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公望、アメリカへおり立つ!

そんな船上での生活が何日も何日も続いた。


そしてついに、船はアメリカ大陸に到着した。


「おおっ、陸だ、陸が見えるぞ!あれがアメリカ大陸だな!

あれは、アメリカ西海岸の、サンフランシスコの町だ!」


公望たちの乗り込んだ蒸気船は、ついにアメリカ西海岸の大都市、サンフランシスコに到着。


「やはり日本の町とは、比べ物にならないな。

いつか日本にもこのような町ができるといいな。」


そんなことを思いながら、一行は上陸した。




ここで公望は、未来の文明の利器を持ち出してきた。


「どうでしょう。ここでひとまず、写真撮影でもいきましょうか。」


公望が持ち出したのは、最新式のデジカメだった。


「な、なんだそのカメラは?」


「これはデジタルカメラという未来のカメラですよ。これで写真を撮れば、よりリアルに写真を撮ることができます。」


写真技術そのものは既にこの時代にもあったが、当時のものは現代のものとは比べ物にならない程度のものだった。もちろん、カラー写真ではなく、モノクロ写真。


公望はさっそく、自分たちが乗ってきた船の写真を撮る。


続いて、サンフランシスコの町並みの写真を撮影する。


「できれば、パノラマ写真とか撮影したいな。

愛宕山から撮影された、江戸の町のパノラマ写真のように…。」


日本に現存する最古のパノラマ写真といわれる、愛宕山から撮影されたという江戸の町のパノラマ写真。あのような写真を撮影したいと願っていた。


「それでは、このデジカメで、皆さんと集合写真を撮りましょう。」


全員集合。まずは船をバックに、続いて町並みをバックに、集合写真を撮影する。そして出てきた写真は、カラー写真だった。


「おおー!これがカラー写真か!」


そして、このサンフランシスコで、新たな味覚に巡り会う。現代人にはおなじみとなっているが、明治初期の日本人はまだ、この味を知らなかった。


「これは、ハンバーグという、牛肉と豚肉の挽き肉を混ぜ合わせて、成形した食べ物ですよ。

このハンバーグのことを、パティともいいます。

このパティを、こちらのバンズという、パンの間に挟む。

上下にバンズ、その真ん中にハンバーグ=パティや、ピクルス、チーズなど、その他の具を挟み込んで、

すると、これがハンバーガーという食べ物です。

食べ方は、あのようにかぶりついて、食べるのですよ。」


ハンバーグと、パティ、バンズ、それらのものがどういうものなのか、

そしてハンバーグの作り方、ハンバーガーの作り方、食べ方などの説明を受けた公望。


さっそく公望も、ハンバーガーをつくって、そしてかぶりついて食べてみる。


「なんと、この国ではこのような食事、そして、このような食べ方があったとは…。」


そしてさらに、ドーナツという食べ物も知ることに。


「この真ん中に穴のあいた、小麦粉、卵、砂糖などを混ぜ合わせてつくる、甘い食べ物が、ドーナツというんですよ。

アメリカ人はなぜか、このドーナツが好きな人が多いという話のようです。」


「なるほど、アメリカ人は、ハンバーガーとか、ドーナツとかが好きな人が多いのか…。」


それだけ、当時の日本人たちは、そういったものを、知らなかったのだった。




そしてその後、サンフランシスコで一泊し、またまた、ビーフステーキを夕食としていただいた。


明日はもうさっそく、サンフランシスコから、ロサンゼルスに向かうという。



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