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ファミリアヒーロー  作者: ミシャクジ
狂気沈殿
22/22

〈07〉

「えーっと、お前が今言ったのはスナック菓子を作ってる株式会社の名前?」


あそこのポテトチップスは結構好みだったりする。とくに薄塩。塩加減が俺の好みだ。けどポテトチップって手が汚れるから、ゲームしながら食えないのが難点だよな。あの会社には是非、触っても手が汚れないポテトチップスを作って欲しいと切に願う。


「それはコイケヤで、俺が言ったのは殺し屋だ」


俺のつまらないボケをスルーせずにツッコんでくれたのは嬉しい。嬉しいがその後の情報が嬉しくない。殺し屋だって?それって桃白白とかゴルゴ13とかに代表される、キルミーでベイベーなアレのことか?


「そうだ、大旨お前が想像してるようなもので合っている。依頼を受け、人を殺し、金を得る。ただそれだけの仕事。まあ、彼女らしいと言えば彼女らしいな」


そう言った後に、千兵衛は軽く鼻で笑った。


なるほど、彼女は殺し屋なのか。殺し屋界にもあんな可愛らしい女の子がいるなんて思ってもみなかった。確かに、殺されるなら筋肉モリモリのマッチョマンより、ああいう娘に殺されたいよな。まあ、殺し屋ってけっこう人気で人口が多い職業だから、可愛い娘も一定数いる────わけねえだろ。


「どこが普通なんだよソレ!?殺し屋とか聞いたことねえぞ!?お前って天才だけど馬鹿だよな!!」


何が普通だよこの天パ!!八百屋の娘みたいなノリで殺し屋の娘が居てたまるかバーカ!!


常識の無さだけで比較するなら、あの芍薬とどっこいどっこいなんじゃあないか?


「……そうか?俺は結構な頻度で殺し屋から依頼を受けるぞ?」


「お前の物差しで語らないでくれ……」


なんか頭痛くなった……やっぱり俺の周りって、頭のネジが吹き飛んでる奴ばっかだな……もしかして、俺が変なのか?自分に自信が無くなってきたぜ。


千兵衛の常識の無さについては、また次の機会に語るとして、今は結依ちゃんだ。とりあえず、彼女について重大な情報を手に入れた。


彼女は殺し屋だ。そして、彼女は今日になって急に俺へアプローチを開始した。


これらから導かれる答えは一つしかない。


「結依ちゃんは俺を殺そうとしてるんじゃないか?」


誰からの依頼なのか全くわからんが、俺を殺す為なら彼女の行動の全てが理解できる。ああいう態度をとって、油断した俺を殺す。非常にシンプルかつ有効な手段だ。ストーキングしていたのも、俺がどういう人間か調べるためだろう。


情報収集を怠らないし、俺にもっとも効果的な殺害方法を選んでいる。彼女は間違いなくプロだ。


「ふむ……たしかにその可能性も無くはないが、一体誰がお前に殺しの依頼をしたんだ?」


「わからない。だから、千兵衛にお願いがある。誰が俺の殺害を依頼したのかを調べて欲しい。やってくれるか?」


もし本人に訊いたとしても、明確な答えは決して返ってこない。だったら、彼女以外から訊くしかない。他人から上下左右の殺害依頼について知るしかない。しかし、俺に殺し屋へのコネは一切ない。当たり前だが、普通の男子高校生にあるわけがない。


つまり、ここはクレイジーでアブノーマルな千兵衛に頼る場面だ。


「お前の頼みならば断れないな。まあ、頼まれなくとも調べるつもりだったが」


そういって千兵衛はポケットから携帯を取り出し、少し弄って再びポケットの中へしまった。


「たった今、メアリーへ連絡をした。闇月については彼女が調べてくれる」


メアリーとは、千兵衛の家に住んでいるメイドロボのことだ。アレだ、一言でいうならまほろさんだ。えっちなのはいけないと思います!


彼女については、いつか詳しく説明する時が来るだろう。千兵衛と俺にとって、メアリーさんは重要な人物だからな……人物?人物で良いよな?


「サンキュー、千兵衛」


「礼を言われるようなことではない。当たり前の事だ」


いつもの口調で、千兵衛はそう言った。


「当たり前、ね……」


いい親友を持ったな、俺。


「さて千兵衛、結依ちゃんについて、お前にもう一つ訊きたいことがある」


「ふむ、なんだ?」


「結依ちゃんを無力化する方法を教えて欲しい」


過去に依頼を受けたのならば、結依ちゃんがどう殺すかを多少なりとも知っているはずだ。


「ふむ……依頼を受けたと言っても、ヤツの全てを知っているわけではない。重要な情報は無いがそれでも良いか?」


ああ、かまわない。お前にとって重要じゃあなくても俺にとっては重要な事がある。というか、そういうパターンが殆どだ。


「ふむ、では闇月の攻略法について語り始めよう」


────そうして俺は、ホームルームが始まるまで千兵衛の話を聞き続けたのであった。

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