〈03〉
現在、時刻は午後12時過ぎ。
昼休みである。
俺は学校に弁当を持ってこない系男子だ。
なので学校がある日の昼食は、食堂で済ましている。
やっぱりランチBは美味いな…。
「ねえねえ、最近ここら辺でよく誘拐事件が起きてるらしいね」
「うん、私も朝、友達から聞いた。怖いよねー」
ガールズトークを盗み聞きしながら昼食をとる。
会話をしてるのは、ロングヘアーの二人組。
一人はストレート、もう一人はポニーテールにしている。
2人ともまあまあ可愛い。
で、なんだって?誘拐事件?
「たしか、ある特定の時間に、学校の近くを歩いてるとさらわれちゃうんだっけ?」
「そうそう、夜の十一時から十一時半の間に、学校の近くの交差点付近を歩いてるとさらわれちゃうってやつ」
ほうほう。
「友達の友達が言ってたらしいんだけど、犯人は人間じゃないらしいよー?」
「えー?」
えー?
「なんでも、犯人はクラゲみたいな宇宙人だとか!」
「えー、流石にそれは嘘でしょー」
マジありえなーい。
「まあ、友達の友達の話だからねー」
「嘘っぽいねー」
ねー。
そんな話をしながら、女子高生二人組は食堂を出て行った。
ふむ、夜の十一時から十一時半か…。
俺もランチBを食べ終わったので食堂を出て、教室に戻るために廊下を歩いていると、見知った顔を発見した。
……アイツ、やっぱり目立つな。
「よう、芍薬」
俺はアイアンクローされる前に挨拶をする。
「お、サスケか!おいっす!どうした?」
「ちょっと訊きたいことがあってな」
最近ここら辺で誘拐事件がよく起きてるらしいが、それについて何か知ってるか?
と、彼女に訊くと。
「いや、私もついさっき誘拐事件の存在を知ったばかりなんだわ」
と彼女は答えた。
「いやー、まさかこんな近所で誰かがさらわれてるなんてな」
彼女は続けて言う。
「かはは、月曜日からビッグニュースだ」
続けて言う。
「なあ、サスケ───」
言う。
「───人助けしようぜ」