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機動機兵ブレリア「戦場の絆」  作者: キジ白のやまちゃん
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第011話 「正体①」

 

 昨日の衝撃映像が頭から離れない…


 習った歴史とは違い、六聖剣の半分が裏切り、1人は生き残り、そして同じ大隊の中隊長をやっているのだ…


 どういう事なんだ?3中隊長と話をするべきなのだろうか…?


 第3中隊長は現在「クルタナ」と名乗っている。カーテナでは無い。いまいち状況が把握できていないが…どうしよう…


「ガイア、3中隊長と話し合いをした方が良いのかな?」


『ワン!』


 現在、整備工場にいるため、コイツは「ワン!」しか言わない…(ー ー;)


 3中隊のABLM(エーブラム)が工場に入ってきたため、パイロットの隊員と話をしてみた。


 3中隊長の事を色々と聞いていたら、最後に


「何?中隊長の事、狙ってるの?まぁ、美人だけど止めといた方が良いと思うよ〜!」


 と、ニヤニヤしながら言いやがった…



 聞いた話では…


 名前は「クルタナ・ドヴェルグ」。今年27歳になるらしい。MUC207年にABLM(エーブラム)開発の技術士官として特別待遇で中尉として入隊すると言う、変わった経歴だ。


 過去に研究本部に所属していて、ABLM(エーブラム)の部隊運用についての研究やABLM(エーブラム)Ⅱ型の開発に携わったとか…


 大尉になったので、研究畑だけではなく、一般部隊の部隊長を経験してこいと言われて中隊長になったとか…


 しかし、この若さでABLM(エーブラム)の操縦技術は凄いらしく、模擬戦では中隊の隊員は誰も中隊長に勝った事はないそうだ。


 中隊の隊員は、所詮は研究員と最初はバカにしていたらしいが、何回か模擬戦をやるうちに、その凄まじい技量から「姉さん」と呼ぶ様になったとの事であった。


 あと、結婚はしておらず、現在も彼氏はいないと言う要らない情報までくれた。



 これが表向きの経歴だが…まぁ、嘘だろうな…MUC207年入隊なら、MUC205年の「サンガール地方の戦い」に参加できる筈はないからだ。


 技術士官の特別待遇は本当かもしれない。あの年で大尉になる道は無いからだ。陸軍士官学校を出ても、早くても28〜29歳で大尉だからである。



 帰り際に3中隊のパイロットが


「中隊長も最近『私も27歳…30前には結婚したいなぁ…誰かいい人いないかなぁ?』って言ってたからな…頑張れよ!」


 と、最後まで勘違いされたままなのが気になった…




 意を決して、3中隊長と直接話をしてみることにした。


 工場の陰で、ガイアに3中隊長と話し合いをする事を伝えると、ガイアも一緒に行くと言い出した。まぁ、ガイアと言う証拠もあった方が良いと考え、連れて行く事にした。


 午後、エーレ曹長から時間をもらって第3中隊の事務室に行くと、事務室内が騒ついた…


 知り合いのパイロットが「ちゅ…中隊長に用事か?」と聞いてきた。


「はい!3中隊長はいますか?」


 と俺が答えると、事務室内が一斉に


『うぉ〜〜〜!』


と盛り上がった。


(あのパイロットめ…余計な事を言いふらしやがったな…)


 3中隊の中隊先任曹長(下士官の長)が席を立ち、俺の方に近づいて来る。そして、ニヤニヤしながら


「お前、本気か?本気なら祝福してやるが…ああ見えて、結構じゃじゃ馬だぞ?」


 もう勘違いはやめてくれぇ〜(T_T)と思ったその時…


「先任!誰がじゃじゃ馬なんですかね?」と声が…


 俺の後ろに3中隊長が立っていたのだ…


「事務室が騒がしいと思って来てみたら…一体、何の話をしているんですか!」


 3中隊先任曹長は慌てて


「本管中隊のソハヤ軍曹が、中隊長に大切な話があると言っていまして…」


 このオッサン、俺に振りやがった…3中隊長は


「私に話?プライベートな話なら、仕事中ではなく課業外にしてくれるかな?」


 って…まさか…この人まで勘違いしているのか?


 俺は慌てて


「いや…あの…仕事の話と言えば仕事の話なんですが…プライベートな部分もあり…いや…その…」


 つい、モジモジしてしまった…すると


「それじゃ、終礼後の…うぅ〜ん。18時にしてもらえる?急ぎでもないでしょ?18時に中隊長室に来てくれるかな?」


 俺が「分かりました。18時ですね。」と言うと、また事務室が一斉に『うぉぉぉ〜!』と盛り上がった…


 だから違うってば…




 俺が整備工場に戻ると、ナハス軍曹が近づいてきた。


「クロ!どうだった?上手くいったか?」と聞いてきた(クロノスの略で、班ではクロと呼ばれている)


「何がですか?」と聞き返すと、ナハス軍曹は


「おい!惚けるなよ!3中隊長にクロが告白しに行ったって、大隊中の噂だぜ?」と大声で言う…


 ここもか…誰だ!こんなしょーもない噂を流したのは!


 エーレ班長も走ってきて「そうだったのか…で?どうだったんだ?」と聞いてくる始末…


「もう!違いますよ!そんなんじゃないんです!」


 って言っても、みんな聞いてくれない…


 ナハス軍曹なんか「3中隊長、俺と同じ年だろ?7歳差…6歳か?まぁ、姉さん女房の方が上手く行くって言うしな!ってかOKだったのか?」って…


 エーレ班長も「あの中隊長、20代前半、下手したら10代にしか見えないからな…」とか言ってるし…


「まぁ、年も階級も上だが…応援してるぞ!」


 って、エーレ曹長…だから違うんですよ…






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