File4 「指した道の先」
綺麗な星空。
あの日、願った星空。
1/8、私が願った星空の中。
星々が道を示している。
彼らはその道をまた走った。
永遠と続くような星の道。
無重力なのに重力を感じる、足に力も入る。
これはマジックか何かの仕掛けがあるのだろうか?
そう思いながら、紗楽は走る。
無重力なのに、疾走している感じがする。風も感じる。
ここは一体どこなのだろう。
どこか、変なところに導くのではないか。
まさか、また母親が俺を傷つけるのか…?
そんな疑心暗鬼の彼、薫もまた、走る。
彼は願う。
この先に、人がいることを。
声が出せないから人がいるかを呼びかけたりも出来ない。
無力と絶望に駆られながらも、微かな期待を信じて走る飛鳥。
「ここは星の中央だよ。」
誰かの声がした。
「ねぇ、ここで遊ぼう?」
また声がした。
子供のような、可愛らしい声だった。
星の中央で出会う。
それは、突然の出来事だった。
「うわぁっ!!」
「貴方達、誰!?」
それもそのはず、
3人共、夢中になって走っていたので、先が見えていなかったのである。
紗楽 「人が、いる…?」
薫 「あぁ、いるみたいだな」
少々困惑しながらも、3人は状況を把握したようだ。
安堵の表情を浮かべながら、彼らは自己紹介を始めた。
紗楽 「石川紗楽、高校2年生です。趣味はフルート、吹奏楽を愛してます、よろしく!」
薫 「よろしく、紗楽さん。高3、バスケ
部、西島薫です、よろしく。」
紗楽 「よろしく、西島さん。えぇっと、貴方
は…?」