第001話 「序 章」
オープニングをまとめて、こちらに合体させました。本編の始まりは後半になります。
1話目から楽しめる物語では無いと思います。噛めば噛むほど味が出る…スルメ?みたいな物を目指しています。
作者自身が漫画やアニメ派であり、小説って少ししか読んだ事がないから…自分の思うままに書いてますので、読み難い所も有るかと思います。
年代、設定の矛盾等ありましたら気兼ねなく連絡下さい。
******** プロローグ *********
MUC(migrate.universe.century)205年7月19日…
クラウ
「本部、こちら第1小隊、作戦地域に到着した。これより作戦行動に移る。」
クラウ
「ホーリー2、ホーリー3、こちらホーリー1。計画通り作戦を実行する。前方3km地点までフォーメーションAだ。」
エクス
「ホーリー2、了解!」
カーテナ
「ホーリー3、了解。」
クラウ
「第2小隊、こちら1小隊ホーリー1。そちらの現在の状況を転送してもらいたい。こちらの状況を転送する。なお、予定通り行動しているか?」
アロン
「こちら、2小隊ソード1、2小隊は予定通り行動中。約10分後に合流予定。自己位置を転送する。」
クラウ
「エクス、カーテナ、車輪を格納しろ。ここからは歩きで行く。」
カーテナ
「了解です。」
エクス
「了解しました。」
突然、エクス機の左脚が爆発した。
エクス
「クラウ大尉!左足をやられた。先に行ってくれ。」
クラウ
「何だ?地雷か?」
エクス
「いや、違う。狙撃だ!クラウ大尉、止まったら狙われるぞ!」「うわぁ〜!」
エクス機のコックピットが爆発する…
クラウ
「AI、エクス機がやられる前にデータを送信してきた。解析してくれ!」
AI
『解析完了。射点を画面に表示します。』
クラウ
「バカな!後ろからだと?後ろに敵がいるのか?」
AI
『いえ。友軍の可能性が高いです。エクス中尉が受けた射撃は、我が軍の110mmキャノン砲です。』
クラウ
「カーテナ、後ろから撃たれてる!注意しろ!」
カーテナ
「大尉、どう言う事です?後ろに敵が?」
クラウ
「分からん。まだ状況が把握できてない。」
カーテナ
「レーダーに友軍機3機をキャッチ。合流しましょう!」
クラウ
「バカやろう!その友軍機にエクスがやられたかも知れないんだぞ!」
AI
『マスター、このレーダーの動き、第2小隊だと思われます。』
クラウ
「カーテナ…どう言う事だ?エクスは第2小隊にやられたのか?2小隊が裏切ったとでも言うのか?」
カーテナ
「分かりません…分かりませんが、もし2小隊が相手だとしたら、2対3では不利です!」
クラウ
「カーテナ、お前は逃げろ。俺が3機を足止めする。」
カーテナ
「えっ?無茶です!」
クラウ
「早く行け!この事実を、誰かが本部に伝えなきゃならないんだよ!」
カーテナ
「しかし…」
クラウ
「本部に無線が届く位置まで後退し、この映像記録を本部にデータ転送しろ!良いな?」
「カーテナ!早く行け!」
カーテナ
「了解しました…ポイント32で待ってます。早く来て下さいね。」
クラウ
「おお!了解した。任せろ!その後のデータも、逐次転送するからな!」
カーテナ
「了解しました。ご武運を…」
******** 本 編 **********
この戦争はいつまで続くのだろう…
そんな想いの中、俺は陸軍少年下士官学校に入学した。
この学校は高校であるが、卒業後は陸軍へ入隊となる。
戦時中と言う事もあり両親は反対していたが、他にやりたい事も無く、自分を変えたいとも思っていたし、戦争中とは言え整備部隊を希望しているので、最前線へ行く事はないだろうと思っていたからだ。
普通の高校に行く事も考えたが、学生のうちから整備の勉強ができる陸軍少年下士官学校は魅力的であった。
小さな頃から機械弄りが大好きであり、中学生の時には、大人でもできない様な家の農業機械などの修理をしていたくらいだ。
別に「お国のため」や「家の名誉のため」なんて気持ちは全く無かった。
MUC209年3月23日
陸軍少年下士官学校を卒業し、部隊へ配属となった。
入学時の予想とは違い、最前線の部隊にも整備兵は必要だと言う事を知ったのは、1年生の時に軍の部隊編成の授業の時だったか?
学校を卒業し、戦争中に整備兵として第一線部隊に配属となったが、幸い配属から1か月半後のMUC209年5月11日に戦争は終結した。
整備と言うのは、主にABLM、通称「エーブラム」と呼ばれる2足歩行タイプのロボットの整備を主とし、車両と火器の整備を少しやっていた。
ABLMとは「A型地域戦闘用陸上機動兵器」(Atype.battle.land mobile)の略である。
4足歩行型が「B型」であり、A型よりも汎用性が高いのだが、現在の軍の主力はA型、B型、戦車がほぼ均等の様な状況となっている。
因みにB型は「BBLM」という略称である。
ABLM、BBLM共に開発時期はMUC190年であり、俺が生まれた年に始まったのだが、やはり4足歩行型の方が早く完成した。
BBLMはMUC195年に実用化されたが、 ABLMは戦争が始まった後のMUC202年である。
MUC203年、中学1年生だった俺は、テレビで ABLMを初めて見た時、「コイツの整備をしたい!コイツを作ってみたい!」と思った。
ABLMは、全高が4mくらいの概ね人型だ。人型である利点はあるのか?とも考えるが、やはりロボットはカッコいいのである!
山岳地帯や市街地戦での有用性も実証され、今では各国の軍隊が必ず配備している。
歩兵にとって代わる事の出来る兵器でもあるが、現代の歩兵はパワードスーツの様な外骨格タイプを装着したり、足に装着するドローンで空を飛びながら戦闘している。
話を戻すが、ABLMは搭乗型の2足歩行兵器である。コックピットは背中側から乗るタイプが多く、パイロットは、それぞれのパートナーである人工知能(AI)と共に戦闘を行う。AIは可搬式のブラックボックスの様なもので、大きさは縦15cm弱、横5〜6cm、高さ5cm程度であり、これは軍のABLMパイロットにしか支給されない。
そう…パイロットしか持ってないし、持ってはいけない物なのである…