の方をみながら


「で?私に大切な話って、何かしら?」


 俺は3中隊長の顔を見た。


 なんか…告白を待っている乙女の様な…期待に胸を膨らませた様な顔をしている気がするのだが…


 この人…本当に勘違いしてないか?



 ここは…変な流れを断ち切るため、単刀直入に言うしかない!


「中隊長、9年戦争時に六聖剣と呼ばれたエースの1人、カーテナ中尉をご存知ですか?」


 一瞬ドキッとした顔をしたが、すぐに


「知ってるわよ。有名人ですからね。」


 と答えた。やはり、自分が六聖剣のカーテナ中尉だった事は秘密の様だな。


「その人がどうしたの?」


 と聞いてくる。これはどうしたものか…まぁ、すぐに白状するとは思っていなかったが、どう切り崩して良いか分からない。もう、ズバリ行く!


「私は、中隊長がそのカーテナ中尉だと思っています。」


 動揺するかと思ったが、少し落ち着きながら3中隊長が


「突っ込みどころが沢山あるわね。カーテナ中尉って男性でしょ?私が男に見える?」


 確かに歴史の教科書や文献に性別は書いていなかった。


 中隊長が「それに、この人が戦死した時、私は21歳の大学生よ?六聖剣は全員亡くなったって習ったし、どうして私がその人だってなるのよ?」と付け加える。


「歴史では、確かに六聖剣は全員が戦死した事になっています。俺は、なぜ中隊長が偽名を使っているかは知りませんが、なぜ生きているのかは知っています。」と言ってみた。動揺するか?


 中隊長は平然と「へぇ〜。では、私が六聖剣の1人で、何故生きてここに居るのか…貴方の話を聞かせてもらえるかしら?」


 そう言うと、3中隊長は静かに目を瞑った。


 かっ…可愛い…ではなく…



 俺は、記録映像で見た事を伝えた。


 六聖剣の第2小隊が裏切った事。エクス中尉が殺された事。クラウ大尉が足止めをしてカーテナ中尉を逃した事など、そして、カーテナ中尉を逃した後の事までも…


 

 中隊長が瞑っていた目を開けた。少し動揺している様だ。そして「その話は全くの…うぅーん…」


 と言いかけたが


「あぁ〜!面倒臭い…もういいわ…。何故、貴方がそれを知っているの?」


あれっ?簡単に崩れたの?と思った時



「あっ…貴方、まさか…私の弱みを握って、私を手篭めにしようとしているの?やだ…」



 そっちかぁ〜い!この人、本当に頭お花畑なんじゃないのか?まだその事に拘るか?



「いえ…違います…全くそんな気はありません…」


 ガイアの事を話すべきかな?と思った…話すか?


「俺にも弱みがありますから。ガイア、喋っていいぞ。」


 何?と言う中隊長に対して、ガイアが話しかけた。



『お久しぶりです。カーテナ中尉。今はクルタナ・ドヴェルグ大尉ですね。』



「あなた…クラウ大尉のAIのガイアなの?」


 3中隊長がメチャクチャ驚いている。


『そうです。今はクロノス様にお仕えしています。』



3中隊長は驚きの表情のまま「ソハヤ軍曹、これ、どう言う事?」と質問してきた。


「クロでいいです。クロと呼んで下さい。実は、3年前に陸軍下士官学校の……」とガイアを拾った経緯とその後についてを説明した。昨日見た記録映像の事も。



「これが俺の弱みです。拾ったAIを軍に報告せずに私物化している。」


 俺も正直に打ち明けた。中隊長が正直に言ってくれたからだ。


 

「その記録映像、私も見てみたいわ。あなた、独身だから基地内に住んでいるのよね?私は部屋に行けないか…今度の土曜日は休み?」


 勝手に話を進めている…


「はい。休みですが…待機命令が出なければ外出できる筈です。」


 3中隊長が笑顔で「じゃあ決まりね!土曜日、私の家に来てくれる?迎えに来るから。」と言う…


 はいっ?なんだ?どう言う話の展開なんだ?

「えっ?まぁ、土日はいつも暇ですけど…」


「断るなら、拾ったAIを持ってるって通報しちゃうよ?ウソウソ!冗談よ。」


 冗談になってないんですが…



「秘密のある者どうし、仲良くしましょ?」と、悪魔?いや、天使の様な笑顔でこちらを見ている…


「大尉は何故、名前を…」と言いかけたところで、「詳しいことは、土曜日に話すよ。」と言われた。


 とりあえず、携帯電話の番号を交換し、今日は終了となった。帰り際に


「中隊長、なんか、大隊のみんなが勘違いして…俺が中隊長の事を好きで、今日は中隊長に告白しに来たと思ってるみたいなんですよね。」と言うと


「えっ?私の事、好きじゃないの?」と甘えた声で見つめてくる…何て答えれば良いんだよ…


「冗談よ。しかし、秘密を共有する2人…ここから恋に発展する可能性も…♡」


「それ…女性の方が言います?まぁ、みんなには告白されたけど振ってやったとでも言って下さい。俺も振られたって言いますんで。」


 中隊長が「分かったわ。まぁ、適当に言っとく」と答えてくれたので、そのまま退室する事にした。


「それでは、失礼します。」と言って退室したその先は…質問の嵐を廊下で受けた…


 廊下に3中隊の隊員が数名いて「おい!どうだった?」と聞いてくるのだ。


 その時は「見事に振られましたよ…」と言った筈なのだが…






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